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平成25年12月13日判決言渡
平成25年(行コ)第15号固定資産税及び都市計画税減免措置取消請求控訴事

主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用のうち,参加によって生じた部分は控訴人補助参加人らの負担
とし,その余は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人の請求をいずれも棄却する。
第2事案の概要
1事案の要旨
(1)本件は,大阪市長が,控訴人補助参加人(以下「補助参加人」という。)
らが使用する原判決別紙1「減免対象施設一覧」の「施設番号」欄1~20記
載の各固定資産(以下「本件各固定資産」といい,同別紙の「施設番号」欄記
載の番号に応じて,各固定資産を「施設1」などという。)について,地方税
法367条,702条の8第7項,大阪市市税条例(以下「本件条例」という。)
71条4項,141条1項,大阪市市税条例施行規則(ただし,平成21年大
阪市規則第8号による改正前のもの。以下「本件条例施行規則」という。)4
条の3第31号に基づき,同別紙「納税者」欄記載の者らに対して,同「本件
各減免措置」欄中の「減免決定日」欄記載の日に行った平成20年度の固定資
産税及び都市計画税(以下,両税を併せて「固定資産税等」という。)の減免
措置(以下「本件各減免措置」といい,個々の施設に係る減免措置を「本件減
免措置(施設1)」などという。)につき,大阪市の住民である被控訴人が,
本件各固定資産は,いずれもP76の関連施設であること等から,本件各減免
措置はいずれも違法であると主張して,地方自治法242条の2第1項2号に
基づき,その各取消しを求める事案である。
(2)原審は,①本件訴えのうち,原判決別紙2「変更決定一覧」記載の各固
定資産に係る平成20年度の固定資産税及び都市計画税の各減免措置のうち
同別紙記載の固定資産税及び都市計画税の各変更決定により減免措置が一部
変更された部分について取消しを求める部分をいずれも却下し,②本件各固
定資産についてした本件各減免措置(ただし,原判決別紙2「変更決定一覧」
記載の各固定資産については,同別紙記載のとおりそれぞれ減免措置が一部
変更された後のもの)は,いずれも減免事由に当たらない違法なものである
として,これらを取り消した。
(3)補助参加人らは,原判決を不服として,原判決後に控訴人に補助参加し,
控訴を提起した。
(略称表記は,原判決のそれに倣う。)
2法令等の定め
原判決「事実及び理由」第2の1(原判決3頁1行目~8頁14行目)のと
おりである。
3前提事実
原判決「事実及び理由」第2の2(原判決8頁15行目~9頁24行目)の
とおりである。
4本件の争点
原判決「事実及び理由」第2の3(原判決9頁25行目~10頁3行目)の
とおりである。
第3当事者の主張
1被控訴人の主張
原判決「事実及び理由」第3の1(原判決10頁5行目~21頁6行目)の
とおりである。
2控訴人の主張
原判決「事実及び理由」第3の2(原判決21頁7行目~32頁4行目)の
とおりである。
3補助参加人らの当審主張
(1)P76について
在日朝鮮人とは,日本の朝鮮半島植民地支配により発生した歴史的な存在
である。また,日本では,社会保障,雇用・就職,教育等その他様々な分野
において,在日朝鮮人に対する差別政策が展開されてきた。そして,P76
は,在日同胞のための活動を展開する在日同胞団体であり,これら差別政策
にさらされてきた在日朝鮮人を支援するとともに,差別政策の是正を求め活
動してきた。日本社会からあらゆる差別政策を撤廃することは,在日朝鮮人
のみならず,日本社会の発展にとっても必要不可欠なことである。したがっ
て,P76は,日本及びその地域社会の利益と直接結び付く活動を行ってい
る団体である。
(2)判断の枠組み
ア「公益」の意義
平成20年通知は,公益が認められることを理由として固定資産税等の
減免を行う場合,その基本原則として,固定資産が控訴人の実施する施策
内容に照らし「公益」に資するかどうかが重要であるとする。
また,平成20年通知別添は,「公益」の有無の判断に関しては,その
固定資産の使用者が特定の者か否かによるのではなく,最終的にその受益
の効果が広く社会全体や十分に広い範囲に及ぶことを積極的に意図して
行われるような事業内容か否かによるとし,このような「公益」の有無の
判断基準は,直近の国としての「公益」全般についての考え方でもあると
する。
イ「在日外国人のための公民館的施設において,専らその本来の用に供す
る固定資産」の意義
上記アによれば,「在日外国人のための公民館的施設において,専らそ
の本来の用に供する固定資産」が固定資産税等の減免の対象とされている
趣旨は,その地域に居住する在日外国人に対してコミュニケーションの場
を提供し,その交流を促進し,その固定資産が在日外国人によって使用さ
れ,様々な事業が展開されることにより,地域住民にとっても有用な効果
が広く社会全体に及び,最終的には地域全体の公益に結び付くことにある。
このような趣旨からすれば,本件各固定資産が「在日外国人のための公
民館的施設において,専らその本来の用に供する固定資産」(本件条例施
行規則4条の3第31号)に該当するか否かは,本件各固定資産が,その
所在する大阪市に居住する在日朝鮮人一般により現に使用され,又は使用
可能なものとなっていることや,特定の団体の使用が単発的,例外的なも
のに止まるか否かではなく,主催者の如何にかかわらず本件各固定資産が
大阪市内に居住する多くの在日朝鮮人により使用され,様々な事業が展開
されることにより,控訴人が策定した人権行政基本方針,外国籍住民基本
指針及び教育基本指針等の施策に寄与し,控訴人の公益に結び付き得るか
否かによるというべきである。
ウ減免措置等の判断における裁量
地方税法6条及び367条は,固定資産税等の減免については,地方公
共団体の定める条例によるものとし,課税免除及び不均一課税については,
地方公共団体の自主的な判断によるものとしており,地方自治の見地から,
各地方公共団体の事情に応じその行政目的の達成のため固定資産税等を
減免することを認め,かつ,その判断については基本的に地方公共団体の
裁量に委ねている。したがって,大阪市長は,「在日外国人のための公民
館的施設において,専らその本来の用に供する固定資産」に当たるか否か
の判断について,広い裁量を有している。
(3)本件各固定資産の使用状況
本件各固定資産は,平成20年(2008年)当時,以下のとおり,大阪
市内に居住する在日朝鮮人一般により,定期講座の開設,討論会等の開催,
リクリエーション等に関する集会の開催,各種団体等の連絡を図ること等,
公民館的施設として使用されていたもので,ほとんどの施設における使用実
態は,ほぼ毎年共通している。
ア施設1
施設1は,①「P1」と称する老人会(月2回程度),②新年会,③親
睦やイベントの企画・準備等を行う婦人会会議,④日本学校に通う中高生
との接触や交流行事の企画,ハングル教室,サマースクールの企画や準備
等を行う青年会会議,⑤日本の学校に通う中高生を対象とするハングル教
