弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人池辺甚一郎の上告趣意第一点について。
 記録を調べて見るに、所論書類はその編綴の個所から見て、原審第一回公判期日
前に原裁判所え提出されたことが伺はれるし、又原審公判廷では右書類について証
拠調をしなかつたことは所論のとおりである。しかし、右書類は本件訴訟関係人以
外の者が作成したものであつて(但し、被告人名義の上申書を除く)、その内容か
ら見るも、何人が如何なる目的で提出したものか記録上全然判明しないばかりでな
く、原審公判調書を見ると裁判長は証人訊問に先立ち、被告人に対して「利益とな
る証拠があれば呈出することが出来る」旨を告げ更に証人訊問後重ねて他に提出す
る証拠の有無を訊ねたところ、弁護人より証人A訊問を申請した以外に、被告人も
弁護人も「他に提出する証拠はない」と述べており、よつて裁判長が所論の書類に
ついて証拠調を為さずに「事実証拠の取調を終了する」旨告げたのに対しても、本
件訴訟関係人から何ら異議の申立をした形跡のないことがわかる(七二丁、七三丁)。
して見れば、所論の各書類は本件訴訟関係人から証拠物又は証拠書類として証拠調
を求める趣旨の下に提出されたものとは到底認めることができない。従つて原裁判
所が右書類につき証拠調をしなかつたからというて、所論のような違法はない。論
旨は理由がない。
 同第二点について。
 しかし、被告人が公職追放者であるという事実を知つて推薦連署表に署名したと
認定していることは原判文の証拠説明上明かであつて、被告人に犯意がないという
原審弁護人の主張は、本件犯罪の構成要件を欠く旨の主張に外ならないのであるか
ら、かかる主張は旧刑訴第三六〇条第二項にいわゆる「法律上犯罪ノ成立ヲ阻却ス
ベキ原由タル事実上ノ主張」に該らない。又本件被告人の連署の行為は署名と同時
に、犯罪は既遂となり、仮令署名者が其の後これを取消したからというて、その間
に未遂の観念を容れる余地はない、されば原審弁護人も本件が中止未遂であるとは
主張していないのであつて、単に中止未遂に準ずるものであると主張したにすぎな
いことは原審公判調書によつて、明かであるから、かかる主張は旧刑訴第三六〇条
第二項にいわゆる「刑ノ加重減免ノ原由タル事実上ノ主張」には該らない。従つて、
原判決が原審弁護人の前記の各主張に対し、特に判断を示さなかつたことは当然で
あつて、論旨は理由がない。
 同第三点について。
 しかし、原判決が証拠として挙示する被告人の原審公判廷における供述は、被告
人が判示覚書該当者として指定を受けていたことを、本件行為当時認識していたか
どうかの点を除いた其の余の犯罪事実の凡てにわたるものであり、右除外にかかる
点については、原判決は被告人の検事に対する供述の外証人Bの証言を挙げている
のであつて、右証言中には所轄岡崎村役場では被告人が官報で判示覚書該当者とし
て仮指定された旨及び仮指定のあつた日から三〇日以内に異議の申立をすることが
できる旨を同人に通知したが、被告人からは別段異議の申立はなかつたとの供述が
ある。即ち原判決は被告人本人の自白のみによつて判示事実を認定したものではな
い。従つて、所論の違憲問題について判断するまでもなく論旨は理由がない。
 同第四点及び同第六点について。
 証人申請の採否は事実審の裁量に属するところであり、経験則に反しない限り、
右申請の却下が憲法第三七条第二項に違反するものではなく、又これを以つて審理
不尽の違法ありということができないことは、既に当裁判所の判例とするところで
ある(昭和二二年(れ)第二三〇号、同二三年七月二九日大法廷判決)。今本件に
おいて、その事案の性質、審理の程度等諸般の事情を考へて見ると、原審が所論証
人の喚問はその心証形成に必要適切なものでないとして、その申請を却下した措置
は、毫も経験則に反するものとは認められない。従つて論旨は理由がない。
 同第五点について。
 しかし、原判決挙示の証拠によれば、同判示事実を認めるに十分である。論旨は
結局原審の専権に属する証拠の取捨判断を攻撃するに帰するから、上告適法の理由
とはならない。
 よつて刑訴施行法第二条、旧刑訴法第四四六条に則り主文のとおり判決する。
 右は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 岡本梅次郎関与
  昭和二四年七月二三日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎

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