弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人大熊裕起の上告趣意のうち,死刑制度に関して憲法13条,31条,36
条,98条2項違反をいう点は,死刑制度が憲法のこれらの規定に違反しないこと
は当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷
判決・刑集2巻3号191頁)及びその趣旨に照らして明らかであるから,理由が
なく,捜査段階の自白に関して憲法38条,36条違反をいう点は,原審で何ら主
張,判断を経ておらず,その余は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は事
実誤認,量刑不当の主張であって,適法な上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは
認められない。
付言すると,本件は,内妻にうその約束をして次々と現金を引き出していた被告
人が,内妻から約束の履行を求められて窮する一方遊興費等を得るために,高級住
宅地に住む被害者夫婦が多額の現金を自宅に置いている旨を聞き及んだことなどか
ら,その現金を奪い,かつ,架空の委任状や借用証書を無理に作成させてその居住
する不動産を処分し,その親族に借金の返済を求めるなどして多額の金員を手に入
れようと思い至り,実弟らを仲間に引き入れた上,包丁等を準備して被害者方前ま
で赴いたものの,来客がある様子であったため強盗の実行に至らなかったが,その
後も犯行計画をあきらめることなく,別の知人及び氏名不詳の労務者2名の合計3
名を引き連れて被害者方を訪れ,被告人の合図により突然被害者夫婦に襲いかかっ
て両名をビニールロープ等で縛り上げ抵抗できない状態にした後,上記3名を退去
させ,妻に被告人あての委任状と借用証書を作成させた上,殺意をもって次々と被
害者両名の首を絞めいずれも窒息死させて殺害し,その所有に係る現金等を奪い取
り,さらに,両名の死体を土中に埋めるために自動車に載せて山中の休耕地まで搬
送して遺棄したという,強盗予備,強盗殺人,死体遺棄の事案である。このよう
に,本件犯行は,金銭欲に駆られた著しく利己的なもので,動機に酌量の余地がな
く,罪質が悪質であり,犯行態様も冷酷かつ残虐であって,被告人を親しい友人と
信じて歓待しようとした全く落ち度のない被害者両名の生命を奪った結果は極めて
重大である。これらの事情に加え,遺族の被害感情,社会に与えた影響等に照らす
と,少年時代に恵まれない境遇にあったことなど被告人のために酌むべき事情を十
分考慮しても,被告人の罪責は誠に重大であり,被告人を死刑に処した第1審判決
を維持した原判断は,やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得な
い。
よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員
一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官吉田統宏公判出席
(裁判長裁判官甲斐中辰夫裁判官横尾和子裁判官泉徳治裁判官
島田仁郎裁判官才口千晴)

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