室(週1回程度),⑥P77支部と共同開催する花見会の準備,⑦大阪市
会議員慰労の会(年1回)の準備,⑧各種相談を受ける地域同胞生活相談
(月3件程度),⑨老人会の忘年会,⑩季刊誌の発刊(年3回),⑪敬老
チャンチ(お祝いの会)(年1回)及びその準備会議,⑫成人式の準備,
⑬卓球大会やマラソン大会の打合せに使用されていた。
イ施設2
施設2は,①図書室,②P2のメンバーが参加するヨガ教室(週1回),
③老人会のカラオケ交流会(月1,2回),④手芸の文化教室(不定期),
⑤支部新年会,⑥税金講演会,⑦確定申告の受付,⑧納涼会,⑨花見,⑩
敬老会,⑪支部,P3及びP2が共催するクリスマスパーティー,⑫支部
忘年会,⑬支部常任委員会(月1回),⑭支部会議(不定期),⑮イベン
ト準備等のための青年部の会議(週1回),⑯女性部の会議(3か月に1
回),⑰様々な団体の役員が集まる協議会(不定期),⑱P77とP76
の懇親会(不定期),⑲歌の練習(月2,3回),⑳資格試験の勉強に使
用されていた。
ウ施設3
施設3は,周辺住民との友好,親睦のために優先使用を認める旨を定め
た会館管理運用規則(丙A3の1)に基づき,①周辺の複数の労働組合と
の親睦を図る「日朝友好新春のつどい」(つどいが1回,準備や総括を兼
ねた食事会が年3回),②施設周辺の労働組合員数名が朝鮮の歴史,文化,
料理等を学ぶ「日朝文化研究会」(年2回),③公立学校に通う在日朝鮮
人児童にハングルを学ぶ機会を提供する「ハングル教室」(年6回),④
周辺の在日朝鮮人高齢者のための敬老感謝の集い(年1回),⑤テコンド
ーサークル(年1回)及びチャンゴ(朝鮮半島の伝統的な楽器)サークル
(年1回),⑥地域住民を集めた忘年会,⑦日朝ソフトボール大会実行委
員会の準備会議及び懇親会,⑧「P4センター」による在日朝鮮人や地域
住民からの相談受付(平成20年度は51件),⑨憩いの場,⑩図書,雑
誌の閲覧,貸出し等に使用されていた。
エ施設4
施設4は,①在日朝鮮人一般が参加しての成人式,花見などの企画・準
備会議,冠婚葬祭の準備,地域交流会(飲食会),忘年会(日本人と共催),
その他各種イベントの企画会議等,②NPO法人「P5協議会」によるα
地域の在日朝鮮人の生活相談(平成20年は78件),子供たちとの交流
会,老人福祉問題意見交換会,地域福祉問題会議,税務説明会及び法律税
務等の各種相談,③地域の在日朝鮮人高齢者が参加する「長寿会」と称す
る交流会(年1回),④女性セミナー・交流会,⑤P76大阪府P6支部
の役員会議,⑥P7朝鮮学校関係者(父母ら)による会議,⑦地域の在日
朝鮮人商工人が組織する「P8」の役員会議,コンペ等の打合せ,勉強会
等,⑧在日朝鮮人一般による学校納涼会の打合せ(年1回),⑨料理教室
(不定期),⑩在日朝鮮人会員の他,日本人会員もいる卓球クラブ(週1
回)等に使用されていた。
オ施設5
施設5は,①在日朝鮮人主婦らが参加するパソコン教室(週1回),②
NPO法人P9による在日朝鮮人一般の生活相談,福祉,生活補助事業の
ほか,「P9」の総会及び理事会,③日本の高校に通う在日朝鮮人学生と
の交流会である「P10会議」(月1回程度),④地域の在日朝鮮人女性
たちの相互交流のための親睦行事,⑤在日朝鮮人同胞青年一般及び日本の
高校に通う在日朝鮮人同胞学生を各対象とするハングル教室(それぞれ週
1回程度),⑥新年講演会(年1回),⑦P11分会(月1回程度)及び
P12分会(年1,2回程度)の会議,⑧在日朝鮮人高齢者らのお茶会で
ある「老人憩いの場」(週1回),⑨青年部会議,⑩P13会議(月1回),
⑪大阪府下のP10会合(年2回程度),⑫講演会(年4回),⑬P14
学校生が日本の学校に通う在日朝鮮人小中高生に対しハングル,朝鮮の音
楽,歴史,文化,伝統的な遊び等を教える「夏季学校」の開催(3日程度)
及び準備会議(1週間程度),⑭在日朝鮮人児童を対象とする「土曜児童
教室」(月1回程度),⑮健康的な食事をしようという集いである「健食
会」(不定期),⑯成人式準備会議,⑰日本の大学に通う在日朝鮮人学生
のコミュニティである「P15会議」(年2,3回),⑱建築,土木,飲
食等の業界別の講習会(月1,2回程度),⑲大阪府P15学習会(年4
回程度),⑳在日朝鮮人事業主を対象とする経理講習会,<21>在日朝鮮人
女性らによる料理教室(2か月に1回程度),<22>青年部,女性部,P1
3等の忘年会,新年会,<23>クリスマス会,<24>ヨガ教室(月2回程度)
に使用されていた。
カ施設6
施設6は,①老人会による旅行,敬老会,忘年会(各年1回)及びこれ
らの準備,②P16新年会・成人式の実行委員会会議,③P17学校を支
える日本人有志の会である「P18」の定例会会議(月1回),④季刊誌
(同胞情報誌)P19編集委員会会議(年4回程度),⑤P20クラブ,
⑥P21センター(毎日受付,月10~20件程度),⑦P260周年記
念P22祝賀パーティ,⑧P23支部運動推進委員会(同胞訪問活動)の
会議,⑨オモニ(母親)会交流会及びアポジ(父親)会会議(不定期),
⑩日本の学校に通う在日朝鮮人中高生が集まる「P10」,⑪同胞障がい
者とその父母の会であるP24,⑫在日朝鮮人の障がい者が団長を務める
劇団P25の練習,⑬野遊会(花見)実行委員会,⑭バレーボール・サッ
カークラブ会議,⑮分会の新年会及び忘年会,⑯同胞マラソン大会説明会,
⑰春・夏ソフトボール大会の説明会等に使用されていた。
キ施設7
施設7は,①老人会によるお茶会(月2回程度),②分会の新年会及び
忘年会,③同胞の法事(1周忌等),④分会役員会会議等に使用されてい
た。
ク施設8
施設8は,①P26舞踊研究所,②女性合唱団P27,③パッチワーク,
④P28クラブ,⑤英会話教室,⑥書芸教室,⑦料理教室,⑧囲碁将棋協
会,⑨男性合唱団P29,⑩社交ダンス,⑪ヨガ,⑫ボクシング教室,⑬
P30,⑭大阪文芸同好会,⑮P31協会,⑯P14空手OB会,⑰各学
校の舞踊部等に使用されていた。
ケ施設9
施設9は,①英会話教室(平日午後及び夜間),②P32分会の会議(月
1回程度)に使用されていた。
コ施設11
施設11は,①老人の会「P33会」主催の地域の在日朝鮮人高齢者一
般を対象とするお茶会(月2回程度),②ポジャギ(朝鮮半島に伝わる巾
着袋)の作り方を学ぶ「ポジャギ教室」(月3回程度),③婦人部や地域
の在日朝鮮人一般が参加するパソコン教室(週1回程度),④P10(日
本の高校に通う在日朝鮮人学生)を対象とするハングル教室,⑤P34分
会,女性部,青年部,ポジャギ教室の新年会及び忘年会,⑥在日朝鮮人一
般の生活相談等を受ける「同胞生活相談所」(毎月5,6件),⑦弁護士
等の有資格者,専門家による相談(2年に1回程度),⑧料理教室(年3,
4回),⑨ヨガ教室,⑩夏休みの宿題の工作を作る場を提供する「夏休み
工作広場」,⑪地域交流の勉強会及び食事会を行うP35(2か月に1回
程度),⑫ゴルフコンペ,餅つき大会,スキー,成人式,花見,川遊び,
山菜採り,マラソン大会,ソフトボール大会,ボーリング大会,釣り大会
等の各種行事の準備会議に使用されていた。なお,⑬施設11の南側の公
園利用者のために,施設11のトイレを一般開放していた。
サ施設12
施設12は,P76大阪府P36支部の会員以外の者も参加する,①ハ
