弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1原告の請求を棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
処分行政庁が原告に対し平成19年3月30日付けでした自動車税の減免申請却
下処分を取り消す。
第2事案の概要
本件は,別紙物件目録記載の自動車(○○。以下「本件自動車」という。)を購
入した原告が,愛知県豊田加茂県税事務所長(処分行政庁。以下「本件県税事務所
長」という。)に対し,本件自動車がAことBにより横領されて行方不明になった
などとして自動車税の減免を申請したところ,本件県税事務所長から同申請を却下
する旨の処分(以下「本件却下処分」という。)を受けたため,本件却下処分の取
消しを求める抗告訴訟である。
1前提事実(争いがないか,証拠上明らかである。)
(1)当事者等
ア原告は,平成13年1月ころ,株式会社C(以下「C」という。)との間
で,分割金を完済するまで本件自動車の所有権をCに留保するという約定の自動車
ローン契約を締結した上,自動車販売店から本件自動車を購入した。
本件自動車は,平成13年2月2日,所有者をC,使用者を原告,使用者の住所
及び使用の本拠の位置を原告肩書地として,自動車登録ファイルに登録された。本
件自動車の登録番号は,当初は「○○XXXXXXX」であったが,その後「○○
YYYYYYYY」に変更され,平成16年2月18日に「○○ZZZZZZZ
Z」に変更された。本件自動車は,最後に行われた車検の更新により,有効期間の
満了日は平成19年2月1日となった。
イ本件県税事務所長は,愛知県豊田市及び西加茂郡の区域を管轄する愛知県
豊田加茂県税事務所の長であり,愛知県知事の委任を受けて自動車税(県税)の賦
課徴収に関する事務を行う権限を有するものである(愛知県行政機関設置条例《平
成13年愛知県条例第52号》3条2項,愛知県県税条例《昭和25年愛知県条例
第24号。以下「本件県税条例」という。》4条1項1号)。
(2)原告がBに対して提起した訴訟等
ア原告は,平成15年1月10日,名古屋地方裁判所岡崎支部に対し,Bを
被告として,所有権に基づいて本件自動車を含む自動車2台の引渡しを求めるとと
もに,消費貸借契約に基づいて381万円及び遅延損害金の支払を求める訴え(同
支部平成15年(ワ)第17号。以下「別件訴訟」という。)を提起した。別件訴訟
の手続において,その訴状に記載されたBの住所にあてて同訴状及び第1回口頭弁
論期日の呼出状の送達手続が採られたが,同住所には送達できなかった。そこで,
原告がBの住所を調査したところ,「愛知県瀬戸市α×××番地の×β−××
×」と判明したため,同住所にあてて訴状等の送達手続が採られた。
イ同支部は,Bが適式な呼出しを受けながら口頭弁論期日に出頭せず,答弁
書その他の準備書面も提出しなかったことから,同年8月5日,原告の請求を認容
する旨の判決を言い渡し,同判決は確定した。
ウ原告は,確定した別件訴訟の判決に基づいて,名古屋地方裁判所執行官に
対し,Bを債務者とする動産執行を申し立て,同執行官は,同年10月16日,B
の上記住所地に赴いたが,空き家でありBが占有していなかったため,執行不能と
なった。
エ本件自動車は,平成19年2月21日,名古屋市γの路上で放置された状
態で発見され,同年7月18日,廃車手続がされた。
(3)本件却下処分,それに対する審査請求及び本訴提起
ア原告は,平成19年1月26日,本件県税事務所長に対し,平成13年4
月ころ本件自動車をBに横領され,それ以降,原告は本件自動車を占有しておらず,
その行方も不明であることを理由として,平成17年度及び平成18年度の本件自
動車に係る自動車税(税額は各年度当たり3万9500円)の減免を申請したとこ
ろ,本件県税事務所長は,平成19年3月30日,本件県税条例72条の減免事由
に該当しないことを理由として本件却下処分をし,そのころ,これを原告に通知し
た。
イ原告は,同年5月22日,愛知県知事に対し,本件却下処分について審査
請求をしたが,同知事は,同年7月25日,同審査請求を棄却する旨の裁決をし,
そのころ,これを原告に通知した。
