弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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           主         文
 1 本件控訴を棄却する。
 2 控訴費用は,控訴人の負担とする。
           事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
 1 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。
 2 被控訴人の請求を棄却する。
第2 事案の概要
   本件事案の概要は,次のとおり付加するほかは,原判決の「第2 事案の
概要」に記載のとおりであるから,ここにこれを引用する。
 (当審における当事者の主張)
 1 控訴人の主張
  (1) 次の事情があるので,控訴人が本件契約につきプロポーザル方式により
発注先の業者としてAを選定したことは,下関市長としての裁量権を逸脱した違
法なものではない。
   ① 下関競艇のテレビ広告(以下「本件広告」という。)に対する業者選
定に当たっては,ア 視聴率,イ 放映時間帯,ウ 放映エリアの要因を無視す
ることができない。
     そして,Aは,競艇のファン層である35歳から40歳以上の年齢層
に対する視聴率の調査を緻密に行って放映時間帯を設定するとともに,放映エリ
アもBよりも広範囲であるので,そのテレビ広告が優れていた。
   ② 下関市は,Bとの間で,本件広告について37年間にわたり1年単位
の随意契約を更新してきたが,そのマンネリ化を防止する必要があった。
     なお,控訴人が平成12年度上半期についてBを選定した理由は,監
査委員の勧告を踏まえて,再度プロポーザル方式を実施し,その監査結果に従い
放映回数の多い業者を中心に選定したため,放映本数の多いBを採用せざるを得
なかったためである。
   ③ 下関競艇場の顧客数が減少していたため,そのリニューアルオープン
に合わせたイメージの切り替えが必要であった。
     そして,Aは,日本で最大手の広告業者であるので,本件広告を担当
すること自体がイメージアップにつながるものであった。
  (2) 仮に,控訴人においてAを選定したことが下関市長としての裁量権を逸
脱した違法なものであるとしても,控訴人は,監査委員の勧告に従って事後に本
件契約を変更し,是正措置を講じているので,その違法性及び不当性は解消され
ている。
  (3) 仮に,控訴人の上記違法行為があるとしても,Bの提案に係る放映本数
と代金額を基礎にして下関市が被った損害を算定した原判決は不当である。
 2 被控訴人の主張
  (1) 控訴人が本件広告の発注先の業者としてAを選定したことは,下関市長
としての裁量権を逸脱した違法なものである。
    なお,控訴人は,平成12年度上半期において,随意契約を破棄した上
で改めて本件広告の発注先をAからBに戻している。
  (2) 控訴人は,監査委員の勧告に従った是正措置を講じていない。
  (3) 控訴人のAに対する本件広告の代金の支払は,地方自治法2条13項に
違反した事務処理である。
第3 証拠
   原審の書証目録及び証人等目録並びに当審の書証目録に記載のとおりであ
るから,ここにこれを引用する。
第4 当裁判所の判断
 1 当裁判所も,被控訴人の控訴人に対する本訴請求は,原判決認容の限度で
正当としてこれを認容し,その余は失当として棄却すべきものと判断する。その
理由は,次に付加するほかは,原判決の「第3 当裁判所の判断」に記載のとお
りであるから,ここにこれを引用する。
  (1) 控訴人は,① Aの本件広告が,ア 視聴率,イ 放映時間帯,ウ 放
映エリアの点で優れていたこと,② 本件広告のマンネリ化を防止する必要があ
ったこと,③ 下関競艇場のリニューアルオープンに合わせたイメージの切り替
えが必要であったことを理由として,本件広告の発注先の業者としてAを選定し
たことは,下関市長としての裁量権を逸脱した違法なものではないと主張する。
    確かに,原判決説示(原判決14頁5行目から15頁11行目まで)の
とおり,控訴人が本件契約につきプロポーザル方式により発注先の業者を決定
し,その業者との間で随意契約を締結する方式を採ったこと自体については,下
関市長としての裁量権の範囲内に属し,それに違法があったとはいえない。そし
て,本件広告の発注先の業者の具体的選定については,個々具体的契約ごとに,
当該契約の種類,内容,性質,目的等諸般の事情を考慮した契約担当者である市
長の合理的な裁量判断に委ねられているものと解するのが相当である。
    しかし,上記引用に係る原判決説示(原判決8頁19行目から14頁3
行目まで並びに同15頁12行目から16頁23行目まで)のとおり,控訴人
は,Bの提案の方がAの提案より本件契約締結の時点で本件広告の総放映本数及
びその代金額について優れていることは明らかであって,Aを選定すべき積極的
合理的理由は認められないにもかかわらず,合理的な根拠もなくその発注先の業
者としてAを選定したことは,その選定の判断に公正さを妨げる事情があるもの
