弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人白井源喜の上告趣意第一点について。
 論旨は、被告人Aが第一審相被告人Bと共同して巡査Cに傷害を与えといふ証拠
はないと主張している。しかし原判決が証拠として採用している原審公判廷におけ
る被告人の供述をみると、被告人は第一審判決摘示の第二の事実を読聞かされて、
「その通り間違いありませぬ」と述べており、そうしてこの判決には、「被告人A、
同Bは共同して同巡査に暴行を加え逮捕を妨害しようと企て同日午前六時三〇分頃
同区a町bc番地道路上に於て被告人Aが同巡査を傍の泥川に突き飛ばし、Bが下
駄を以て同巡査の頭部を殴打し因つて同巡査の公務の執行を妨害すると同時に同人
に対し治療日数約一〇日間を要する右頭部打撲内出血の傷害を加えたものである」
と判示されている。
 また被告人は右の原審公判廷に於て、被告人に対する司法警察官の訊問調書中第
六問答を読聞かせられ「その通り間違いありませぬ」と述べている。そうして右の
問答に於て被告人は「途中せつぱ詰つたものだから、私は巡査を川の中へ落してや
ろうと思つて突きましたが、巡査は泥沼に足を突込んだだけでした。その時Bだつ
たと思いますが、下駄で巡査の頭を殴りつけました」と答えている。これによつて
みれば、同じ現場におり、共に巡査に誰何され、逃走の機を窺つていたBが被告人
の巡査を突き落すのを見るや下駄で同巡査を殴つたのであるから、被告人とBとの
間には巡査に暴行を加えることについて意思の連絡のあつたことが認められる。
 右のように数名の間に暴行の意思の連絡があり、共に暴行行為をなし、その結果
傷害を来たしたときには、その数名が傷害罪の共同正犯となることは当然である。
また、巡査が挙動不審の者に対して訊問し、若し現行犯と認められればこれを逮捕
することはその職務であるから、その巡査に暴行を加えることは、たとえ単に突き
飛ばしたゞけでも既に、公務執行の妨害となること明かである。してみれば原判決
には、所論のように証拠によらずして事実を認定したという違法もなく、罪となら
ない行為に対して罪責を負わしめたという違法もない。この点に於て論旨は理由が
ない。更らに所論事実誤認の主張は適法な上告理由となり得ないものである。
 同第二点について。
 論旨は結局量刑不当の主張に帰着するので、上告適法の理由となり得ない。
 弁護人坂本泰良の上告趣意書は所定の期間経過後の提出にかゝるものであるから、
これに対する判断を示さない。
 以上の理由により旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文の通り判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 長谷川瀏関与
  昭和二四年六月七日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穂   積   重   遠

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