弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人等の負担とする。
         理    由
 上告人A1代理人山崎今朝彌の上告理由は末尾添附の別紙書面記載の通りである。
 上告理由第一点について。
 しかし原審における昭和二十二年四月十八日の口頭弁論調書及第一審判決事実摘
示により被上告人は所論上告人の主張を争つていることが明らかであるから論旨は
理由がない。
 第二点について。
 しかし、所論弁済期延期の事実はこれを主張する上告人において立証しなければ
ならない、そして原審はこれを認めるに足る措信すべき証拠がないとして右事実を
否定したのであり、証拠の採否は原審の専権に属するところであるから、原審の措
置を攻撃する論旨前段は上告の理由とはならない。なお原判文に所謂「後段認定の
ような事実関係」とは上告論旨第三点において攻撃する認定事実を指したのではな
くて被上告人が昭和十四年三月二十日本登記をしようとしたところA2の印影が不
明瞭だとの理由で申請が却下せられたので訴外Dを介してA2に交渉せしめ、Dは
同年四月十一日新たにA2の印を押した委任状を持つて来た等以下の事実を指した
ものと見るべきであつてこれ等の事実関係に徴して原審が上告人主張の様な弁済期
延期があつた旨を述べた各証人の供述を措信しなかつた事は何等法則違背はない。
 次に原審は本件貸借の利息は証書面は年一割の約定であるが実際は年二割の計算
で従来一ヶ月金四十五円乃至金五十円位の割合で授受していた事実を認定したもの
であることは判文上明白であるから所論の二百四十円は元金内入弁済として授受し
たものではなく証書面の利率とは別に約束された利率に従つて計算した利息として
授受された事実を認定したものであることを窺い知ることができるのであるから、
所論の如き理由齟齬もしくは理由不備の違法は認められない。従つて論旨後段も理
由がない。
 第三点について。
 論旨第二点について説示した様に原審が上告人主張の弁済期延期の事実は認めら
れないと判示した以上本点所論の判示部分は無用蛇足のものであるから此点につい
てたとい所論の様な違法があるとしてもそれは判決主文に影響を及ぼすものではな
い、従つて論旨は上告の理由とならない。
 第四点について。
 しかし(一)原審は所論弁済期延期の事実を認めないのであるから右事実を基礎
とする所論は総て理由がない。
 (二)所論Dの証言は原審において当事者何人もこれを援用していないものだか
らこれを根拠とする論旨は理由がない、そして原審が挙示した証拠によつて原判示
事実(論旨(1)に摘録した事実)に基いて被上告人の代物弁済選択の意思表示が
当時Dを介して上告人等に通達されたとの事実を推認したのもあながち違法だとは
云い得ない、しかのみならず仮に右事実がなかつたとしても原審が当事者間に争な
き事実として確定した昭和十四年五月十六日の内容証明郵便による通知により本訴
係争登記は有効のものとなり原判決主文は維持せられるから論旨は結局理由なきに
帰するものである。(なお次点説示参照)
 第五点について。
 しかし、原判決は代物弁済選択の意思表示は本則としては登記前になすべきもの
であるが後になされてもそれによつて登記は実体権利関係と結局一致することにな
るからそれで有効のものになるというのであつて少しも矛盾や齟齬はない、そして
その見解も正しいから論旨は理由がない。
 よつて民事訴訟法第四百一条第九十五条第八十九条により主文の通り判決する。
 以上は裁判官全員一致の意見である。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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