ングル教室(週2,3回),②子育てサークルP37,③「P38」の名
称での名画試写会(月1回程度),④社交ダンス教室,空手教室,舞踊教
室,囲碁クラブ,⑤障がい者児童らを対象とするクリスマスパーティー(年
1回),⑥「P39センター」による相談会(月1回程度,月6,7件程
度),⑦医療,福祉,教育及び法律等の専門家による「β地域同胞セミナ
ー」(年3回程度),⑧山登り等のアウトドア活動を行う親睦会である「P
40」,⑨敬老会(年1回),⑩地域のソフトボールリーグの監督会議(定
期的に)等に使用されていた。
シ施設13
施設13は,①囲碁クラブ(週1回),②周辺地域の在日朝鮮人高齢者
による交流会(2週間に1回程度)に使用されていた。
ス施設14
施設14は,①ハングル教室,②忘年会や座談会(定期的に),③地域
の在日朝鮮人によるバレーボール大会やゴルフ大会等のイベントの企画
会議や総括会議(定期的に)に使用されていた。
セ施設15
施設15は,①地域に居住する在日朝鮮人1世により組織される「P4
1」主催の,在日朝鮮人高齢者を対象とする交流会であるミニデイP42
(2週間に1回),②「P41」が行う周辺地域の清掃等のボランティア
活動,旅行や焼き肉パーティー等の各種交流企画,他団体との交流企画等
に関する役員会議,③「P41」の忘年会,④地域の在日朝鮮人2世によ
り組織される「P43」主催の食事会P78(1,2か月に1回程度),
⑤「P43」による川遊び,海遊び,旅行等を企画する役員会議,⑥「P
44センター」が行う,地域に居住する在日朝鮮人一般からの面談及び電
話での生活や冠婚葬祭等についての相談(平成20年は33件),⑦P4
5センターが設置する「P46」との共同開催によるハングル学習会,朝
鮮料理教室等(年に各1回),⑧地域に居住する在日朝鮮人一般のほか日
本人も参加する,女性部主催の朝鮮語教室(週1回),⑨在日朝鮮人女性
一般を対象とするヨガ教室(2週間に1回),⑩在日朝鮮人青年により組
織される青年部による食事会,ボーリング大会,旅行等の交流会,高校卒
業生の祝賀会等の企画会議,⑪新年会及び成人式等に使用されていた。
ソ施設16
施設16は,①公立学校に通う在日朝鮮人学生を対象とするハングル教
室(年2回),②施設周辺の在日朝鮮人女性らが集まる茶話会(年7回),
③朝鮮料理教室(年1回),④花見,旅行,納涼大会,忘年会等の各種行
事の企画会議(年5回)及び忘年会(年1回),⑤施設周辺の朝鮮学校や
公立学校に子供を通わせる保護者らによる子育て悩み相談勉強会(年1
回),⑥地域の在日朝鮮人青年らによる勉強会(年2回。うち1回は日本
人青年らとの共同開催),⑦施設周辺の在日朝鮮人高齢者のための「γ地
域同胞敬老会」(年1回),⑧チャンゴ(朝鮮半島の伝統的な楽器)サー
クル(年1回),⑨「P4センター」による同胞無料法律相談(年1回程
度),⑩図書の閲覧,貸出等に使用されていた。
タ施設17
施設17は,平成22年以降,居住用に賃貸されているが,平成20年
当時,①朝鮮学校に通ったことがない在日朝鮮人青年一般を対象とするハ
ングル教室(月1回程度),②地域の日本学校に通う在日朝鮮人小学生一
般を対象として,ハングル,歌,民族の遊びを教える夏期学校,③地域の
在日朝鮮人一般を対象とする新年会,忘年会,クリスマス会等の定例行事
に使用されていた。
チ施設18
施設18は,①公立学校に通う在日朝鮮人中高生を対象とするハングル
教室(2か月に1回程度),②施設周辺の公立学校に通う在日朝鮮人小学
生にハングル,歌,民族の遊び等を教える夏期学校,③地域に居住する在
日朝鮮人女性一般が参加する手芸,歌謡,料理等の文化サークル(月1回
程度),④周辺地域の在日朝鮮人を対象とするクリスマス会,忘年会,税
金講演会,学習会等の各種行事(定期的に)に使用されていた。
ツ施設19
施設19は,周辺住民との友好,親睦を重視して優先的に使用させる旨
を定めた会館管理使用規則(丙A19の2)に基づき,①施設周辺の公立
小学校に通う在日朝鮮人小学生を対象に,朝鮮語,歌,民族の遊びを教え
る「土曜児童教室」(週1回),②公立学校に通う在日朝鮮人中高生を対
象とするハングル教室(週1回)及び朝鮮学校に通ったことのない在日朝
鮮人青年を態様とするハングル教室(週1回),③在日朝鮮人社会と祖国
統一に寄与し,会員間の親睦,社会的地位の向上,企業発展に寄与する目
的で,在日朝鮮人青年商工人を中心に結成されたP47の幹事会(月1回)
及び忘年会(年1回),④P76P48支部の会員のほか,P49囲碁ク
ラブ,P77会員も参加する囲碁大会,⑤在日朝鮮人高齢者が参加する同
胞老人会(年1回)や「ふれあい喫茶」と称する交流会(定期的に),⑥
「P50センター」による地域の在日朝鮮人対象の生活相談(平成20年
は20件),⑦P8主催の税金講演会・説明会,⑧在日朝鮮人女性を対象
とする料理会や勉強会(2週間に1回程度),登山サークル「P51」及
び書道教室(不定期)等のサークル活動,⑨新年会,成人式,花見会,ク
リスマス会,忘年会等の各種行事に使用されていた。
テ施設20
施設20は,①公立学校に通う在日朝鮮人児童を対象とするハングル教
室(年7回),②周辺の在日朝鮮人らが集まる茶話会(年2回),③P5
2(P77P53支部とP76P54支部合同で開催された行事)準備の
ための分会役員会議(年1回)及び納涼大会準備のための分会役員会議(年
1回)に使用されていた。
(4)平等原則違反
P76各支部が所有する本件各固定資産について固定資産税等の減免措置
を取り消すことは,P76各支部と同様の性格ないし活動状況にある団体の
施設である他の「在日外国人のための公民館的施設」(本件条例施行規則4
条の3第31号)と差別取扱を行うものであり,その取扱に合理的理由はな
いから,平等原則に反し違法である。
4補助参加人らの当審主張に対する被控訴人の反論
(1)P76について
北朝鮮は,人間の尊厳に基づく人権思想も民主主義もない首領(平成20
年当時は金正日)独裁制であり,首領に対する絶対的忠誠を要請するチュチ
ェ思想という宗教的ともいえる特異な思想を掲げ,先軍政治による超軍国主
義を敷き,民衆に貧困と飢餓を強いながら核兵器の開発に血道をあげ,国連
安保理決議に違反して核実験や弾道ミサイル発射を行って危機を演出し,非
道な日本人拉致事件を今もって解決しようとしない異形の国家である。
P76は,独裁政権である北朝鮮政府に服従し,チュチェ思想を信奉して
首領に絶対的忠誠を誓い,北朝鮮主導の祖国統一を希求し,人民の貧窮をよ
そに行われる軍備増強の先軍政治を擁護し,核保有とミサイル発射を正当化
し,北朝鮮主導による祖国統一を支持し,構成員・活動家に対する思想教育
を恒常的に行っている団体である。また,P76は,単純な権利擁護団体で
もなければ,組織全体がおどろおどろしい工作組織でもなく,民族権利擁護
団体の中に首領の野望を実現する非公然組織が組み込まれた団体である。
補助参加人らの主張は,P76が在日朝鮮人と一体となった存在であるこ
とを前提とする。かつてP76が在日朝鮮人50万人を影響下に収めていた
時代があったが,北朝鮮の実態が知られるようになってからは離脱者が増え,
日朝首脳会談で金正日が日本人拉致事件を認めてからは,一層離脱者が続き,
