弁護士法人ITJ法律事務所

最高裁判例


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主文
本件につき作成された調書判決のうち被告人を懲役1
年6月に処すると記載した部分を破棄する。
理由
記録によれば,横浜地方裁判所小田原支部は,平成15年9月2日,上記の道路
交通法違反,業務上過失傷害被告事件につき,被告人を懲役6月に処する,この裁
判確定の日から5年間刑の執行を猶予する,訴訟費用は被告人の負担とする旨の判
決を宣告し,それが確定したが,その判決書に代えて作成された調書判決の主文に
は,被告人を懲役1年6月に処する,この裁判確定の日から5年間刑の執行を猶予
する,訴訟費用は被告人の負担とする旨が記載されていたことが認められる。
ところで,判決は,宣告により,宣告された内容どおりのものとして効力を生
じ,宣告された内容が判決書の内容と異なるときは,判決書の内容及び宣告された
内容の双方を含む意味での判決の全体が訴訟手続の法令違反となり,その判決が確
定したときは,宣告された内容どおりのものが有効に確定し,法令違反は,宣告さ
れた内容と異なる判決書の記載部分のみにあると解される(最高裁昭和50年
(あ)第2427号同51年11月4日第一小法廷判決・刑集30巻10号188
7号,最高裁平成17年(さ)第1号同年11月1日第三小法廷判決・裁判集刑事
288号283頁参照)。したがって,本件においては,横浜地方裁判所小田原支
部が宣告した被告人を懲役6月に処する旨の内容が有効に確定しているから,前記
調書判決のうち,被告人を懲役1年6月に処するとの記載部分を訴訟手続の法令違
反として破棄すべきである。
よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条2号により,裁判官全
員一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官總山哲公判出席
(裁判長裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官那須弘平裁判官
田原睦夫裁判官近藤崇晴)

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