と認められるから,上記選定につき下関市長としての裁量権を逸脱した違法があ
ったものと認定するのが相当である。
  (2) また,控訴人は,仮に,控訴人においてAを選定したことが下関市長と
しての裁量権を逸脱した違法なものであるとしても,監査委員の勧告に従って事
後に本件契約を変更し,是正措置を講じているので,その違法性及び不当性は解
消されていると主張する。
    しかしながら,上記引用に係る原判決説示(原判決8頁19行目から1
4頁3行目まで並びに同16頁24行目から18頁4行目まで)のとおり,本件
契約及び変更契約1に基づく違法な代金の支払が既になされているから,変更契
約2に基づく契約の履行がなされているとしても,本件契約及び変更契約1の違
法性が解消されるものと解するのは相当ではない。
  (3) さらに,控訴人は,放映本数と代金額を基礎にして下関市が被った損害
を算定した原判決は不当であると主張する。
    しかし,原判決は,上記引用に係る原判決説示(原判決18頁5行目か
ら20頁21行目まで)のとおり,本件契約及び変更契約1の内容とBの提案内
容とを比較検討するとともに,Bの提案を唯一の基準とすることなく更に諸般の
事情を総合考慮して,下関市が被った損害額を控えめに算定することとし,上記
Bの提案内容に基づいて算出した金額の5割をもって損害と認定していることが
明らかであるから,合理性があり正当であるので,控訴人の上記主張を採用する
ことはできない。
  (4) その他の当審における控訴人の主張立証も上記認定判断(原判決引用)
を左右するに足りないものというべきである。
 2 よって,原判決は相当であって,本件控訴は理由がないからこれを棄却す
ることとし,主文のとおり判決する。
    広島高等裁判所第4部
        裁判長裁判官    竹   中   省   吾
           裁判官    廣   永   伸   行
           裁判官    河   野   清   孝
(参考 原審判決)
        主         文
   1 被告は下関市に対し,479万8074円及びこれに対する平成12
年5月11日から支払済みまで年5分の割合による金銭を支払え。
   2 原告のその余の請求を棄却する。
   3 訴訟費用はこれを3分し,その1を原告の,その余を被告の負担とす
る。
        事 実 及 び 理 由
第1 申立て
   被告は下関市に対し,750万4496円及びこれに対する平成12年5
月11日から支払済みまで年5分の割合による金銭を支払え。
第2 事案の概要
   本件は,原告が被告を相手方として,被告が下関市長として株式会社A九
州支社(以下「A」という。)との間で下関競艇のテレビ広告を放映する契約を
締結したことが違法であり,同契約に基づき,Aに対して代金額を支払ったこと
が違法又は不当な公金の支出に該当するとして,地方自治法242条の2第1項
4号に基づき,被告が下関市に対して,適正代金との差額である750万449
6円の損害賠償金及びこれに対するAに対する最後の支払日の後である平成12
年5月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払
うことを求めた住民訴訟である。
 1 基礎事実(末尾に証拠を掲げたもののほかは,当事者間に争いがない。)
  (1) 原告は,下関市内に住所を有するものであり,被告は,平成7年から現
在まで下関市長の職にある。
  (2) 下関市は,平成11年度下半期の下関競艇のテレビ広告(以下「11年
度下半期テレビ広告」という。)に関して,その放映を委託する発注先を選定す
るに当たり,任意の複数の業者を選択し,これらの業者に対して契約内容につい
て提案を要求し,最も優れた提案をした者との間で契約を締結する,いわゆるプ
ロポーザル方式を採用することとした。そして,下関市は,B株式会社下関支社
(以下「B」という。),A及び株式会社C北九州支社(以下「C」という。)
に対し,11年度下半期テレビ広告の放映に関する契約の基本的な指針が記され
た仕様書を示して提案を要求したところ,BとAが下関市に対し,当該仕様書に
基づく提案書を提出した(Cは辞退)。なお,下関市は,平成11年度下半期よ
り前の下関競艇のテレビ広告について,37年間,随意契約の方法によりBに対
してテレビ広告の放映を委託する契約を締結していた。
  (3) 被告は,BとAが提出した提案書に基づき発注先としてAを選定すべき
ことを決定した。
  (4) 下関市はAとの間で,平成11年10月1日付けをもって,テレビ広告
の総放映本数を744本,放映期間を同日から平成12年3月31日まで,総代
金額を3499万9996円(消費税相当額を含む。)として,11年度下半期
テレビ広告の放映を委託する契約を締結した(以下「本件契約」という。)。
  (5) その後,下関市はAとの間で,平成11年11月1日以降,本件契約に
基づき放映する広告の本数を34本増加する旨の変更契約を締結した(以下「変
更契約1」という。)。
  (6) 原告は下関市監査委員に対し,平成11年12月1日付けで,被告が本
件契約を破棄するか,適正な料金に是正するための変更契約を締結するか,或い