ウ原告は,平成20年1月4日,本件却下処分の取消しを求める本件訴えを
提起した。
2関連法令等
(1)地方税法
145条1項自動車税は,自動車(軽自動車税の課税客体である自動車その他
政令で定める自動車を除く。以下自動車税について同じ。)に対し,主たる定置場
所在の道府県において,その所有者に課する。
2項自動車の売買があつた場合において,売主が当該自動車の所有権を留保
しているときは,自動車税の賦課徴収については,買主を当該自動車の所有者とみ
なす。
3項(略)
162条道府県知事は,天災その他特別の事情がある場合において自動車税の
減免を必要とすると認める者に限り,当該道府県の条例の定めるところにより,自
動車税を減免することができる。
(2)本件県税条例
61条1項自動車税は,県内に主たる定置場を有する自動車(軽自動車税の課
税客体である自動車及び法施行令第44条に規定する自動車を除く。以下自動車税
について同じ。)に対し,その所有者(所有者が法第146条第1項の規定によつ
て自動車税を課することができないものである場合においては,その所有者から借
り受けた使用者)に課する。
2項自動車の売買があつた場合において,売主が当該自動車の所有権を留保
しているときは,自動車税の賦課徴収については,買主を当該自動車の所有者とみ
なす。
72条知事は,天災その他特別の事情により被害を受けた者のうち,必要があ
ると認めるものに対し,自動車税を減免することができる。
(3)愛知県の自動車税基本通達(昭和36年11月18日付け「36税第630
号」。以下「本件基本通達」という。)第2の3(1)
条例第72条に規定する減免の認定に当たつては,被害状況等を十分調査のうえ,
広範囲にわたることのないよう留意するものであるが,具体的な取扱いは次による
ものであること。
ア減免期間は,次に掲げるものについて,それぞれに対応する期間とするも
のであること。
(ア)天災により自動車の原動機等に被害を受けたため相当の期間において運行
不能となつたもの
運行の用に供することができなくなつた日の属する月の翌月から当該自動車が修
理された日の属する月までの期間
(イ)盗難により相当の期間において自動車を所有できなかつたと認められるも

盗難のあつた日の属する月の翌月から当該自動車が還付(返却)された日の属す
る月までの期間
(ウ)その他特別の事情によるもので総務部税務課と協議し必要と認めたもの
必要と認める期間
イ(略)
3争点及びこれに関する当事者の主張
原告が本件自動車の買主として自動車税の納税義務を負うものであることについ
ては当事者間に争いがない。
本件の争点は,本件県税事務所長が原告に対し本件自動車に係る自動車税の減免
を認めなかったことが違法か否かであり,これに関する当事者の主張は次のとおり
である。
(原告の主張)
(1)原告は,D情報宣伝局長と名乗るBから脅迫されて,本件自動車を購入した。
Bは,本件自動車を横領して乗り回していたが,その後行方不明となり,平成1
5年ころに愛知県瀬戸市αの住所が判明したものの,再び行方不明となった。
Bは,当初は「○○XXXXXXX」であった本件自動車の登録番号を,「○○
YYYYYYYY」,「○○ZZZZZZZZ」と勝手に変更した上,道路交通法
違反を繰り返したため,その都度,原告に罰金等の納付命令が送付された。
原告は,平成15年10月16日,確定した別件訴訟の判決に基づいて,Bに対
する動産執行をしたが,強制執行は不能に終わり,本件自動車も発見されなかった。
原告は,本件自動車を全く利用することができず,名義変更するなどの措置を講
ずることもできないのであって,こうした状態で本件自動車の自動車税を負担せざ
るを得ないことは極めて酷なことである。
(2)ア地方税法162条及び本件県税条例72条は自動車税を減免することが
できる場合を規定しているところ,これらの規定が「天災その他特別の事情がある
場合」,「必要があると認められるものに対し」,「減免することができる」等の
抽象的な文言を使用していることからすれば,減免事由該当性の判断が,知事及び
その委任を受けた県税事務所長の裁量に一定程度ゆだねられていることは否定でき
ないが,その裁量の範囲は無制約ではなく,処分の根拠法規の制度趣旨に従った合