平成20年現在で特別永住者の10%程度の4万人にまで落ち込んでいる。
しかも,規約の総則には,「P76は,その綱領,規約を支持,賛同する同
胞の各団体によって構成される統一戦線体である」とされている。
かかる組織の活動は,それが表面上,在日朝鮮人一般の権利擁護活動に見
えるものがあるとしても,直ちに公益性があると捉えることはできない。P
76の権利擁護活動は人道主義から出たものではなく,あくまでも北朝鮮政
権主導の統一を実現するための「戦術」であり「手段」にすぎない。
(2)判断の枠組み
ア「公益」の意義
「公益」の意義に関する補助参加人らの主張(上記3(2)ア)は,平成2
0年通知別添の趣旨を曲解するものである。平成20年通知別添は,「公
益」の有無の判断基準となる「不特定多数の者」とは,利益を受けるもの
が特定の範囲に限られず,かつ,多数であることを意味するとしている。
例外的に,直接の受益者が特定の者に限られている場合でも,その受益の
効果が広く社会全体や充分に広い範囲に及ぶことを積極的に意図して行
われるような事業は,不特定多数の者の利益を増進するといえる場合もあ
るとされているが,そこで例として引用されているのは,数人の患者しか
いない難病の研究であっても,その効果はいつ患者になるかも分からない
多数の者に波及していると評価できるというものである。本件では,本件
各固定資産の使用が「在日朝鮮人のための公民館的使用」に該当するかど
うかが問題となっているから,難病の研究とは異なり,直接,不特定多数
の在日朝鮮人の使用に供されている必要がある。
イ「在日外国人のための公民館的施設において,専らその本来の用に供す
る固定資産」の意義
当該施設が「在日外国人のための公民館的施設において,専らその本来
の用に供する固定資産」に当たるというためには,その使用の大半が在日
外国人のための公民館的施設の用途に供されているものであって,それ以
外の用途に供されることがあったとしても,それが単発的,例外的な使用
に止まると認められることが必要である。
ウ減免措置等の判断における裁量
固定資産税等の減免措置は,租税公平の原則の例外に当たるものである
から,その要件は厳密に審査することが要請され,使用簿等の客観的資料
に基づいて認定されなければならない。「在日外国人のための公民館的施
設において,専らその本来の用に供する固定資産」に当たるか否かの判断
についての大阪市長の裁量の範囲は相当程度限定されたものであり,客観
的資料に基づく認定の結果,「在日外国人のための公民館的施設において,
専らその本来の用に供する固定資産」に当たるとはいえない場合について
もなお,固定資産税等の減免措置を行う裁量を有するものではない。
なお,補助参加人らは,当審において,本件各固定資産の使用状況を証
明するための資料を提出する。しかし,かつて控訴人から再三の要請を受
けながら,使用簿等の客観的資料を提出せず,5年以上も経過してから,
本件各減免措置当時の使用状況について,作為の混じる可能性のある主観
的な記憶に頼って作成された陳述書等を提出するものであり,これらによ
って事実認定を行うべきではない。
(3)本件各固定資産の使用状況
ア本件各固定資産は,いずれもP76の支部ないし分会の施設であり,P
76の活動拠点である。P76のホームページに掲載された活動原則にあ
るように,P76は民主主義中央集権制の原則をとっており,会員は各級
所属機関に,すべての機関は中央機関に従うとされている(甲17の1)。
P76は,チュチェ思想を指導的方針としてすべての活動を繰り広げてい
るのであり,北朝鮮政権に服従し,絶対的忠誠を尽くして献身するものと
されている以上,そこを北朝鮮の政治体制と政治思想を是としない在日朝
鮮人や,P76を離脱した在日朝鮮人が公民館的施設として利用するとは
考えにくいから,客観的証拠なしにこれを認定することはできない。
イ補助参加人らが主張する各施設における活動や行事のうち,使用簿等に
記載のないものは,そのような施設の使用がされたとはいえない。また,
本件減免措置前の実地調査時に全く言及されていないものは,後に資料が
提出されていても,その資料の信用性には疑義がある。さらに,使用簿等
に記載のある行事等も,明確な裏付けがない限り,P76各支部又はその
傘下組織の活動ないし行事というべきであって,P76関係者以外の者が
参加することがあっても,各施設の使用の大半がP76とは無関係な在日
朝鮮人一般によるものとはいえない。
ウしたがって,本件各固定資産は,いずれも「在日外国人のための公民館
的施設において,専らその本来の用に供する固定資産」に当たるとはいえ
ない。
(4)平等原則違反について
本件条例施行規則4条の3第31号の固定資産の減免事由の有無は,各固
定資産ごとにその使用実態等を調査した上で個別に判断されるべきものであ
り,その固定資産を所有する団体の性質が類似することをもって,取扱を同
一にすべきであるとはいえない。また,P77が祖国とする韓国は民主主義
国家であり,我が国と国交を有しており,日本人拉致事件や国連安保理決議
違反もないという根本的な差異がある。さらに,韓国P77の綱領や活動原
則には,P76のそれに該当するような本国の政権に従属し,一体となって
活動することを要請するチュチェ思想のようなものはなく,その活動におい
て日本や地域社会に対する公益性を認めることが容易である。
したがって,本件各固定資産についての減免措置だけを取り消すことが合
理的理由のない差別取扱であり,平等原則に違反するということはできない。
第4当裁判所の判断
1本件各変更決定による変更部分の取消しを求める訴えの利益について
上記部分について取消を求める利益がなく,同部分の取消しを求める訴えが
却下されるべきことは,原判決「事実及び理由」第4の1(原判決32頁6~
12行目)のとおりである。
2P76について
原判決「事実及び理由」第4の2(原判決32頁13行目~34頁2行目)
のとおりである。
補助参加人らは,P76の目的,組織体の意義等について,前記第3の3(1)
のとおり主張し,P55の意見書(丙10)にはこれに沿う部分があるが,原
判決が上記引用部分で認定するところに照らし,採用できない。
3判断枠組み
次に補正するほかは,原判決「事実及び理由」第4の3(原判決34頁3行
目~39頁25行目)のとおりである。
(1)原判決38頁1行目の「ではない旨主張する。」の後に,次のとおり付加
する。
「また,補助参加人らは,「公益」の有無の判断基準について,その固定資
産の使用者が特定の者か否かによるのではなく,最終的にその受益の効果
が広く社会全体や十分に広い範囲に及ぶことを積極的に意図して行われ
るような事業内容か否かによるべきであり,その趣旨からすれば,本件各
固定資産が「在日外国人のための公民館的施設において,専らその本来の
用に供する固定資産」に該当するためには,主催者の如何にかかわらず本
件各固定資産が大阪市内に居住する多くの在日朝鮮人により使用され,
様々な事業が展開されることにより,控訴人が策定した人権行政基本方針,
外国籍住民基本指針及び教育基本指針等の施策に寄与し,控訴人の公益に
結び付き得るか否かによるべきであると主張する。」
(2)原判決39頁17行目の「したがって」~21行目の「というべきである。」