は被告を含む下関市の職員らが損害を填補するなどの適切な措置を講じることを
求めて,監査請求をした。
    下関市監査委員は被告に対し,平成12年1月28日付けで,本件契約
に関する業者の選定は妥当とは認め難いから,同年2月末日までに是正措置を講
じるよう勧告した。
  (7) 被告は,この勧告に応じ,平成12年2月1日付けをもって,Aとの間
で,本件契約及び変更契約1のうち,広告の放映本数を更に増加する旨の変更契
約を下関市に締結させた(以下「変更契約2」という。)。
  (8) 下関市はAに対し,本件契約に基づく代金として,次のとおり合計34
99万9996円を支払った。なお,年月日は,支払命令がされた日である。
   ① 平成11年12月17日 
      同年10月分として,583万3332円
   ② 平成11年12月21日 
      同年11月分として,583万3332円
   ③ 平成12年1月25日 
      平成11年12月分として,583万3332円
   ④ 平成12年3月8日 
      同年1月分として,583万3332円
   ⑤ 平成12年3月24日 
      同年2月分として,583万3332円
   ⑥ 平成12年5月1日 
      同年3月分として,583万3336円
  (9) しかし,原告は,監査請求の結果及び被告が採った是正措置に不服があ
るとして,平成12年2月23日,本件訴えを提起した(弁論の全趣旨)。
 2 争点
  (1) 被告が,11年度下半期テレビ広告に関して,その放映を委託する発注
先を選定するに当たり,プロポーザル方式を選択したことは適法であると認めら
れるか。
  (2) 被告が(1)の発注先としてAを選定したことは,裁量権を逸脱した違法
なものであると認められるか。
  (3) (2)が肯定される場合,事後に本件契約が変更されたことにより,違法
性が解消されるか。
  (4) 被告の違法行為により下関市が被った損害額
 3 争点に関する当事者の主張
  (1) 争点(1)について
   (被告)
    プロポーザル方式は,地方自治法上の随意契約の一種であり,高度な技
術を要する業務に適合するものとして採用されているが,11年度下半期テレビ
広告の発注先を選定するに当たり,マンネリ化を避けることなどを考慮して,プ
ロポーザル方式を採用しても,何ら不合理ではない。
   (原告)
   ア 通常,プロポーザル方式は,専門的知識を必要とされる設計や構想に
用いるのであり,11年度下半期テレビ広告のような,単なるテレビ放映の時間
帯取りに適合する方法であるとはいえない。
   イ 被告がAに発注したいのであれば,プロポーザル方式を選択せず,初
めから随意契約の方法によればよいことであり,マンネリ化を防止するためとい
うのであれば,Bを対象業者から外せばよいことである。また,下関競艇に関す
るテレビ広告については,外にもD広告社との間で随意契約により契約している
が,これがマンネリ化などの観点から問題になったことはない。
  (2) 争点(2)について
   (原告)
   ア 被告は,その事務を処理するに当たり,最少の経費で最大の効果を挙
げるようにしなければならないにもかかわらず,11年度下半期テレビ広告の発
注先として,放映時間帯の点で条件が悪く,下関市が示した仕様書に明記された
採択基準を満たしていない提案をしたAを発注先として選定し,下関市をして,
Aとの間で,適正価格を著しく超える価格で本件契約を締結させた。
   イ 被告は,競争原理には政策的判断はなじまないにもかかわらず,事前
に政策的判断については触れることなく,また,事後にも政策的判断の具体的な
説明や理由をなさずに,Aと本件契約を締結した。本件契約中には,平成12年
度上半期の下関競艇のテレビ広告の放映について随意契約の方法により発注する
との条項が含まれていたが,下関市は,その後これを破棄してBとの間で契約を
締結したのであり,このことからしても,被告の政策的判断は誤りであったとい
うべきである。
   ウ 被告は,下関競艇事業局内での検討の結果,Aの提案書よりBの提案
書が優れており,これを採用すべきであると判断されていたにもかかわらず,こ
れを無視してAを発注先として選定した。
   エ 下関市は,Aが提出した見積書の金額に合わせて本件契約を締結し,
Aは,本件契約が締結される前の平成11年10月1日午前6時には,既に,本
件契約の対象となる下関競艇に関するテレビ広告を放映し始めた。これらの事情
は,被告とAとの間で,11年度下半期テレビ広告に係る発注先に関して,事前
にAを選定する旨の談合があったことの証左である。
   オ プロポーザル方式を採るのであれば,選定委員会を設置するのが通常
であるにもかかわらず,被告は,これを設置せずにAを発注先として選定した。
   (被告)
   ア 最小の経費で最大の効果を得るためには,単に放映本数と単価の多寡
のみで決定すべきものではなく,特に,プロポーザル方式や随意契約において
は,放映本数と単価以外の要因を踏まえ,被告に委ねられた裁量権を合理的に駆
使して契約の相手方及び内容を決定すれば足りる。また,被告が11年度下半期
