弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人佐藤米一上告趣意第一乃至第三点について。
 事実審裁判所が罪となるべき事実ばかりでなく犯情に関しても亦その取調をしな
ければならないことは、所論の通りであるが、、その取調は量刑等の関係上必要な
限度においてなせば足るものといわなければならない(昭和二三年(れ)五七号同
年四月二四日第二小法廷判決判例集第二巻四号四二四頁参照)。従つて犯情の点に
関する証拠申請も、各事案の具体的状況に照らしその取調を必要としないものであ
る限り、裁判所がこれを却下することを妨ぐべき何等の理由もないのである。論旨
は恰も原審が犯情の点に関しては何等の取調をもしなかつたものの如く、又本件に
おいて裁判所は「第一審第二審を通じて被告人申請の証人を一人も訊問してゐない」
と主張するのであるが、記録によれば原審が被告人の経歴、資産、収入、家庭の事
情その他犯情に関する取調をなしていることは明白であり、又本件において被告人
のため証拠申請がなされたのは原審第五回公判で弁護人から被告人の性質、素行、
学校の成績等につきA及びB両名の証人申請がなされただけであつて他に証拠申請
のなされた形跡はない。尤も原審がこの唯一の証拠申請を必要なしとして却下した
ことは、論旨の指摘する通りであるが、それは原審が既に審理をしたところにより
その立証しようとする事項につき十分な心証を得ていたため、最早これを取調べる
必要がないと認めた結果と察せられるのである。しかも刑の執行猶予の言渡をなす
か否かは事実審裁判所の自由裁量に委ねられているところである。そして本件にお
いて原審が被告人に対し執行猶予の言渡をしなかつたのは諸般の情状を斟酌の上裁
定した結果として首肯し得るところであり、仮りに所論のような事情があるとして
もなお、右原審の裁定に実験則背反の違法があると断ずることはできないのである。
されば原審が主として執行猶予の言渡を得る目的で犯情立証のためになされた所論
証人申請を却下したのは、結局事実審として必要な証拠調の限度を決定し得べき職
権を行使したものに過ぎないのである。なお憲法三七条二項の規定が事案の判断上
必要でない関係人までも、これを証人として被告人に審問の機会を与えなければな
らないとする趣旨のものでないことは、既に当裁判所大法廷の判例とするところで
ある(昭和二二年(れ)第二五三号同二三年七月一日判決昭和二三年(れ)第二三
〇号同年七月二九日判決参照)。原判決には所論のような違法はなく論旨はすべて
採用に値しない。
 よつて旧刑訴四四六条に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 十蔵寺宗雄関与
  昭和二四年九月二二日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔

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