を,次のとおり改める。
「したがって,本件各減免措置が違法であるというためには,本件各固定
資産について,P76による使用が単発的,例外的なものに止まらず,そ
の大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはいえないことが必要
であるというべきである。」
4本件各減免措置の違法性の検討
当裁判所も,上記3の見地から,本件各固定資産について,P76による使
用が単発的,例外的なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供
されているとはいえないものと判断する。その理由は,原判決「事実及び理由」
第4の4(原判決39頁26行目~85頁8行目)のとおりである。
したがって,本件各固定資産は,いずれも「在日外国人のための公民館的施
設において,専らその本来の用に供する固定資産」に当たるとはいえないから,
本件各減免措置(ただし,原判決別紙2「変更決定一覧」記載の各固定資産に
ついては本件各変更決定による変更後のもの)はいずれも違法である。
5補助参加人らの当審主張について
(1)本件固定資産の使用状況について
補助参加人らは,本件各固定資産の使用状況について,前記第3の3(3)
のとおり主張する。しかし,以下のとおり,補助参加人らの上記主張はいず
れも採用できず,前記4の認定・判断を左右しない。
ア施設1
補助参加人らは,施設1の使用状況について,前記第3の3(3)アのとお
り,同①~⑬の活動又は行事(以下「行事等」という。)に使用した旨主
張し,これに沿うP56の陳述書(丙A1の8)及びこれを裏付ける書証
(丙A1の1~7)を提出する。
上記行事等のうち,⑤ハングル教室については,年間計画(乙A1の5)
に記載がないから,それが行われたと認めることはできない。
その余の行事等が行われたことは,上記書証(丙A1の1~7)及び弁
論の全趣旨により認められる。しかし,施設1がP76大阪府P57支部
として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各
行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76
が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日
朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設1については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
イ施設2
補助参加人らは,施設2の使用状況について,前記第3の3(3)イのとお
り,同①~⑳の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP58の陳述書(丙
A2の2)及びこれを裏付ける書証(乙A2の5,丙A2の1)がある。
上記行事等のうち,①図書室,④手芸の文化教室,⑥税金講演会,⑦確
定申告の受付,⑬支部常任委員会,⑭支部会議,⑯女性部の会議について
は,その開催等を裏付ける的確な書証がなく,それらが行われたと認める
ことはできない。
その余の行事等が行われたことは,上記書証(乙A2の5,丙A2の1)
により認められる。しかし,施設2がP76大阪府P59支部として使用
されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各行事等の名
称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76が主催又は
共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日朝鮮人や日
本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設2については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
ウ施設3
補助参加人らは,施設3の使用状況について,前記第3の3(3)ウのとお
り,同①~⑩の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP60の陳述書(丙
A3の10)及びこれを裏付ける書証(丙A3の1~9)がある。
上記行事等のうち,⑨憩いの場,⑩図書,雑誌の閲覧,貸出し等につい
ては,これを裏付ける的確な書証がなく,それらが行われたと認めること
はできない。
その余の行事等が行われたことは,上記書証(乙A3の1~9)及び弁
論の全趣旨により認められる。しかし,施設3がP76大阪府P54支部
として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各
行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76
が主催又は共催した行事等であると推認される。そして,①日朝友好新春
のつどいについては,P76会員以外の在日朝鮮人や日本人も参加してい
たものとうかがえるが,それ以外の行事等については,P76会員以外の
在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もな
い。
そうすると,施設3については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
エ施設4
補助参加人らは,施設4の使用状況について,前記第3の3(3)エのとお
り,同①~⑩の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP61の陳述書(丙
A4の9)及びこれを裏付ける書証(乙A4の5,丙A4の1~8)があ
る。
上記行事等が行われたことは,上記書証(乙A4の5,丙A4の1~8)
により認められる。しかし,施設4がP76大阪府P6支部として使用さ
れていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各行事等の名称
や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76が主催又は共
催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日朝鮮人や日本
人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
この点,補助参加人らは,P79会館使用簿(乙A4の5,丙A4の1)
の使用者欄に記載された「一般同胞」とは,P76会員でない一般在日朝
鮮人を意味すると主張する。しかし,上記使用簿には,成人式準備,花見
打合せ,情報誌編集打合せ等,P76支部の恒例行事等であることが明ら
かなものについても「一般同胞」と記載されていることに照らすと,P7
6会員及び一般在日朝鮮人を含むものと窺われる。そして,「一般同胞」
と記載された行事等におけるP76会員と一般在日朝鮮人の参加者数の
内訳を明らかにする証拠はないから,上記使用簿の記載をもって,施設4