テレビ広告の発注先の選定をすることに関して競艇事業局の意見に拘束される理
由はない。
   イ プロポーザル方式を採用した場合に発注者が示す仕様書は,一応の基
準や希望を示すものにすぎず,拘束力はない。したがって,Aの提出した提案書
がその内容を充たしていないからといって資格を失うわけではなく,仕様書に示
された基準やこれに対する提案書の内容が変更されることも十分あり得ることで
ある。
   ウ 業者選定に当たっては,①放映本数,②広告金額,③視聴率,④放映
時間帯,⑤放映エリアの5要因が重要である。本件では,①についてはBが勝っ
ているものの,②については大差なく,④,⑤についてはAが勝っていた。特
に,下関競艇場の入場者は,山口県内からよりも九州からの客が多いこと,競艇
ファンの中心層が35歳以上の男性であることを前提とすれば,Aの提案は,こ
の層の視聴率が高いテレビ局,時間帯に多くの広告本数を確保するものであっ
た。
   エ Bは,37年間にわたって1年単位の随意契約を更新し続けていた
が,下関市としては,マンネリ化を防止する必要があった。また,Aは,我が国
でも屈指の大手業者であり,下関市が11年度下半期テレビ広告を同社に発注す
ることになれば,双方にとって知名度が上昇するし,今後の展開次第では,Aに
対する無理がいえるようになるなどの利益があった。更に,下関競艇場の顧客数
は年々減少していたため,そのリニューアルに合わせてイメージを変える必要が
あった。
  (3) 争点(3)について
   (被告)
    被告は,TNCテレビ西日本の放映時間帯を確保するようにAと交渉し
た結果,変更契約1を締結し,平成11年11月から34本の放映本数を増加さ
せた。また,被告は,是正措置を求められた監査結果を受けて,Aとの間で放映
本数の一層の拡大を図った結果,変更契約2を締結し,平成12年2月16日の
時点で,Bの当初の提案を超える1022本の放映本数を獲得した。
    したがって,仮に本件契約の相手方としてAを選択したことが違法であ
るとしても,その後の事情を踏まえて全体としてみれば,本件契約の違法性は解
消されているというべきである。
   (原告)
   ア 本件契約の締結が違法であり,これに基づく支出が平成11年12月
17日になされている以上,違法性が解消されることはない。
   イ 変更契約2の内容とBの提案とを比較しても,前者は,料金の高い時
間帯における放映本数が少ないため,通常料金を算出すると,依然として後者に
劣る内容に止まる。
  (4) 争点(4)について
   (原告)
    15秒のテレビスポット広告の放送に係る通常料金は,広告が放映され
る時間帯によって1本当たりの料金が異なる。そして,各テレビ局の時間帯ごと
の基準価格と,各時間帯における放映本数とを積算すると,Bの提案に基づく合
計通常金額は1億3312万円,発注金額は3333万円(消費税相当額を除
く。)となり,発注金額は,合計通常金額の25.03756パーセントとな
る。他方,Aの提案に基づく合計通常金額は1億0459万円であり,これにB
と同様の割合を乗じて適正な契約金額を算出すると,2618万6200円(消
費税相当額を除く。)となる。そうすると,本件契約の代金額である3499万
9996円から2618万6200円に消費税相当額を合算した額を差し引いた
750万4496円が,被告の違法行為により下関市が被った損害額である。
   (被告)
   ア 被告は,前記のとおり,諸要素を考慮して11年度下半期テレビ広告
の発注先としてAを選定したのであるから,被告の違法行為による下関市の損害
は発生していない。
   イ 仮に,本件契約を締結したことにより原告が主張するような損害が発
生したとしても,被告は,総放映本数につき,前記のとおり是正措置を講じたか
ら,下関市に損害は発生していない。
第3 当裁判所の判断
 1 事実関係
   証拠(甲1,3の1・2,4ないし8,10ないし15,乙3,4,5,
乙6の1ないし6,7,10,証人E)及び弁論の全趣旨によれば,本件契約,
変更契約1及び同2に関する事実関係として,次の事実が認められる。
  (1) 下関市は,11年度下半期テレビ広告について,プロポーザル方式によ
り発注先を選定することを決定し,その前提として,平成11年8月13日付け
で,A,B,Cに対し,仕様書を添付して同年9月9日に実施するプレゼンテー
ションへの参加を呼びかけた。
    同仕様書中では,見積額,本数,放送時間帯(タイムランク)をもとに
11年度下半期テレビ広告の放映を発注する業者を決定することとされており,
平成11年度上半期の下関競艇のテレビ広告の放映に関する業務委託契約を基準
として,同等以上のものを求めていた。この仕様書のより詳細な内容は,次のと
おりである。
   ① 放送期間平成11年10月1日から平成12年3月31日までの
期間のうちの104日(競艇開催20節分)
   ② 契約金額3500万円を上限とする。
   ③ 放映対象下関競艇場が別途提供する同競艇場の広告フィルム
   ④ 放送機関RKB毎日放送,KBC九州朝日放送,TNCテレビ西
日本,KRY山口放送,YAB山口朝日放送
   ⑤ 放送枠    RKB毎日放送     毎日2回