理的なものでなければならないことはいうまでもない。
イところで,自動車税は,自動車の所有に対して課税される財産税の一種で
あるが,同時に,道路その他社会資本の充実の要請を考慮し,自動車の所有者が道
路を利用することによって生じさせた道路の損傷分を整備費として負担させるとい
う性格を有するものである。このことは,自動車税の税額が自動車の排気量に応じ
て定められていることからも明らかである。自動車の所有者が自動車税の納税義務
を負うのは,通常,自動車の利用者と所有者が一致すると考えられているためであ
るにすぎない。
このような自動車税の制度趣旨にかんがみれば,原告のように横領等犯罪に起因
して自動車を奪われ,全く自動車を利用することができない者に対しては,「その
他特別の事情により被害を受けた者」(本件県税条例72条)に当たるとして,自
動車税を減免することが求められていると考えるべきである。本件県税条例が抽象
的な文言を使用し,愛知県知事及びその委任を受けた県税事務所長の合理的な裁量
判断により,自動車税を減免することができるよう救済規定をおいたのは,正に本
件のような自動車税を負担する理由のない者に対し,不当に課税することがないよ
う配慮したためである。
ウしかも,自動車が盗難された場合には自動車税の減免が認められていると
ころ,窃盗の場合と本件のような横領の場合との間で,自動車税の減免において異
なる扱いをする合理的理由に乏しい。
エしたがって,原告が本件自動車をBにより横領され全く利用することがで
きない上,名義変更するなどの措置を講ずることもできない状態にあるにもかかわ
らず,本件県税事務所長がした本件却下処分は,その裁量権の範囲を逸脱し又はこ
れを濫用した違法なものというほかない。
(被告の主張)
(1)原告はBに本件自動車を横領された旨主張するが,同主張事実は否認する。
Bは,自分名義で自動車を購入することができない事情があったため,原告に対
し,迷惑をかけないから自動車を購入してほしいと依頼し,原告は,同依頼を承諾
した上,Cとの間で自動車ローン契約を締結した上,原告名義で本件自動車を購入
したものであるから,原告の本件自動車の取得は,当初から,Bが本件自動車を占
有使用することが目的であったというべきである。
(2)ア自動車税の減免については,どのようなものに対し減免を必要と認め,
減免措置を講ずるかは,知事から減免処分の権限の委任を受けた本件県税事務所長
の合理的な裁量にゆだねられているから,本件県税事務所長による本件却下処分は,
その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したと認められるときに限り,違法とな
る。
イ原告は,横領等の犯罪に起因して自動車を奪われ,全く利用することがで
きず,自分の力で名義変更するなどの措置を講ずることができない状態で自動車税
を負担せざるを得ないことは酷なことである旨主張するが,原告は,Bから本件自
動車の購入を頼まれ,これを承諾して本件自動車を購入した上Bに使用させたもの
であるから,原告が主張するような事態を招来したことについては,原告にもその
責任があることは否定できない。また,関係法令及び本件県税条例等に,原告のよ
うな事情がある場合に自動車税を減免する旨の明文の規定はない。
そもそも,自動車税は,自動車という財産に対して課される財産課税の一種であ
るところ,原告は,別件訴訟において,本件自動車が原告の所有であることを理由
としてBに対しその引渡しを請求し,その判決において原告の請求が認められてい
るから,上記の自動車税の性格に照らせば,仮にBの行為によって原告が本件自動
車を利用できない事態になったとしても,そのような理由によっては,本件自動車
の自動車税を減免しなければならないとはいえない(原告がBの行為により本件自
動車を利用できないにもかかわらずその自動車税の負担を強いられていると主張す
るのであれば,原告はBに対して損害賠償請求等によりその損害を求償すべきであ
る。)。
ウ原告は,盗難の場合には自動車税の減免を認め,本件の場合に自動車税の
減免を認めないことは不合理である旨主張する。
しかし,Bが本件自動車を横領したとは認められないことは前記(1)のとおりで
