弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
     控訴費用は控訴人の負担とする。
         事    実
 控訴代理人は原判決を取消す。被控訴人等は、被控訴人横須賀税務署長が控訴人
に対してなした、昭和二十二年七月十七日附第一種増加所得金額九十九万円の決定
に基く所得税金七十万五千円中七十万円の徴収手続、殊に右被控訴人が昭和二十三
年二月二十日差押えた控訴人所有の神奈川縣a郡b町c町d番のe地所在家屋番号
fのg木造瓦葺平家住家一棟建坪二十八坪五合七勺の公売手続は、控訴人から被控
訴人に対する右税金債務不存在確認請求訴訟の本案判決確定まで、これを行つては
ならない、との判決を求め被控訴人等代理人は、いずれも本件控訴を棄却する、と
の判決を求めた。
 当事者双方の事実上の主張は、控訴代理人において、本件仮処分の本案訴訟は昭
和二十三年十月二十六日横浜地方裁判所に提起されたもので、その請求の趣旨は、
「一、被控訴人横須賀税務署長が控訴人に対してなした、昭和二十二年七月十七日
附第一種増加所得金額九十九万円の決定に基く所得税金七十万五千円中千五百円を
除く金七十万三千五百円の税金債務の存在せざることを確定する。二、被控訴人等
は右税金を徴収してはならない。三、被控訴人等は、被控訴人横須賀税務署長が右
徴収のため、収入官吏として債権者国、債務者控訴人との間において昭和二十三年
二月二十日なされた控訴人所有の紳奈川縣a郡b町c町d番のe地所在家屋番号f
のg、木造瓦葺平家住家一棟建坪二十八坪五合七勺の差押処分を取消せ。四、被控
訴人等は、被控訴人横須賀税務署長が昭和二十三年四月二十四日なした嘱託に基き
なされた前項差押登記の抹消登記手続をせよ。」というのである。而して右本案の
請求はいずれも税金債務の不存在を理由とするものであつて、税金債務なるものは
単に私法上の権利義務の関係に過ぎないものであるから、これが賦課処分が取消さ
れたと否とに関係なくその不存在を主張し得るものである。と述べた外はいずれも
原判決事実摘示と同一であるからことにこれを引用する。
         理    由
 控訴人は税金債務を以て私法上の債務なりとする見地に立つて、横浜地方裁判所
に税金債務不存在確認の請<要旨>求の訴なる本案訴訟を提起し、本件においてはそ
の徴税手続停止の仮処分を求めるものであるが、先ず本案の訴について考察
するに、本件第一種増加所得金のごとく行政庁の課税行為によつて国と納税義務者
との間に生ずる法律関係は、国家課税権なる公権力の行使に関するものであるから
到底控訴人の主張するようにこれを以て単なる私法上の債務に過ぎないと認めるこ
とを得ず、従つて税金賦課の違法を争う訴は結局行政事件訴訟特例法第一條に該当
する訴と観るべきである。而して同條には「行政庁の違法な処分の取消又は変更に
係る訴訟」とその他「公法上の権利に関する訴訟」が規定され和税賦課処分に著し
い瑕疵が存するときは、その処分は当然無効であるから当事者は公法上の権利に関
する訴訟によつてその賦課処分の無効を主張し得るが、然らざる場合その賦課処分
は一応有効になされたものであるから、当事者は「行政庁の違法な処分の取消又は
変更に係る訴訟」によつて、この賦課処分の取消又は変更を求めることを要し、本
件の如く行政庁が一旦所得金額を決定した以上、単に控訴人主張の如き事由すなわ
ち控訴人の実際上の所得額を超過して所得金額を賦課せられたというがごとき事由
のみによつては、右所得金額の決定は当然無効を以て目すべきではなく、單に取消
の対象となるに止り、裁判によつてこれが取消されざる限りは有効のものと解する
を相当とする。すなわち本件の場合控訴人は私法上の債務不存在の訴又は「公法上
の権利に関する訴訟」を本案訴訟として提起すべきではないのである。控訴人は須
く本案訴訟として「行政庁の違法な処分の取消又は変更に係る訴訟」を提起すべき
であつたのである。されば税金債務を以て私法上の債務なりとし、その不存在確認
を求める控訴人の本案訴訟は許されざるものと認める外なく、(仮に控訴人におい
てその本案訴訟の請求原因を「公法上の権利に関する訴訟」に変更することありと
しても、これ亦許されざる所である)、従つて本案訴訟にして許されざる以上、本
件徴税手続停止の仮処分の申請も亦許されざるものといわざるを得たい。のつて結
局原判決は正当なことに帰着するから、本件控訴を棄却すべきものとし、訴訟費用
の負担について同法第九十五條第八十九條を適用し主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 山崎一郎 判事 松田二郎 判事 多田威美)

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