            KBC九州朝日放送   毎節2回(前検日,優勝戦
前日)
            TNCテレビ西日本 前検日から優勝戦前日まで
毎日
            KRY山口放送 毎節3回(前検日,優勝戦
前日,当日),毎週金曜日を除く毎日,毎週金曜日はタイム広告
            YAB山口朝日放送 毎節4回(前検日,開催
日,優勝戦前日,当日),毎週木曜日にタイム広告
  (2) AとBは下関市に対し,平成11年9月9日ころ,提案書を提出し,プ
レゼンテーションには同2社が応じたが,Cは参加を辞退した。A及びBの提案
書の内容は次のとおりであり,Aの提案書には,資料として,35歳以上の男性
について,テレビ局ごとに,曜日・時間帯別の視聴率表(乙3)が添付されてい
たが,これらの点についての具体的かつ詳細な分析の説明の記載はなかった。
   (A)
    ① 合計本数   744本
    ② 代金総額   3333万3333円(消費税相当額を除く。)
    ③ 基本方針   競艇のイメージアップではなく,集客力アップを目
的として,時間取り,テレビ局のエリア配分・局配分を検討すべきである,具体
的な方策として,福岡からの集客を重視し,集客が見込まれる35歳以上の男性
の視聴率が高いテレビ局,時間帯にテレビ広告を放映する,といった考え方に基
づく。
   (B)
    ① 合計本数   1015本(うち,107本は,当初の提案後に追
加されたものである。)
    ② 代金総額   3333万0000円(消費税相当額を除く。)
  (3) A及びBの提案の内容,その放映本数,通常料金による放映金額は次の
とおりである。なお,Aの提案のうち,放映時間帯のクラス分けについては提案
書中に明示されていないが,テレビ局及び放映時間帯から推測されるクラス分け
である。
   ア 各テレビ局及び放映時間帯における15秒スポット広告の通常料金
    (ア) RKB毎日放送,KBC九州朝日放送,TNCテレビ西日本
     ① Aクラス    48万円
     ② SBクラス      26万円
     ③ Bクラス    14万円
     ④ Cクラス     8万円
    (イ) KRY山口放送,YAB山口朝日放送
     ① Aクラス    20万円
     ② SBクラス    12万円
     ③ Bクラス  8万円
     ④ Cクラス  5万円
   イ Aの提案に基づく各テレビ局,放映時間帯及び放映本数
    (ア) RKB毎日放送,KBC九州朝日放送(TNCテレビ西日本につ
いては,提案に含まれていない。)
     ① Aクラス   0本
     ② SBクラス    124本
     ③ Bクラス 208本
     ④ Cクラス  40本
    (イ) KRY山口放送,YAB山口朝日放送
     ① Aクラス   0本
     ② SBクラス    188本
     ③ Bクラス 184本
     ④ Cクラス   0本
   ウ Bの提案に基づく各テレビ局,放映時間帯及び放映本数
    (ア) RKB毎日放送,KBC九州朝日放送,TNCテレビ西日本
     ① Aクラス   0本
     ② SBクラス    166本
     ③ Bクラス 187本(うち,26本は10秒スポッ
ト広告)
     ④ Cクラス 157本(全て10秒スポット広告)
    (イ) KRY山口放送,YAB山口朝日放送
     ① Aクラス  72本
     ② SBクラス    245本
     ③ Bクラス 114本
     ④ Cクラス  74本
   エ 前記のAの提案に基づいて,各テレビ局及び放映時間帯ごとの通常料
金を積算すると,合計金額は,1億0216万円となる。また,Bの提案につい
ても同様の積算をすると,合計金額は,1億3312万円となる(なお,10秒
スポット広告の料金については,証拠上明らかではないが,15秒スポット広告
の3分の2の料金であると推認できるから,この金額に基づき計算する。)。
  (4) 下関市競艇事業局は,A及びBの各提案を検討した結果,見積金額,放
映本数,時間帯ごとの積算金額,緊急時の対応への配慮,下関市が示した仕様書
の遵守などの点でAよりBが優れていると判断して,11年度下半期テレビ広告
の放映に関する契約の発注先としてはBを選択すべきであるとする決裁文書を平
成11年9月17日付けで起案した。しかし,この決裁文書については,下関市
の2名の助役のうちの1名であるE助役と被告が反対意見を表明し,Aを発注先
として選択する方向で再度検討するよう指示した。
  (5) 被告は,平成11年9月28日,11年度下半期テレビ広告の放映を委
託する契約の発注先について,下関競艇場のリニューアルオープンに合わせて新
たな方向性を採るとの政策的判断を理由として,Aを選定する旨の決裁をした。
  (6) 下関市は,平成11年10月1日午前10時から,Aとの間で見積り合
わせを実施し,Aを業者として選定した。もっとも,本件契約に基づくテレビ広
告の放映は,同日午前6時から開始されている。
  (7) 下関市は,平成11年10月1日付けをもって,Aとの間で11年度下