あるが,仮に,原告の主張を前提としても,愛知県においては,盗難による被害の
ように突然自動車の占有者の意思に反し占有を奪われるような場合ではなく,自動
車税の納税義務者が他の者に自動車を使用貸借又は自動車の名義貸しを承諾した結
果,使用貸借又は名義貸しを受けた者により自動車が持ち去られ,自動車税の納税
義務者がその自動車を使用できない状況となった場合には,使用貸借又は名義貸し
をした者にも責任があることから自動車税の減免を認めておらず,これまでに愛知
県においてそのような事情で減免した事実もない。
また,盗難の場合には,自動車の占有を奪取されることから,通常被害時におい
て窃盗犯人を特定することはできず,損害賠償請求等によりその損害を求償するこ
とが不可能であるのに対し,本件の場合,原告はBに本件自動車を使用させており,
損害を求償すべき相手方がBと特定されているから,その損害を求償することは可
能であった。
本件基本通達においても,本件県税条例72条の減免ができる場合として,盗難
については規定しているが,横領については規定していない。
エしたがって,本件県税事務所長が本件却下処分をしたことについて,その
裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとは到底認められず,本件却下処分
が適法であることは明らかである。
第3当裁判所の判断
1原告は,平成13年1月ころ,Cとの間で分割金を完済するまで本件自動車
の所有権をCに留保するという約定の自動車ローン契約を締結した上,自動車販売
店から本件自動車を購入したものであり,原告が本件自動車の自動車税の納税義務
者に該当することは当事者間に争いがない(地方税法145条2項,本件県税条例
61条2項は,「売主が当該自動車の所有権を留保しているとき」に自動車税の賦
課徴収について買主を当該自動車の所有者とみなす旨規定しているが,この規定は,
信販会社がローンの返済の担保のために所有権を留保している場合にも準用される
ものと解される。)。
2ところで,自動車税は,地方税法145条1項が「自動車に対し,主たる定
置場所在の道府県において,その所有者に課する」旨規定し,本件県税条例61条
1項が「県内に主たる定置場を有する自動車に対し,その所有者に課する」旨規定
していることに照らせば,自動車の所有という事実に担税力を認めて課する一種の
財産税であると解される。なお,自動車税が,同時に,当該自動車が道路を走行す
ることに伴って生ずる道路の損傷分について応分の負担をさせるという性格を併せ
有することは否定できないが,当該自動車が販売されて運行可能な状態におかれた
場合には,道路において現実に運行されているか否かを問うことなく当該自動車の
所有者が納税義務を負うことからすれば,道路の利用に伴う損傷分を負担させると
いう側面は付随的なものにすぎないと解するのが相当である。
また,自動車税の減免について,地方税法162条は「道府県知事は,天災その
他特別の事情がある場合において自動車税の減免を必要とすると認める者に限り,
当該道府県の条例の定めるところにより,自動車税を減免することができる。」と
定め,これを受けて,本件県税条例72条は「知事は,天災その他特別の事情によ
り被害を受けた者のうち,必要があると認めるものに対し,自動車税を減免するこ
とができる。」と定めているところ,「天災その他特別の事情により被害を受けた
者」との規定は,その文言からすれば,天災により自動車に損傷を受けた場合のよ
うに,納税義務者に何ら責任のないことが客観的に明らかな事情によって当該自動
車を運行することができなくなった場合等をいうものと解するのが相当であり,ま
た,「自動車税を減免することができる」との文言からすれば,自動車税を減免す
るか否かについては,自動車税の法的性格を踏まえ,知事及びその委任を受けた県
税事務所長の合理的な裁量にゆだねる趣旨であると解するのが相当である。
そして,愛知県においては自動車税の賦課徴収に関し本件基本通達を定め,本件
基本通達において,本件県税条例72条に規定する減免の取扱いについて,(ア)天
災により自動車の原動機等に被害を受けたため相当の期間において運行不能となっ
たもの,(イ)盗難により相当の期間において自動車を所有できなかったと認められ