が一般在日朝鮮人に広く利用されていると認めることはできない。
そうすると,施設4については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
オ施設5
補助参加人らは,施設5の使用状況について,前記第3の3(3)オのとお
り,同①~<24>の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP62の陳述書
(丙A5の4)を提出する。
しかし,上記主張及び陳述書の記載を裏付ける書証等はないから,それ
らが行われたと認めることはできない。
また,仮に施設5が補助参加人ら主張のとおり使用されているとしても,
施設5はP76大阪府P64支部として使用されていることに加え,上記
主張及び書証からうかがわれる各行事等の名称や内容に照らし,いずれも
P76の活動そのものか,P76が主催又は共催した行事等であると推認
される上,P76会員以外の在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占め
たことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設5については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
カ施設6
補助参加人らは,施設6の使用状況について,前記第3の3(3)カのとお
り,同①~⑰の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP63の陳述書(丙
A6の3)及びこれを裏付ける書証(乙A6の5,丙A6の1・2)があ
る。
上記行事等のうち,⑩P10,⑪P24,⑫劇団P25の練習,⑬野遊
会(花見)実行委員会,⑯同胞マラソン大会説明会,⑰春・夏ソフトボー
ル大会の説明会については,裏付けとなる書証の提出がないことに照らし,
それらが行われたと認めることはできない。
その余の行事等が行われたことは,上記書証(乙A6の5,丙A6の1・
2)及び弁論の全趣旨により認められる。しかし,施設6がP76大阪府
P23支部として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうか
がわれる各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのもの
か,P76が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員
以外の在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証
拠もない。
そうすると,施設6については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
キ施設7
補助参加人らは,施設7の使用状況について,前記第3の3(3)キのとお
り,同①~④の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP63の陳述書(丙
A7の4)及びこれを裏付ける書証(丙A7の1~3)を提出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A7の1~3)及び弁論の
全趣旨により認められる。しかし,施設7がP76大阪府P23支部(主
にP65分会)として使用されていることに加え,上記主張及び書証から
うかがわれる各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動その
ものか,P76が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76
会員以外の在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付け
る証拠もない。
そうすると,施設7については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
ク施設8
補助参加人らは,施設8の使用状況について,前記第3の3(3)クのとお
り,同①~⑰の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP66の陳述書(丙
A8の1)及びこれを裏付ける書証(丙A8の2~9〔枝番を含む。以下
同じ〕)を提出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A8の2~9)及び弁論の
全趣旨により認められる。しかし,施設8がP76大阪府P67支部とし
て使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各行事
等の名称や内容に照らし,いずれもP76が主催又は共催した行事等であ
ると推認される上,P76会員以外の在日朝鮮人や日本人の参加者が相当
数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設8については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
ケ施設9
補助参加人らは,施設9の使用状況について,前記第3の3(3)ケのとお
り,同①,②の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP66の陳述書(丙
A9の1)及びこれを裏付ける書証(丙A9の2)を提出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A9の2)及び弁論の全趣
旨により認められる。しかし,施設9がP76大阪府P67支部P32分
会として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる
各行事等の名称や内容に照らし,P76の活動そのものか,P76が主催
又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日朝鮮人
や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設9については,P76による使用が単発的,例外的な
ものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとはい
えないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
コ施設11
補助参加人らは,施設11の使用状況について,前記第3の3(3)コのと
おり,同①~⑬の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP56の陳述書
(丙A11の14)及びこれを裏付ける書証(丙A11の1~13)を提
出する。
上記行事等のうち,③パソコン教室,④P10を対象とするハングル教
室,⑦有資格者,専門家による相談,⑨ヨガ教室については,これを裏付
ける的確な書証がなく,それらが行われたと認めることはできない。
その余の行事等が行われたことは,上記書証(丙A11の1~13)及