半期テレビ広告の放映を委託する契約を締結した(本件契約)。本件契約に基づ
く各テレビ局,放映時間帯及び放映本数は下記のとおりである,Aの提案では総
放映本数が744本であったのに対し,本件契約では778本となっているの
は,その後,下関市とAとの間で,平成11年11月から,総放映本数を増加さ
せる内容の契約(変更契約1)を締結したことによるものである。
    これを,(3)アで認定した通常料金に基づいて積算すると,その合計金額
は,7932万円となる。
                記
    (ア) RKB毎日放送,KBC九州朝日放送,TNCテレビ西日本
     ① Aクラス 20本
     ② SBクラス    20本
     ③ Bクラス134本
     ④ Cクラス232本
    (イ) KRY山口放送,YAB山口朝日放送
     ① Aクラス 20本
     ② SBクラス    50本
     ③ Bクラス 70本
     ④ Cクラス232本
  (8) 被告は,Aとの間で変更契約2を締結することにより,総放映本数を1
022本に増加させたが,変更契約2に基づく各テレビ局,放映時間帯及び放映
本数は下記のとおりであり,これらを(3)アで認定した通常料金に基づいて積算す
ると,その合計金額は,1億0459万円となる。
                記
    (ア) RKB毎日放送,KBC九州朝日放送,TNCテレビ西日本
     ① Aクラス 19本
     ② SBクラス    23本
     ③ Bクラス129本
     ④ Cクラス212本
    (イ) KRY山口放送,YAB山口朝日放送
     ① Aクラス 46本
     ② SBクラス    75本
     ③ Bクラス 61本
     ④ Cクラス457本
 2 争点に対する判断
  (1) 争点(1)(11年度下半期テレビ広告に関して,被告がその放映を委託
する発注先を選定するに当たり,プロポーザル方式を選択したことは適法である
と認められるか。)について
    本件契約を締結するに当たり,被告がその相手方を選定するための方式
として採用したプロポーザル契約は,任意の業者を数社選択し,その中から1名
を選択し,その相手方と契約を締結する方式であるから,随意契約の一種である
ということができる。そして,地方公共団体が契約を締結するに当たっては,一
般競争入札の方法によることが原則とされ,政令で定められた場合にのみ随意契
約の方法により契約を締結することが認められることとされている(地方自治法
234条1項,2項)。
    ところで,被告の主張するところは,11年度下半期テレビ広告の放映
に関する契約について,その性質又は目的が競争入札に適しない(地方自治法施
行令167条の2第1項2号)との主張を前提とするものであると解されないで
もないが,前記基礎事実及び認定事実によれば,本件では,11年度下半期テレ
ビ広告の放映に関し,原則である一般競争入札の方式によることが不可能又は著
しく困難であったと認めるべき事情は存在しない。しかし,他方で被告の要求す
る業者選定の水準や内容は甚だ概括的なものであって,一義的に明確であるとは
いうことができず,テレビ局の選択や放映時間帯に関するより詳細で具体的な内
容については,発注先の業者の方針,技量,信用,経験などに委ねられる部分が
少なくないことは否定できない。また,下関市は,本件契約以前にも37年間に
わたり下関競艇に関するテレビ広告の放映を外部の業者に発注しており,本件契
約締結当時,翌年度以降も外部の業者に発注することを考えていたというべきで
あるから,そうだとすれば,翌年度以降の契約に関し,外部業者との関係をより
良好なものにするため,これに適した業者選定の方式を採る必要があったという
ことができる。そして,これらの事情に加え,本件で下関市が採った方式が,従
前テレビ広告を発注していたB,我が国でも屈指の広告代理店であるA及びCの
3者を対象として,提案内容の善し悪しによって発注先を決定することとし,こ
の意味において,全く任意の業者を選定して契約を締結する純粋な随意契約とは
異なることとなるのであるから,被告が本件契約につきプロポーザル方式により
発注先の業者を決定し,その業者との間で随意契約を締結する方式を採ったこと
自体は,適法になされたものであると認めることができる。
  (2) 争点(2)(被告が争点(1)の発注先としてAを選定したことは,裁量権を
逸脱した違法なものであると認められるか。)について
前記認定事実によれば,本件契約締結の時点において,テレビ広告の総放映本数
や広告代金額について,Bの提案がAの提案よりも優れていることは明らかであ
る。
    被告は,放映時間帯や放映エリアについて,Aの提案がBの提案よりも
優れていると主張する。そして,Aの提案(乙3)の中には,山口県及び福岡県
における35歳以上の男性について,各テレビ局における時間帯ごとの視聴率を
示した表が添付されており,Aが,テレビ広告の対象として,下関競艇の入場者
が多い九州に居住する当該年齢層の男性に重点を置いた旨の記載がある上,これ
らの重点項目に副って放映時間帯,放映本数を配分しているように見えなくもな
