弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人垣内勇の上告理由について
 商標法七七条五項により準用される特許法一九一条の規定に基づく公示送達は、
送達を受けるべき者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないときにこれを
することができるとされているところ、商標法五〇条の規定に基づく商標登録取消
の審判事件における被請求人である商標権者が商標登録を受けた後その本店所在地
を変更し、これにつき、特許庁に対する届出をしていないが、商業登記手続を了し
ているような場合には、右商業登記の登記簿ないしその謄本につき調査をすれば、
送達を受けるべき者としての右被請求人の住所を容易に知ることができるものであ
つて、その住所、居所その他送達をすべき場所が知れないときにあたるとすること
はできないから、同人に対し公示送達をするための要件が具備しているということ
はできない。そうすると、右のような場合に被請求人に対しされた公示送達は、そ
の要件を欠き効力を生じないと解するのが相当である。
 そして、原審の確定するところによれば、本件商標登録取消の審判事件(特許庁
昭和五一年審判第五一六三号事件)における被請求人であつた被上告人において、
本件商標につき商標登録を受けた後その本店所在地を旧住所から現住所に移転し、
これに伴い、右住所の移転につき、特許庁に対する届出こそしなかつたが、商業登
記手続はすでにこれを了していたにもかかわらず、審判長が被上告人に対してしな
ければならない審判請求書の副本の送達及び特許庁長官が被上告人に対してしなけ
ればならない前記審判事件審決(以下「本件審決」という。)の謄本の送達が公示
送達によつてされたというのであるから、被上告人に対する右公示送達による審判
請求書の副本及び本件審決の謄本の送達は、いずれも公示送達の要件を欠き、その
効力を生じないといわなければならない。
 さて、被上告人に対する本件審決の謄本の公示送達が効力を生じない以上、本件
審決の取消を求める本件訴の出訴期間は、進行をはじめるに由ないところであり、
被上告人による本件訴の提起は、三〇日の不変期間経過後に提起されたものである
ということはできず、ひいては、あえて訴訟行為の追完をまつまでもなく、はじめ
から適法であつたといわなければならない。
 次に、前記商標登録取消の審判事件においては、審判長は、被請求人に対し請求
人の提出した審判請求書の副本を送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する
機会を与えなければならないとされている(商標法五六条一項により準用される特
許法一三四条一項)から、これをしないでされた商標登録取消の審決には、手続上
の瑕疵があるといわなければならないところ、右審判事件における被請求人である
商標権者は、自己の登録商標の使用をしていることを積極的に証明するか、又は右
使用をしていないことについて正当な理由があることを証明しなければ商標登録の
取消を免れないとされている(商標法五〇条二項)のであるから、右のような瑕疵
ある手続のもとにされた審決は、商標権者である被請求人に対し防禦権を行使する
機会を与えることなくしてされたものであつて、違法であると解するのが相当であ
る。そうすると、被上告人に対する前記審判請求書の副本の送達が前記のように公
示送達の要件を欠きその効力を生じないものである以上、本件審決は、違法であつ
て、取消を免れないといわなければならない。
 以上によれば、原判決が訴訟行為の追完により被上告人の提起した本件審決取消
の訴を適法とした見解は直ちにこれを是認することはできないが、本件審決取消の
訴が適法であり、かつ、本件審決が違法であるとした結論自体は、結局において正
当であり、原判決に所論の違法はないといわなければならない。論旨は、判決の結
論に影響のない点を捉えるか、又は独自の見解に立つて原判決を論難するものにす
ぎず、採用することができない。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    木   下   忠   良
            裁判官    栗   本   一   夫
            裁判官    塚   本   重   頼
            裁判官    鹽   野   宜   慶
            裁判官    宮   崎   梧   一

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