弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
原判決を破棄する。
本件を大阪高等裁判所に差し戻す。 
         理    由
 上告代理人金野俊雄の上告理由について
 一 本件は、約束手形の所持人である上告人が裏書をした被上告人らに対して手
形金の支払を求める訴訟であり、所論は、原判決には、再抗弁についての判断の遺
脱があるから、理由不備の違法があるというのである。
 二 記録によれば、当事者双方の主張の要点は、次のとおりである。
 1 被上告人らは、原因関係の抗弁として、次のように主張した。
 (一) 本件手形は、有限会社D建設が、上告人やその代表者Eらから本件不動
産及び本件出資持分を買い受ける本件売買に当たり、手付金の支払のために振り出
して上告人に交付したもので、被上告人らは、その支払を保証する目的で本件裏書
をしたものである。
 (二) 本件売買には、D建設が代金支払のために環境事業団から融資を得られ
たときに初めてその効力を生ずるとの停止条件が付されており、これが成就してい
ないから、本件裏書は原因関係を欠く。
 (三) 停止条件ではなく、右融資が得られないときに本件売買の効力を失わせ
る旨の解除条件であるとしても、D建設は環境事業団から融資を拒絶され、その条
件が成就した。
 2 これに対し、上告人は、再抗弁として、D建設は、故意に環境事業団から融
資を得られないようにしたから、(一) 故意に停止条件の成就を妨害したか、又
は(二) 故意に解除条件を成就させたものであると主張した。
 三 条件の成就によって利益を受ける当事者が故意に条件を成就させたときは、
民法一三〇条の類推適用により、相手方は条件が成就していないものとみなすこと
ができる(最高裁平成二年(オ)第二九五号同六年五月三一日第三小法廷判決・民
集四八巻四号一〇二九頁)。したがって、上告人の右二2(二)の主張(解除条件
の成就作出)は、被上告人らの同1(三)の抗弁(解除条件の成就)に対する再抗
弁となるべきものである。
 四 ところが、原判決は、停止条件の不成就と解除条件の成就をいずれも抗弁と
して摘示しながら、再抗弁としては、停止条件の成就妨害のみを摘示し、解除条件
の成就作出を摘示していない。しかも、原審は、本件売買は解除条件が成就し無効
となったから、本件裏書は原因関係を欠くに至ったとして、解除条件成就の抗弁を
入れながら、解除条件の成就作出については何らの判断も加えないで、上告人の請
求を棄却した。
 右によれば、原判決には、判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断を遺
脱した違法があるといわなければならない。
 五 しかしながら、【要旨】原判決の右違法は、民訴法三一二条二項六号により
上告の理由の一事由とされている「判決に理由を付さないこと」(理由不備)に当
たるものではない。すなわち、いわゆる上告理由としての理由不備とは、主文を導
き出すための理由の全部又は一部が欠けていることをいうものであるところ、原判
決自体はその理由において論理的に完結しており、主文を導き出すための理由の全
部又は一部が欠けているとはいえないからである。
 したがって、原判決に所論の指摘する判断の遺脱があることは、上告の理由とし
ての理由不備に当たるものではないから、論旨を直ちに採用することはできない。
しかし、右判断の遺脱によって、原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法
令の違反があるものというべきであるから(民訴法三二五条二項参照)、本件につ
いては、原判決を職権で破棄し、更に審理を尽くさせるために事件を原裁判所に差
し戻すのが相当である。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 金谷利廣 裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文 裁判官 奥田
昌道)

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