び弁論の全趣旨により認められる。そのうち,⑬トイレ開放については,
施設を近隣の公園利用者一般の利用に供するものといえるから,その限り
では公益性を持つ行為といえる。しかし他方で,施設11がP76大阪府
P68支部として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうか
がわれる各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのもの
か,P76が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員
以外の在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証
拠もない。
そうすると,施設11を全体としてみれば,P76による使用が単発的,
例外的なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されてい
るとはいえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由が
ない。
サ施設12
補助参加人らは,施設12の使用状況について,前記第3の3(3)サのと
おり,同①~⑩の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP69の陳述書
(丙A12の16)及びこれを裏付ける書証(丙A12の1~15)を提
出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A12の1~15)及び弁
論の全趣旨により認められる。しかし,施設12がP76大阪府P36支
部として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる
各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P7
6が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在
日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設12については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
シ施設13
補助参加人らは,施設13の使用状況について,前記第3の3(3)シのと
おり,同①,②の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP69の陳述書
(丙A13の3)及びこれを裏付ける書証(丙A13の1・2)を提出す
る。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A13の1・2)及び弁論
の全趣旨により認められる。しかし,施設13がP76大阪府P36支部
として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各
行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76
が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日
朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設13については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
ス施設14
補助参加人らは,施設14の使用状況について,前記第3の3(3)スのと
おり,同①~③の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP69の陳述書
(丙A14の5)及びこれを裏付ける書証(丙A14の1~4)を提出す
る。
上記行事等のうち,ソフトボール大会の企画会議については,ビラ(丙
A14の4)により開催された事実が認められるものの,その余の行事等
については,いずれも的確な裏付けを欠くことに照らし,それらが行われ
たと認めることはできない。
そして,ソフトボール大会については,上記ビラ(丙A14の4)にP
36支部分会対抗と明記されていることに照らし,同分会の活動として行
われたものと認められる。また,仮に,補助参加人ら主張の他の行事等が
行われていたとしても,施設14がP76大阪府P36支部P70分会と
して使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各行
事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76が
主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日朝
鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設14については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
セ施設15
補助参加人らは,施設15の使用状況について,前記第3の3(3)セのと
おり,同①~⑪の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP71の陳述書
(丙A15の7),P61の陳述書(丙A15の8)及びこれを裏付ける
書証(丙A15の1~6)を提出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A15の1~6)及び弁論
の全趣旨により認められる。しかし,施設15がP76大阪府P72支部
として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各
行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76
が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日
朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設15については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
ソ施設16
補助参加人らは,施設16の使用状況について,前記第3の3(3)ソのとお
り,同①~⑩の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP60の陳述書(丙
A16の8)及びこれを裏付ける書証(丙A16の1~6)を提出する。
上記行事等のうち,⑩図書の閲覧,貸出しについては,これを裏付ける
的確な書証がなく,それが行われたと認めることはできない。
その余の行事等が行われたことは,上記書証(丙A16の1~6)及び
弁論の全趣旨により認められる。しかし,施設16がP76大阪府P54
支部として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれ
