弁護士法人ITJ法律事務所

最高裁判例


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主文
被告人を懲役1年及び罰金2,600万円に処する。
その罰金を完納することができないときは,金20万円を1日に換算した期
間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から3年間その懲役刑の執行を猶予する。5
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,軽食販売業を営んでいるものであるが,自己の所得税を免れようと考
え,
第1平成26年分の実際の総所得金額が7,146万8,566円であり,これに対する所得10
税及び復興特別所得税額が2,612万0,800円であったにもかかわらず,その所得
税及び復興特別所得税の法定納期限である平成27年3月16日までに,大阪市A
区BC丁目D番E号所在の所轄F税務署長に対し,所得税及び復興特別所得税
の確定申告書を提出しないで同期限を徒過させたことにより,平成26年分の所
得税及び復興特別所得税のうち,所得税2,558万3,546円を免れ(別紙1-1ほ15
脱税額計算書,同2-1修正貸借対照表参照(掲載省略)),
第2平成27年分の実際の総所得金額が1億2,127万7,833円であり,これに対する
所得税及び復興特別所得税額が5,058万5,500円であったにもかかわらず,その
所得税及び復興特別所得税の法定納期限である平成28年3月15日までに,前記
F税務署長に対し,所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出しないで同20
期限を徒過させたことにより,平成27年分の所得税及び復興特別所得税のうち,
所得税4,954万5,054円を免れ(別紙1-2ほ脱税額計算書,同2-2修正貸借
対照表参照(掲載省略)),
第3平成28年分の実際の総所得金額が1億3,781万1,154円であり,これに対する
所得税及び復興特別所得税額が5,816万6,000円であったにもかかわらず,その25
所得税及び復興特別所得税の法定納期限である平成29年3月15日までに,前記
F税務署長に対し,所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出しないで同
期限を徒過させたことにより,平成28年分の所得税及び復興特別所得税のうち,
所得税5,696万9,638円を免れた(別紙1-3ほ脱税額計算書,同2-3修正貸
借対照表参照(掲載省略))。
(法令の適用)5
罰条
判示第1の所為平成27年法律第9号による改正前の所得税法238条3

判示第2の所為平成26年法律第10号及び平成28年法律第15号による改
正前の所得税法238条3項10
判示第3の所為所得税法238条3項
刑種の選択等いずれも懲役刑及び罰金刑を併科,罰金につきいずれ
も情状により所得税法238条4項を適用してその免れ
た所得税の額に相当する金額以下
併合罪の処理刑法45条前段15
懲役刑につき刑法47条本文,10条(犯情の最も重い判示第3の罪の
懲役刑に法定の加重)
罰金刑につき刑法48条2項(判示各罪所定の罰金の多額を合計)
労役場留置刑法18条
刑の執行猶予刑法25条1項(懲役刑につき)20
(量刑の理由)
本件は,3年分合計約1億3,200万円と高額の所得税を免れた無申告ほ脱の事案で
あり,その結果は重大である。被告人は,確定申告をしなかった理由につき,申告
方法が分からなかったなどと述べるが,そうであっても税務署や専門家に相談する
などして申告すべきものであるから,多額の利益が生じていたことは認識していた25
ことも併せ考えると,相応の非難は免れない。
他方で,被告人は,既に本税,延滞税及び無申告加算税の納付を済ませている。
また,被告人には前科がないこと,被告人は,本件犯行につき事実を素直に認めて
反省の態度を示し,税理士に依頼するなどして納税義務を果たす旨供述し,実際に
平成29年分の所得税はそのようにして納付していること,被告人の三女が家族と共
に被告人を監督する旨法廷で誓約していること等の事情も存在する。5
そこで,以上の事情を考慮して,被告人を主文の懲役刑及び罰金刑に処した上,
懲役刑についてはその執行を猶予するのが相当であると判断した。
(求刑懲役1年及び罰金3,900万円)
平成30年12月13日
大阪地方裁判所第12刑事部10
裁判長裁判官増田啓祐
裁判官三輪篤志
裁判官水谷翔

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