弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A弁護人吉長正好の上告趣意第一点及び被告人B弁護人環長三郎の上告趣
意第一点について。
 記録を調べてみると、被告人等両名が逮捕勾留されてから保釈されるまで、七ケ
月余にわたつて拘禁されたことは、所論のとおりである。しかし、記録によると、
被告人等両名は、昭和二三年二月一八日に逮捕され、翌々日である同月二〇日には
司法警察官の取調に対し犯罪事実をすべて自白して以来、同日行われた判事補の勾
留訊問、同月二六日の司法警察官、同月二八日の検察官の各取調、昭和二三年四月
一九日の第一審公判廷における取調並びに同年九月一五日の第二審公判廷における
取調に至るまで始終一貫して犯罪事実を自白しているのである。してみれば、被告
人等両名が原審公判廷で自白したことは、拘禁が長期にわたつた結果ではないこと
が明らかである場合と認めることができる。このように、拘禁と自白との間に因果
関係のないことが明らかな場合の自白は、憲法第三八条第二項並びに刑訴応急措置
法第一〇条第二項にいわゆる不当に長く拘禁された後の自白に当らないことは、当
裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)第三〇号同二三年二月六日大
法廷判決、同二二年(れ)第二七一号同二三年六月二三日大法廷判決)。また、原
審は、被告人等両名の自白の外に、原審共同被告人Cの原審公判廷における供述並
びに本件強盗の被害者等に対する司法警察官の各聴取書をも証拠として引用してい
る。そして、共同被告人の供述も被告人の自白を補強する証拠となり得ることもま
た当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)第一八八号同二三年七月
七日大法廷判決)。さらにまた、補強証拠は犯罪事実が被告人の所為であることま
でも証明し得るものであることを要するものではないから、前記被害者等の聴取書
もまた補強証拠として役立つのである。それゆえ、原判決には所論のような違法は
なく論旨は理由がない。
 被告人A弁護人吉長正好の上告趣意第二点について。
 証拠調の限度をいかに定めるかは、事実審たる原審の自由裁量に任されているの
であるから、原審が所論の証人訊問の請求を却下したからといつて、憲法第三七条
第二項に違反するものではない。このこともまた当裁判所の判例とするところであ
る(昭和二三年(れ)第二三〇号同年七月二九日大法廷判決、同年(れ)第八八号
同年六月二三日大法廷判決)。されば、論旨は理由がない。
 被告人B弁護人環長三郎の上告趣意第二点について。
 所論は、原審の採用しない証拠に基いて原審の認定しない事実を主張するもので
あるから、原審に事実の誤認あることを主張するに帰するので採用することかでき
ないばかりでなく、記録によつても所論のように旧刑訴法第三六〇条第二項に当る
事由の主張があつたものとは認められないから、原審には所論のような違法はなく
論旨は理由がない。
 同第三点について。
 裁判官が法律において許された範囲内で刑を量定して被告人に実刑を科した場合
に、それか被告人の側から見て過重であるとしても、憲法第三六条にいわゆる「残
虐な刑罰」を科したものではないことは、当裁判所の判例とするところである(昭
和二二年(れ)第三二三号同二三年六月二三日大法廷判決、同年(れ)第三四八号
同年九月二二日大法廷判決)。されば、論旨は理由がない。
 よつて、最高裁判所裁判事務処理規則第九条第四項、旧刑訴法第四四六条に従い
主文の通り判決する。
 以上は、裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 長谷川瀏関与
  昭和二四年六月二八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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