弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人小林直人上告趣意について。
 旧刑訴第七編の規定する略式手続は、区裁判所(簡易裁判所)の管轄に属する事
件について、公判前略式命令を以て、罰金又は科料を科する簡易訴訟手続である。
すなわち裁判所は検察官から公訴の提起に附帯して略式命令の請求を受けたときは、
公判を開くことなく従つて被告人その他の訴訟関係人の召喚、口頭弁論、証拠調等
をなすことなく、専ら書類又は証拠物によつて(勿論憲法三八条三項の規定を考慮
して)公訴に係る犯罪事実の取調をなし(旧刑訴四八条四項、新刑訴四三条三項、
並びに刑訴規則二八九条二九三条参照)該事実の肯定し得る限りその科刑及び没収
その他の附随処分を判断し、その罪となるべき事実、適用した法令、科刑及び附随
の処分、並びに正式裁判を請求し得る旨の記載をなして略式命令を発し、その謄本
を被告人に送達又は交付して、これを告知する一連の手続をいうのである。そして
裁判所は、検察官から略式命令の請求を受けても、その事件略式命令をなすことが
できないものであるか又はこれをなすことが相当でないと思料するときは、通常の
手続規定に従い審判し得るのであつて、毫も検察官の請求に拘束されるものではな
い。また被告人は、略式命令の告知があつた日から七日以内に正式裁判の請求をし
て通常の規定に従い審判を求めることができるのであり、この場合においては裁判
所は略式命令に拘束されるものではなく、又正式裁判の請求により判決をしたとき
は略式命令は、その効力を失うものであるから、この命令は被告人の自由意思によ
る正式裁判の請求に基ずき通常の手続において判決のなされることを解除条件とす
る裁判に外ならないのである。それ故被告人が迅速な公開裁判を受ける権利を行使
しようと思えば略式命令の告知があつたときから直ちに正式裁判の請求をすれば事
足りるのであり、むろん資格を有する弁護人を依頼しようと思えば何時でも附する
ことを妨ぐるものではない。たゞ法律は、被告人が正式裁判の請求をしないで期間
を経過し又はその請求の取下をしたとき等の場合においては、略式命令に確定判決
と同一の効果を認め、これに執行力及び既判力を附与するに過ぎないのである。さ
れば略式手続は、対審判決の公開に関する憲法八二条の適用を受けるものではなく、
また、同法三七条所定の被告人の迅速な公開裁判を受ける権利、証人を求め若しく
は訊問する権利又は弁護人を依頼する権利等を害するものでもなく、また、もとよ
り被告人の自白に関する同法三八条三項に触れるものでもない。しかのみならず口
頭弁論に基く通常の判決手続においても罰金以下の刑(新刑訴においては五千円以
下の罰金又は科料)にあたる事件については、被告人は特に裁判所の出頭命令がな
い限り、自ら公判に出頭することを要するものではない。(旧刑訴三三一条新刑訴
二八四条参照)そして、公判に出頭しないことは、被告人の側においても出頭の労
力と費用とを省き且つ衆人環視の下に面目を失することを避け得る等の利益なしと
しない。されば罰金又は科料のごとき財産刑に限りこれを科する公判前の命令手続
として被告人に対しかかる利益考慮の余地を与えると共に前示のごとき憲法上の権
利の行使をも妨げない簡易手続を規定したからといつて毫も憲法に違反するもので
はない。(昭和二三年(つ)第二号同年七月二九日大法廷決定判例集第二巻第九号
一一一五頁以下参照)従つてかゝる略式命令を請求する検察官の請求―そしてそれ
は前述のごとく裁判所を拘束しない―も亦た違憲でないと言わねばならぬ。されば
これらの略式命令手続規定を違憲なりとすることを前提とする所論は、その理由が
ない。
 そして本件においては、原上告判決は必ずしも所論略式命令の手続規定を違憲で
あると断定したのではなく、仮りに、違憲なりとしても本件公訴の有効なることを
妨げないと論じたものであつて、その公訴の効力に関する説明は、すべて正当であ
るから原判決には所論の違法は存しない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 右は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 十蔵寺宗雄関与
  昭和二四年七月一三日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介

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