弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件再上告を棄却する。
         理    由
 弁護人徳岡二郎提出の再上告趣意について。
 本件勾引状と勾留状とが紛失して記録に綴込まれていないこと並びに被告人が昭
和二十一年七月八日勾留せられ同月三十一日附で弁護人徳岡二郎かち保釈の申請が
あつたので第一審判決宣言の日である同年八月五日保釈によりその翌日出所したこ
とは記録により明である。そこで、仮に所論がすべて肯認すべきもので被告人が勾
引状及び勾留状によらないで違法に勾引勾留せられ、その儘違法に保釈の日迄勾留
を継続せられたとしても、夫は別な救済の方法によるべきことであつて、右の各違
法は本件に於ては第二審判決に影響を及ぼさないことは明白である。第二審判決従
つて又これを是認して被告人の上告を棄却した原上告判決には日本国憲法に違反す
る点は存しない。論旨は理由がない。
 本件に対する裁判官齋藤悠輔、沢田竹治郎の意見は次のとおりである。
 刑訴応急措置法第十七条第一項は、「高等裁判所が上告審としてした判決に対し
ては、その判決において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかに
ついてした判断が不当であることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告
することができる。」と規定している。そして右にいわゆる「処分」とは、憲法第
八十一条の「最高裁判所は一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかし
ないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」との規定中の「処分」と同一
意義であつて、立法若しくは、行政行為としての処分を指し、司法処分をいうもの
でない。右憲法の規定は司法権の範囲、就中立法及び行政行為に対する違憲審査決
定権につき司法裁判所にその優位を認めた規定であつて裁判又は個々の司法処分に
対する審判権を規定したものではない。かゝる審判権は司法固有の領域における異
議手続若しくは、抗告、控訴、上告等の上訴手続又は再審、非常上告等の非常上訴
手続として訴訟法において規定すべき事柄であつて、前記憲法第八十一条の規定す
るところではない。それ故所論勾引並びに勾留に対する不服申立は本件第一審の段
階において抗告を以て主張するは格別前記措置法第十七条によるべきではない。す
なわち、本件上告は原上告判決の判断が右措置法所定の「処分」に関しない点で再
上告適法の要件を欠き既に此の一点で不適法たるを免れない。
 よつて裁判所法第十条但書第一号、刑事訴訟法第四百四十六条により主文のとお
り判決する。
  この判決は裁判官齋藤悠輔、沢田竹治郎を除く裁判官全員の一致した意見によ
るものである。
 検察官 柳川真文関与
  昭和二十三年七月十四日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    齋   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
 裁判官庄野理一は退官につき署名捺印することが出来ない。
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