い。しかし,提案時を基準としてみると,Aの提案でもBの提案によっても,九
州に拠点を置くテレビ局における放映本数と山口に拠点を置くテレビ局における
放映本数との比率はほぼ同等である上,全体の総放映本数が多いこととの兼ね合
いから,九州に拠点を置くテレビ局における総放映本数については,Bの提案の
方がAの提案を上回るのである。また,放送時間帯についても,Bの提案は,A
の提案ほど当該年齢層の男性を意識した提案ではないにせよ,Aの提案書に添付
されている視聴率表と対比すると,当該年齢層の男性の視聴率が高い時間帯にお
ける放送枠は確保されており,Bの提案における総放映本数がAのそれをはるか
に上回ることも合わせて考えると,この点でもAの提案の方が優れていると断定
することもできない。更に,下関競艇場における当該年齢層の男性の顧客の割合
がどの程度あるのかは証拠上明らかではないし,他の年齢層や性別の顧客に対す
る放映効果,Aの提案書に添付されている視聴率表に関し,Aが提案する放送枠
とBが提案する放送枠との間で生じる視聴率の差を具体的に検討した形跡もな
い。
    また,被告は,下関競艇場のリニューアルに合わせてイメージを変える
必要があった旨主張するが,下関競艇場のリニューアルに合わせてイメージを変
えるために,特にAの提案の方が優れているとすべき事情は認められない。
    そうすると,本件では,Aの提案には,Aが日本でも屈指の大手業者で
あることなど諸般の事情を考慮しても,テレビ広告の総放映本数や広告代金額の
点におけるBの優位は明らかで,これを覆すような事情はなく,被告が11年度
テレビ広告に係る契約の発注先として明らかに有利な内容を提示しているBを十
分な根拠もないのに排斥し,これより明らかに不利な条件を提示しているAを十
分な根拠なしに選択して本件契約を締結したことは,市長としての裁量権を著し
く逸脱したものと認められる。
  (3) 争点(3)((2)が肯定される場合,事後に本件契約が変更されたことによ
り,違法性が解消されるか。)について
    被告は,本件契約の後,変更契約1及び変更契約2を締結し,これらの
契約の履行としてテレビ広告が放映されたことにより,本件契約の契約期間内に
放映された広告の総本数は,Bの提案を上回り,これによって,本件契約を締結
した際の違法性は解消されたと主張する。
    しかし,本件契約は,契約の個数としては1個であるが,本件契約に基
づく代金支払債務に関する条項を見ると,1か月分の放映ごとにこれに対応する
代金を支払うこととなっており,その意味で,各月ごとのテレビ広告の放映本数
と下関市がAに対して支払った金額が対応しているものである。確かに,下関市
はAとの間で当初締結された本件契約の内容のうち,放映本数に関する部分を当
初に遡って増加させるかの如き外形を有する変更契約1及び変更契約2を締結し
ているが,変更契約1はしばらく措くとしても,総放映本数が大幅に増加した変
更契約2が締結された時期は平成12年2月1日であって,その時点で平成11
年10月から12月までの3か月間の放映分については,本件契約及び変更契約
1に基づく代金の支払が既になされている。また,平成12年1月の支払分につ
いても,Aによって,変更契約1に基づく放映がなされてはいるものの,それが
Bの提案を上回る内容であったとは認めることができず,同月分について,特に
代金額が減額されるといった事情もないまま,変更契約1に基づく支払いがされ
ているのである。そうすると,下関市が変更契約2を締結したことにより,全体
としてみれば総放映本数はBの提案を上回るものになったとしても,平成11年
10月から平成12年1月までの間を各月ごとにみれば,その当時存在した本件
契約又は変更契約1に基づく放映がされ,これらの契約に基づく代金が支払われ
たのであるから,これらの月分については,依然として違法な状態が継続してい
たというべきである。
    もっとも,平成12年2月及び3月には,Aによって変更契約2に基づ
く契約の履行がされ,その結果,本件契約や変更契約1,更にはBの提案よりも
はるかに多い本数の広告が放映されたことになるが,前記のとおり1個の契約で
ある本件契約及び変更契約1に基づく違法な代金の支払がされているのであるか
ら,これらの契約が全体として違法性を帯びることに変わりはなく,この点をも
って,本件契約及び変更契約1の違法性が解消されたと解すべきではない。
  (4) 争点(4)(被告の違法行為により下関市が被った損害額)について
    そこで,被告の違法行為によって下関市が被った損害額について判断す
る。
   ア まず,本件契約及び変更契約1の内容について,Bの提案内容と比較
する。平成11年10月分は,本件契約に基づいて下関市及びAの債務の履行が
なされたことが認められるから,本件契約のうち,同月分の放映部分に関する合
計金額(1億0216万円を6で除した金額である1702万6666円)をB
の提案による同月分の合計金額(1億3312万円を6で除した金額である22
18万6666円)と比較対照すると,本件契約による合計金額は,Bの提案に
よる合計金額の76.75パーセント(小数点第3位以下切り上げ)となる。
