弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
1原判決を取り消す。
2本件訴えを却下する。
3訴訟費用は,第1審,2審とも被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
(主位的)
1主文と同旨
(予備的)
2()原判決を取り消す。1
()被控訴人の請求を棄却する。2
()訴訟費用は,第1審,2審とも被控訴人の負担とする。3
第2事案の概要等
1()本件は,産業廃棄物処分業を営んでいた被控訴人が,平成12年3月21
1日にした廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」とい
う。)14条の2第1項に基づく産業廃棄物の処分の事業範囲の変更(建設
廃材の最終処分に建設汚泥及び汚水の脱水処理を追加するもの)の許可申請
(以下「本件許可申請」という。)について,控訴人が何ら処分をしないこ
との違法確認を求めたものである。
事案の概要は,当審において次のとおり主張を付加したほか,原判決の
「事実及び理由」中の「第2事案の概要」(2頁6行目から5頁14行目
まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
()原審は,被控訴人が平成12年3月21日ころ糸島保健所に本件許可申2
請をしたことを認め,控訴人がこれに対し許可又は不許可の処分をしていな
いのは違法であるとして,被控訴人の本件請求を認容した。
()そこで,これを不服とした控訴人が,第1記載のとおり控訴した。3
()当審における争点は,本件請求には訴えの利益があるか,訴えの利益が4
肯定された場合には,本件許可申請があったかどうか,控訴人の不作為が違
法かどうか,ということである。
2当審における追加主張
(控訴人)
被控訴人は,産業廃棄物処分業の許可(廃棄物処理法14条4項)を得てい
たが,その許可は更新の申請がされないまま平成14年6月29日限りで失効
した(甲18の8枚目)。本件申請は,上記許可の存在を前提に事業範囲の変
更を求めたものであるから,同許可の失効により,本件不作為の違法確認の訴
えの利益はなくなった。よって,本件訴えは却下されるべきである。
(被控訴人)
被控訴人が得ていた産業廃棄物処分業の許可が平成14年6月29日限りで
失効したことは認める。
第3当裁判所の判断
1当裁判所は,被控訴人の本件不作為の違法確認の訴えは,訴えの利益がない
から却下すべきであると判断する。その理由は,以下に述べるとおりである。
2不作為の違法確認の訴え(行政事件訴訟法3条5項,37条)は,国民から
の申請を行政庁が握り潰すのを排除するための制度であり,不作為の違法を確
認する判決の拘束力により,申請に対する処分がなされることによって,申請
に係る法律上の利益を取得する可能性を回復させるものである。したがって,
申請に係る法律上の利益を取得する可能性がなくなった場合には,不作為の違
法確認の訴えの利益は失われると解すべきである。
本件についてみると,被控訴人は産業廃棄物処分業の許可(廃棄物処理法1
4条4項)を得ていたが,その許可は更新の申請がされないまま平成14年6
月29日限りで失効したことは当事者間に争いがないところ,上記産業廃棄物
処分業の許可を前提に事業範囲の変更を求める本件申請が認められる法的可能
性はなくなったから,本件不作為の違法確認を求める訴えの利益は失われたと
いうべきである。
そうすると,本件訴えは,訴えの利益を欠く不適法なものとして,却下を免
れない。
3よって,上記判断と異なる原判決は,相当でなく,本件控訴は理由があるか
ら,主文のとおり判決する。
福岡高等裁判所第1民事部
裁判長裁判官簑田孝行
裁判官岸和田羊一
裁判官藤田光代

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