弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人B弁護人川名仲司郎上告趣意第一点及び被告人C弁護人脇田久勝の上告趣
意第二点同第四点について。
 論旨は、原判決は予審第一回訊問調書中に於ける被告人両名の各供述記載を証拠
としているが、「右予審の供述は不当に長く拘禁された後の自白であり又は警察に
於ける拷問若くは脅迫による影響のあることを十分疑はしむるに足る自白であるか
ら」証拠とすることができぬものを証拠とした違法があると言うのである。しかし、
記録を精査すると、被告人両名が警察で身柄を拘束されたのは昭和二二年一月一四
日であつて、同年三月一三日に予審第一回訊問がされている。その間検事局を経て
引続き拘束されていたと推測されるけれども、その期間は五九日であるが、この種
強盗被疑事件としては、右の期間は、決して不当に長いとは認められない。殊に、
被告人等は、拘禁後一ケ月余を経過したに過ぎない同年二月一七日強制処分による
予審判事の訊問に対しても、すでに、本件犯行を自白しているのであつて、原判決
が証拠とした予審第一回訊問における被告人等の自白は、被告人等に対する長い拘
禁が原因となつてなされたものとは考えられない。(昭和二二年(れ)第二七一号
昭和二三年六月三〇日言渡大法廷判決参照)次に、原審公判調書には、両被告人が
夫々警察で拷問又は脅迫をうけた旨の供述があることは、所論のとおりであるが、
仮りに警察でかかる事実があつたとしても、予審では、何等右様の強制が加わつた
形跡もなく、また、予審における両被告人の供述自体が、警察での拷問等に影響さ
れている痕迹は、本件のどこにも、みられないのであるから、右予審における被告
人等の供述を証拠とした原判決に、所論のごとき違法ありということはできない。
 加之原審において弁護人が警察における拷問若しくは脅迫の事実を明にするため
Aの証人申請をしたにも拘らず却下されたとしても、原判決は警察における両被告
人の各聴取書を証拠として採用していないのであるから、採証法上の違法はない。
それ故論旨は理由がない。
 被告人B弁護人川名仲司郎上告趣意第二点及び被告人C弁護人脇田久勝上告趣意
第三点について。
 しかし刑訴応急措置法第一二条第一項は必しも同条に基いて訊問された証人の供
述を証拠として採用しなければならないという趣旨の規定ではないのであるから、
原審がかかる証拠を採用せずして他の証拠を採用したのは事実審の専権に属する事
項である。原審の採証には何等違法はないから論旨は理由がない。
 被告人C弁護人脇田久勝の上告趣意第一点について。
 論旨は要するに原判決の認定した事実を争うことに帰するから上告適法の理由と
して採用できない。
 よつて、刑訴施行法第二条及び旧刑訴法第四四六条により主文のとおり判決する。
 右は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 小幡勇三郎関与
  昭和二四年三月一二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    藤   田   八   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