る各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P
76が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の
在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もな
い。
そうすると,施設16については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
タ施設17
補助参加人らは,施設17の使用状況について,前記第3の3(3)タのと
おり,同①~③の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP73の陳述書
(丙A17の2)及びこれを裏付ける書証(丙A17の1)を提出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A17の1)及び弁論の全
趣旨により認められる。しかし,施設17がP76大阪府P48支部P7
4分会として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわ
れる各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,
P76が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外
の在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠も
ない。
そうすると,施設17については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
チ施設18
補助参加人らは,施設18の使用状況について,前記第3の3(3)チのと
おり,同①~④の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP73の陳述書
(丙A18の2)及びこれを裏付ける書証(丙A18の1)を提出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A18の1)及び弁論の全
趣旨により認められる。しかし,施設18がP76大阪府P48支部P7
5分会として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわ
れる各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,
P76が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外
の在日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠も
ない。
そうすると,施設18については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
ツ施設19
補助参加人らは,施設19の使用状況について,前記第3の3(3)ツのと
おり,同①~⑨の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP73の陳述書
(丙A19の19)及びこれを裏付ける書証(丙A19の1~18)を提
出する。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A19の1~18)及び弁
論の全趣旨により認められる。しかし,施設19がP76大阪府P48支
部として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる
各行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P7
6が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在
日朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設19については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
テ施設20
補助参加人らは,施設20の使用状況について,前記第3の3(3)テのと
おり,同①~③の行事等に使用した旨主張し,これに沿うP60の陳述書
(丙A20の5)及びこれを裏付ける書証(丙A20の1~4)を提出す
る。
上記行事等が行われたことは,上記書証(丙A20の1~4)及び弁論
の全趣旨により認められる。しかし,施設20がP76大阪府P54支部
として使用されていることに加え,上記主張及び書証からうかがわれる各
行事等の名称や内容に照らし,いずれもP76の活動そのものか,P76
が主催又は共催した行事等であると推認される上,P76会員以外の在日
朝鮮人や日本人の参加者が相当数を占めたことを裏付ける証拠もない。
そうすると,施設20については,P76による使用が単発的,例外的
なものに止まらず,その大半が在日朝鮮人一般の使用に供されているとは
いえないものと認められるから,補助参加人らの上記主張は理由がない。
(2)平等原則違反について
補助参加人らは,本件各固定資産について固定資産税等の減免措置を取り
消すことは,P76各支部と同様の性格ないし活動状況にある団体の施設と
の間で合理的理由のない差別取扱を行うものであり,違法である旨主張する。
しかし,固定資産の減免事由の有無は,各固定資産ごとにその使用状況等
を調査して判断すべきものであり,当該固定資産を所有する団体の性格等が
類似するからといって直ちに同等に扱うべきものとはいえない。そして,前
記認定にかかる本件各固定資産の使用状況等を踏まえれば,本件各減免措置
を違法なものとして取り消すことには合理的理由があるといえる。したがっ
て,本件各減免措置について他の団体の所有する固定資産と異なる扱いをす
ることが平等原則に違反するものとはいえないから,補助参加人らの上記主
張は理由がない。
6結論
以上によれば,被控訴人の本件訴えのうち,原判決別紙2「変更決定一覧」
記載のとおり本件各変更決定により減免措置が一部変更された部分について
取消しを求める部分はいずれも不適法であるからこれらを却下し,被控訴人の
その余の請求,すなわち本件各減免措置(ただし,原判決別紙2「変更決定一
覧」記載の各固定資産については,本件各変更決定による変更後のもの)の取
消しを求める部分はいずれも理由があるからこれらを認容すべきところ,これ
と同旨の原判決は相当であるから,本件控訴を棄却することとし,主文のとお
り判決する。
大阪高等裁判所第1民事部
裁判長裁判官小島浩
裁判官大西嘉彦
裁判官野田恵司

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「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
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