弁護士法人ITJ法律事務所

最高裁判例


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平成20年4月24日判決言渡
平成17年(行ケ)第10586号特許取消決定取消請求事件
平成20年4月22日口頭弁論終結
判決
原告ダイセル化学工業株式会社
訴訟代理人弁護士吉澤敬夫
同牧野知彦
訴訟代理人弁理士新井力
同新井全
同岡崎信太郎
被告特許庁長官肥塚雅博
指定代理人小林和男
同徳永英男
同前田孝泰
同一色由美子
主文
1特許庁が異議2003−73414号事件について平成17年6月
14日にした決定を取り消す。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
主文1項と同旨
第2当事者間に争いのない事実
1手続の経緯
原告は,平成9年9月30日に出願した特願平9−282664号の一部を
分割して,平成13年10月15日,発明の名称を「放射線感光材料用樹脂の
製造方法」とする新たな特許出願(特願2001−317290号)をし,平
成15年4月18日,特許第3421328号として特許権の設定登録を受け
た(以下「本件特許」という。請求項の数は5であった。。)
本件特許の特許請求の範囲請求項1ないし5に係る各発明の特許に対し,特
許異議の申立(異議2003−73414号)があり,特許庁は,平成17年
6月14日,請求項1ないし5に係る発明について,特許法29条2項に規定
する要件を満たしていないとの理由で「特許第3421328号の請求項1,
。」,,,ないし5に係る特許を取り消すとの決定をしその謄本は同年7月2日
原告に送達された。
2再度の訂正審決の確定
原告は,本訴の提起後,平成17年10月21日付けで本件特許の特許請求
の範囲の訂正を求める審判(訂正2005−39193号)を請求し,特許庁
は,平成18年6月19日「本件審判の請求は,成り立たない」との審決を,。
し,その謄本は,同月29日,原告に送達された。
原告は,これを不服として審決取消訴訟(平成18年(行ケ)第10346
号)を提起し,当庁は,平成20年1月31日「特許庁が訂正2005−3,
9193号事件について平成18年6月19日にした審決を取り消す」との。
判決を言い渡した。
特許庁は,平成20年3月24日,本件特許の特許請求の範囲の減縮を含む
訂正(請求項の数を2とする)を認め「特許第3421328号に係る明細。,
。」書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める
(「」。),,,との審決以下再度の訂正審決というをしその謄本は同月31日
原告に送達され,同審決は確定した。
第3原告主張の取消事由の要点
再度の訂正審決の確定により,本件特許の特許請求の範囲の請求項の記載が
遡及的に訂正されるため,決定は,本件特許の特許請求の範囲の請求項に記載
された発明の要旨の認定を誤ったことになるから,取り消されるべきである。
第4当裁判所の判断
当事者間に争いのない事実(前記第2)によれば,決定は,再度の訂正審決
による訂正前の特許請求の範囲の請求項の記載を前提に,特許法29条2項の
規定に違反して特許されたものと判断して,同請求項の記載に係る発明につい
,,ての特許を取り消したものであるところ決定の取消しを求める本訴係属中に
本件特許の特許請求の範囲の減縮を含む訂正を認める再度の訂正審決がされ,
これが確定したものである。
そうすると,決定は,結果として,判断の前提となる本件特許の特許請求の
範囲の請求項の記載の認定を誤ったことになり,この誤りが特許を取り消すべ
きものとした決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,決
定は取消しを免れない。
以上によれば,原告の請求は理由があるから,これを認容することとし,訴
訟費用については,本訴の経過にかんがみ,これを原告に負担させるのを相当
と認め,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官飯村敏明
裁判官中平健
裁判官上田洋幸

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