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平成19年6月28日判決言渡東京簡易裁判所
平成19年(ハ)第8528号預金返還請求事件
判決
主文
1被告は,原告に対し,40万0044円及びこれに対する平成19年5月2
日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2訴訟費用は被告の負担とする。
3この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1請求
主文1項と同旨
第2請求原因の要旨
1(以下という)は,平成19年3月13日にa地方裁判所に破産者A破産者
破産手続開始を申し立て,同月22日午後5時に同裁判所より破産手続開始決
管財人に選任された。定を受け,同日,原告が破産(甲第1号証)
2破産者破産者を預金者は,被告(b支店)との間で,平成5年10月ころ,
普通預金口座(口座番号c)を開設し,平成19年4月9日時点でこのとする
預金口座の預入残高は,50万0147円(甲第2号証)であった。
3原告は,上記2の預金口座の預入残高全額の払戻を求めたが,被告は破産手
破産者に有していた貸付金続開始決定前の残高40万0147円につき被告が
払戻に応じない(甲第2,3号証)。との相殺を主張して
破産者の代理人弁護士から債務整理開始4被告は,平成18年11月7日に,
(甲第4号証,乙第1号証),それ以後に同口座に入金通知を受け取っており
破産者された次の40万0044円については,支払停止の事実を知りながら
に対して債務を負担した場合に該当する。
(1)平成18年11月30日B株式会社万円からの家賃収入10
平成18年12月29日B株式会社万円(2)からの家賃収入10
(3)平成19年1月31日B株式会社万円からの家賃収入10
平成19年2月17日利息入金44円(4)
(5)平成19年2月28日B株式会社万円からの家賃収入10
したがって,被告が40万0044円については,相殺を主張する金額のうち
破産者に負担した預金返還債務であり,破産法71条支払停止後に被告が対し
1項3号により相殺は無効である。
よって,原告は,被告に対し,本件預金40万0044円及びこれに対する5
本件訴状送達日の翌日である平成19年5月2日から支払済みまで商事法定利
率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める。
主張第3被告の
1相殺について
破産(1)被告は,平成15年2月3日,訴外社団法人d県年金福祉協会から
に対する次の内容の住宅ローン債権の譲渡を受けた(乙第2,3号証)。者
①残元金565万8440円(当初貸付金額670万円)
②年利率4.32パーセント
③最終弁済期日平成30年9月14日
④毎月の返済額3万0690円
⑤ボーナス月(2月,8月)の返済額10万5499円(但し,最終弁
済期日まで逓減する)
上記住宅ローンの返済は,被告b支店の普通預金口座(口座番号c)から
なされていた(乙第4号証)が,平成15年11月当時から同普通預金口座
にはB株式会社万円被から毎月10の家賃収入があり,同家賃収入をもって
の返済が継続的になされていた。告に対する住宅ローン(乙第5号証)
上記住宅ローン債権につき,破産手続開始決定がされた時点での残元金(2)
であった。額は461万3681円(乙第6号証)
破産者の預金は次の合計(3)破産手続開始決定がされた時点の被告における
である。41万0366円
①e支店普通預金口座(口座番号f)8491円
②g支店普通預金口座(口座番号h)895円
b支店普通預金口座(口座番号c)40万0147円③
b支店普通預金口座(口座番号i)833円④
b支店普通預金口座(口座番号j)0円⑤
(4)相殺通知書により記載の残元被告は,平成19年4月9日付け,上記(2)
上記(3)41万0366円を対当額で相殺した。金と記載の預金合計
本件で原告が相殺禁止を主張しているのは,上記(3)b支店普通預金口③
座(口座番号c)40万0147円のうち,請求原因の要旨4(1)ないし(5)
である。記載の合計金40万0044円
支払停止について2
(甲第4号証,乙第1号証)の内容は,債権者である被告債務整理開始通知
に対して依頼者への連絡や取立行為の中止,債権調査票の提出を求めるととも
に,取引履歴の開示を求め,「調査終了後に,当職より債務整理方針等をご通
知します」とするもので,支払を停止するとの内容は全く記載されていない。
債務整理の開始を通知しているもので,その具体的なまた,同通知は,単に
方針が明示されているものではない。
したがって,(甲第4号証,乙第1号証)が送付されただ債務整理開始通知
けで,支払停止」に該当するものと解するこ破産法71条1項3号の定める「
とはできない。
3予備的主張
(甲第4号証,乙第1号証)が送付されたことをもっ仮に債務整理開始通知
て支払停止にあたるとしても,本件については,同号破産法71条1項3号の
但書に定める「当該支払の停止にあった時において支払不能でなかったとき」
相殺は相殺禁止の規定に該当せず,相殺は有効でに該当するものであり,本件
ある。
支払不能」とは,債務者が支払能力を欠くために,その債務の破産法上の「
うち弁済期にあるものにつき,一般的かつ継続的に弁済することができない状
態をいう()とされている。破産法2条11項
債務本件では,被告に対する破産者の毎月支払額は3万1000円であり,
(甲第4号証,乙第1号証)が送付された後も,被告の破産者名整理開始通知
義の口座には毎月10万円の家賃収入が継続していたのであるから被告に対す
る毎月3万1000円の債務の支払いを継続することは十分に可能な状態であ
った。
よって,支払停止にあたるとしても,同項但書に定破産法71条1項3号の
める「当該支払の停止にあった時において支払不能でなかったとき」に該当す
相殺は相殺禁止の規定に該当しない。るものであり,本件
第4当裁判所の判断
1請求原因の要旨1ないし3各事実及び同4被告が平成18記載の記載のうち
年11月7日に事実破産者の代理人弁護士から債務整理開始通知を受け取った
及びそれ以後に同口座に(1)ないし(4)の合計40万0044円が入金された事
実は,当事者間に争いがない。
債務整理開始通知破産法71条1項3号の定2(甲第4号証,乙第1号証)が
支払停止」に該当するか否かめる「
債務整理開始通知破産者の依頼を受(甲第4号証,乙第1号証)によれば,
けた代理人弁護士Cが破産者の債務を整理するため,債権者に対し取引履歴の開
事実が認められる。示と取立行為の中止を求めた
支払停止」とは,弁済能力の欠乏のため即破産法71条1項3号の定める「
時に弁済すべき債務を一般的かつ継続的に弁済することができないこと(支払
債務整理開不能)を外部に表明する債務者の行為であると解せられるところ,
始通知は,債権者に対し取立行為の中止を求めているのであるから,同法の定め
支払停止」に該当すると認められる。る「
3被告の予備的主張について主張3
平成19年3月13日にa地方裁判所に破産手続開始を申し立て,破産者が
同月22日午後5時に同裁判所より破産手続開始決定を受けた事実は,当事者
間に争いがない。
破産者が破産すると,その約4か月前である平成18年11月7日における
但書に定める「当該支払の停止にあった時において支払不能法71条1項3号
でなかった」旨の主張は,採用できない。
4よって,本訴請求は理由があるからこれを認容し,主文のとおり判決する。
東京簡易裁判所民事第3室
裁判官小沼充

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