弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人神戸章の上告趣意は末尾に添附した別紙書面記載の通りである。
 第一点について。
 裁判は被告人個人個人につき犯罪の動機、犯罪の情状、犯行後の情況、犯人の年
齢、性格、過去の経歴、境遇等諸般の事情を考え合せてなされるものであるから犯
状の類似した犯人間の量刑に差異があるからとて国民を不平等にあつかつた憲法第
一四条違反の判決であるとはいい得ない(昭和二三年(れ)第四三五号同二三年一
〇月六日大法廷判決参照)そして被告人を執行猶予にすべきか否かは原審の自由に
決し得べきところであるから原審において法定刑の範囲内において被告人に実刑を
科したからとて個人の尊厳を害したものであり、憲法第一三条に違反した違法があ
るとはいい得ない(昭和二二年(れ)第二〇一号同二三年三月二四日大法廷判決参
照)なお論旨は類似の被告人のいる同一判決において他の被告人に対しては執行を
猶予し、他の一方の被告人に対し執行猶予にしない場合は何人も理解出来る様に理
由を明らかにするのが至当であるのに「諸般の事情等」と不明瞭な表現をしただけ
では納得できないと主張するが前に説明したとおり量刑は被告人個人個人について
前記のような諸般の事情を考え合せて決するものであるから各被告人の犯罪行為は
類似しているとしても、量刑の点において差等の生ずべきことはむしろ当然である
といわなければならない、なるほど、上告人の主張するように、何故他の被告人を
執行猶予にして、被告人を執行猶予にしなかつたかを説明すれば被告人は納得する
であらう、しかし執行猶予をなすべきか否かに関する情状は、所謂罪となるべき事
実ではないから、其説明をしないからとて、違法であるとはいい得ない。論旨は理
由がない。
 第二点について。
 按ずるに被告人に対し、保釈を許可しなかつたことが所論のように不当であると
仮定しても、不服を申立て救済を求むる途は別にあるのである、そして上告は原判
決に対する不服申立であるから、原判決において被告人に保釈を許可しないことを
上告の理由となし得べき理由はない。そして論旨は、共同被告人中の他の被告人に
対して保釈を許しながら、被告人に対して保釈を許さないことは公平な裁判といえ
ないばかりでなく、奴隷的拘束をしたものであると主張する。しかし、保釈を許す
べきか否かは原審の自由に決し得るところであつて、共同被告人中の他の被告人に
対し保釈を許したとしても、被告人に対しては保釈を許可することは適当でないと
判断した場合は、法律に違反しない限り保釈を許可しないからとて不公平とはいえ
ないし、被告人に対し保釈を許さないことについて何等法則に違反した点はない。
そして被告人は適法な勾留状により適法に勾留されたのであるから、これを目して
奴隷的拘束であるとはいい得ない、論旨は理由がない。
よつて旧刑事訴訟法第四四六条により主文の如く判決する。
以上は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 柳川真文関与
  昭和二四年六月二八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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