るもの,(ウ)その他特別の事情によるもので総務部税務課と協議し必要と認めたも
のについて,自動車税の減免を認める旨を定めている。本件基本通達の上記内容は,
自動車税の法的性格や減免の制度趣旨に照らして合理的なものと認められる。
以下,上記の自動車税の法的性格,自動車税の減免を認める趣旨等を踏まえて,
原告の主張について検討する。
3原告は,Bから脅迫されて本件自動車を購入し,その後Bに本件自動車を横
領されて,全く利用することができず名義変更するなどの措置を講ずることもでき
なかったから,本件自動車に係る自動車税の減免を認めなかった本件県税事務所長
の本件却下処分は,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用する違法なものであ
る旨主張する。
しかし,原告は,別件訴訟の訴状に,Bが原告に対して迷惑をかけないから自動
車を購入してほしいと依頼し,原告はこれを承諾してCとの間で自動車ローン契約
を締結して本件自動車を購入した旨を記載し(甲2),また,愛知県総務部税務課
主任が,平成19年7月4日,本件却下処分に係る審査請求の手続において,原告
代理人に対して訴状の上記記載の趣旨を確認したところ,原告代理人は,Bは,何
らかの事情で自己名義で自動車を購入できない事情があったため,原告に対し本件
自動車の購入を依頼し,原告はやむなく名義貸しに応じた旨の説明をしたことが認
められる(乙1)。そうすると,原告又は原告代理人が自ら作成し又は口頭で説明
したこれらの内容に従って,原告は当初からBが使用することを承知の上でBのた
めに名義貸しをして本件自動車を購入したものと認めるのが相当であり,原告がB
から脅迫されて本件自動車を購入したとか,Bに本件自動車を横領されたという原
告主張の事実は直ちにこれを認めることができない。
なお,仮に,原告が主張するように,Bから脅迫されて本件自動車を購入したと
か,Bに本件自動車を横領されたという事実があったとしても,そうした事情は,
本件基本通達に従っても自動車税の減免事由に当たるものではないし,天災により
自動車に損傷を受けて運行不能になった場合のように,納税義務者に何ら責任のな
いことが明らかな客観的事情により当該自動車を運行することができなくなった場
合であるともいえない。また,自動車税の法的性格に照らしても,本件自動車の所
有者として納税義務を負う原告が,本件自動車を運行することができない状況にな
ったという事由のみから,直ちに本件自動車に係る自動車税を減免しなければなら
ないともいえない。
原告は自動車が盗難された場合には自動車税の減免を認め,横領された場合にこ
れと異なる扱いをする合理的理由に乏しいとも主張する。しかし,①盗難による被
害のように突然占有者の意思に反して自動車の占有を奪われるような場合ではなく,
自動車税の納税義務者が第三者に自動車の使用を承諾した結果,その者により自動
車が持ち去られ,自動車税の納税義務者がその自動車を使用できない状況となった
場合には,同納税義務者にそのような者に自動車の使用を承諾したことについて責
任がないとはいえないこと,②盗難の場合には,窃盗犯人を特定することができず,
犯人に対してその損害を求償することが不可能な場合が多いのに対し,横領の場合
には,犯人が特定でき,その損害を求償することが窃盗の場合に比べて容易である
ことなどの差異があるから,原告がBに本件自動車を横領されたという原告主張の
事実を前提としても,盗難の場合に自動車税の減免を認める一方で,本件の場合に
その減免を認めない扱いが直ちに不合理であるとはいえない。
したがって,本件自動車に係る自動車税の減免を認めなかった本件県税事務所長
の本件却下処分は,その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであるとは
認められず,適法なものというべきである。
4以上によれば,原告の請求は理由がないから棄却することとして,主文のと
おり判決する。
名古屋地方裁判所民事第9部
松並重雄裁判長裁判官
前田郁勝裁判官
廣瀬達人裁判官

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