弁護士法人ITJ法律事務所

最高裁判例


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主文
本件裁定の申立てをいずれも棄却する。
理由
第1申立ての概要
本件裁定の申立ての趣旨及び理由は,弁護人提出の平成20年4月17日付
け証拠開示命令請求書(以下「本件請求書」という。)記載のとおりであ
る。すなわち,本件は,被告人が分離前の相被告人Aと共謀の上,平成18
年7月21日午前零時20分過ぎころ,B県C市内の政党支部事務所付近にお
いて,けん銃をこれと適合する実包とともに所持した上,同事務所に向け
てけん銃で弾丸を発射し,同事務所に命中させて損壊したほか,同日午前
2時20分ころ,D市内の建設会社営業所付近において,同営業所に向けて
けん銃で弾丸を発射し,同営業所に命中させて損壊したという各事実につ
き公判請求されている事案であるが,弁護人が本件請求書1(1)及び(2)
において開示を請求している証拠は,刑訴法316条の20第1項の主張関連証
拠に該当するのに,検察官がこれらを開示しないので,それらの開示を求
めるというのである。
第2当裁判所の判断
1本件請求書1(1)の証拠について
弁護人は,検察官が証明予定事実記載書で主張している,「被告人が平
成18年7月20日午後10時過ぎ以降,Aと共にD市からC市方面に向かった」
という事実を否認する主張(以下「本件予定主張(1)」という。)を予
定しており,検察官が上記事実につき依拠することを予定しているAの供
述の信用性を争うためには,本件請求書1(1)の証拠である,同人が経
営するスナックの関係者ないし顧客の供述録取書等が重要であるから,こ
れらの証拠は本件予定主張(1)と関連すると主張する。
しかしながら,本件予定主張(1)は,検察官の上記主張を単純に否認
するものにすぎないし,弁護人の主張によっても,Aが経営するスナック
の関係者ないし顧客の供述録取書等がいかなる意味で検察官の上記主張
に関するAの供述の信用性を判断する上で重要なのかは具体的に明らか
にされておらず,したがって,その必要性も明らかにされているとはいえ
ない。このような本件請求書1(1)の証拠と本件予定主張(1)との関
連性の程度やこれらの証拠の必要性の程度等を併せ考慮すると,その開示
が相当であるとは認められない。
2本件請求書1(2)の証拠について
弁護人は,被告人が平成18年7月20日夜から翌21日未明にかけてD市内
又はその周辺で自らが経営する風俗店の営業活動等をしており,本件各犯
行についてアリバイがあるとの主張(以下「本件予定主張(2)」という。)
を予定しているから,本件請求書1(2)の証拠は本件予定主張(2)と
関連すると主張する。
しかしながら,上記のとおり,本件各公訴事実記載の各犯行は,D市内
又はこれと隣接するC市内で行われたとされている上,弁護人は,本件各
公訴事実記載の日時の前後における被告人の行動について,風俗店の営業
活動等をしていたとしか主張しておらず,その内容は全く不明確なのであ
るから,本件予定主張(2)は,それ自体としては,本件各犯行を否認す
る以上のいわゆるアリバイ主張としての意味を持たないものであるとい
わざるを得ない。
そして,このように,弁護人が主張する被告人の営業活動等の内容は不
明確であるから,本件予定主張(2)と本件請求書1(2)の証拠である
上記風俗店の関係者ないし顧客の供述を録取した証拠とがいかなる意味
で関連するかやそれらの証拠の必要性も具体的には明らかでないといわ
ざるを得ず,その一方で,本件請求書1(2)の証拠が開示された場合,
被告人が開示証拠と矛盾しないような虚偽の弁解を作出する危険性も低
いとはいえないなど,開示による弊害も認められる。これらの事情を併せ
考慮すれば,本件請求書1(2)の証拠を開示することが相当であるとは
認められない。
弁護人は,被告人が1年8か月も前の本件各犯行当日の行動を思い起こす
ことは不可能であり,被告人が経営する風俗店は無店舗型のものであって,
営業活動等の場所を特定することも困難であるから,現時点での記憶に基
づいて可能な限り具体化すれば,主張明示義務は尽くされているなどと主
張する。しかし,弁護人の主張によれば,被告人には風俗店の営業活動等
をしていたとの記憶はあるはずであり,そうすると,少なくともその内容
の概要程度は具体化することが可能なはずであるから,弁護人の主張は上
記判断を左右するものではない。
第3結論
したがって,本件裁定の申立てにはいずれも理由がないから,刑訴法316
条の26第1項により,これらをいずれも棄却することとする。
(裁判長裁判官・吉井隆平,裁判官・秋元健一,裁判官・岩田絵理子)

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