     また,平成11年11月分から平成12年1月分は,変更契約1に基
づいて下関市及びAの債務の履行がなされたことが認められるから,本件契約の
うち,これらの月分の放映部分に関する1か月当たりの代金額(7932万円を
6で除した金額である1322万円)をBの提案による代金額(2218万66
66円)と比較対照すると,変更契約1による合計金額は,Bの提案による合計
金額の59.59パーセント(小数点第3位以下切り上げ)となる。
   イ そして,単に代金額のみを比較対照し,Bの提案による金額を適正な
金額であるとすれば,本件契約に基づきAに対し支払われるべき毎月分の支払適
正額は,426万3463円となり,同じく,変更契約1に基づき支払われるべ
き毎月分の支払適正額は,331万0225円となる。
     (計算式)
     3333万円×0.7675÷6=426万3463円(小数点以下
切り上げ)
     3333万円×0.5959÷6=331万0225円(小数点以下
切り上げ)
     仮に,これらの金額に基づいて計算するとすれば,下関市は,平成1
1年10月放映分については156万9869円の損害を,平成11年11月分
から平成12年1月放映分については,756万9321円の損害を被ったこと
になり,その合計金額は,913万9190円となる。
     (計算式)
     583万3332円-426万3463円=156万9869円
    (583万3332円-331万0225円)×3=756万9321

   ウ しかし,他方で,被告がAと本件契約を締結したことは,裁量権を逸
脱するものではあるが,反面,被告がその根拠として示すように,Aの提案には
35歳以上の男性をターゲットとしている旨記載されており,これらのターゲッ
トに対する効果を完全に否定し切ることはできないこと,Aが我が国でも屈指の
大手業者であり,平成12年度上半期以降のテレビ広告に係る契約を締結するに
当たっても,他の業者と比較して有利な条件で契約を締結し,又は下関市の意向
をより柔軟に反映させ得る可能性がないとはいえないことなど,その程度を正確
に把握することは困難であるが,11年度下半期テレビ広告の放映を委託する発
注先としてAを選定したことにより,下関市にとって有利に作用する点が複数存
在することも否定できない。また,本件契約や変更契約1に関する適正価格を算
出するに当たり,Bの提案を唯一の基準とすることにも全く疑問がないわけでは
ない。そうすると,イで算出した金額の合計額をそのまま損害額とすべきではな
く,これらの各点及び本件で現われた一切の事情を最大限に考慮し,下関市が被
った損害額を控えめに算定すると,少なくともイで算出した金額の5割を下回る
ことはないと認めるのが相当である。
   エ なお,被告は,変更契約2を締結し,同契約による総放映本数(10
22本)はBの提案による総放映本数(1015本)を上回っており,平成12
年2月以降,変更契約2により本件契約や変更契約1に基づく本数を上回る本数
が放映されていることが認められる。そして,この点に関し,本件契約や変更契
約1に基づく本数を上回る部分については,同年1月までに発生した損害が填補
されるとの主張を被告がしていると考えられる余地がないではない。しかし,そ
うだとしても,平成12年1月放映分までについては,当該月中にBの提案を下
回る本数しか放送されなかったのであり,当該月が終了し,当該月中の放映本数
に対応する対価が支払われたことにより,損害が確定的に生じていると考えるべ
きであるから,その後になされた変更契約2の内容いかんによって,いったん発
生した損害が填補されたものということはできず,また,これらの事情により,
既に発生した損害額に影響するものでもない。
   オ したがって,前記の913万9190円の5割である456万959
5円に消費税相当額を加算した479万8074円が被告の違法行為によって下
関市が被った損害額と認められる。
     (計算式)
     913万9190円×0.5×(1+0.05)=479万8074
円     (小数点以下切り捨て)
第4 結論
   以上によれば,原告の本訴請求は,被告が下関市に対し479万8074
円の損害賠償金及びAに対する最後の支払日の後である平成12年5月11日か
ら支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める部分は
理由があるから認容し,その余の部分は理由がないから棄却し,訴訟費用の負担
につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法64条本文,61条を適用して,主文
のとおり判決する。なお,仮執行宣言については,相当ではないのでこれを付さ
ないものとする。
(口頭弁論終結の日 平成13年10月2日)
    山口地方裁判所第一部
        裁判長裁判官     山   下       満
           裁判官     杉   山   順   一
           裁判官     安   部       勝

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