弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担としする。
         理    由
 上告代理人森長英三郎、同福田力之助、同上村進上告理由第一点について。
 しかし、労働組合法第二六条によれば、労働委員会を構成すべき労働者を代表す
る委員の委嘱は、同法第五条の労働組合の推薦に基くべきもので所論方法例にいわ
ゆる推薦委員会がこれを推薦するものでないこと明白である。そして原審認定によ
れば前記労働組合は所論方法例による手續を推薦委員会に委任したものと認めたの
である、されば、原判決がその理由において推薦委員会が方法例に準拠しない推薦
投票の方法を決定するためには、本来推薦権を自主的に有する労働組合より事前の
委任若しくは事後の承諾を受くることを要するものとしたのは正当である。そして、
原判決は、所論のように方法例を労働者に対する法規又は慣習法規と解したもので
ないことその説示に照し明瞭であるから、本論旨は、採るを得ない。
 同第二点について。
 しかし原判決は、所論のように方法例に基く推薦委員会は、單位組合に対して方
法例通りに労働委員を選出することを約束してできたと見たものではなく、單に推
薦委員会は、推薦權を自主的に有する労働組合の委任又は承諾なくして、方法例に
準拠しない推薦投票の方法を決定する権限のないことを判示したものであるから、
本論旨は、原判示に副わない非難であつて採るを得ない。
 同第三点について。
 本論旨は、原判決が、本件推薦委員会の決定は、労働組合の事前の委任若しくは
事後の承諾を受けなかつたと認定した事実認定を論旨第二点で排斥した前提の下に
非難するに過ぎないものであるから採るを得ない。
 同第四点について。
 被上告知事のとつた排置には不隠当と思われる節々があるが、原判決の判示した
具体的事情の下においては、所論労働組合法施行令第三七条にいわゆる「労働組合
ノ推薦ヲ得ルコト能ハサルトキ」に該当するものと原審が認定したのは必ずしも違
法でない。
 同第五点について。
 しかし、労働組合法第二六条第二項は、労働委員会を構成すべき労働者を代表す
る委員につき、「労働者ヲ代表スル者ハ労働組合ノ推薦ニ基キ行政官庁之ヲ委嘱ス
ベキモノトス」と規定し、同条第五項は「労働委員会ニ関スル事項ハ本法ニ定ムル
モノノ外勅令ヲ以テ以ヲ定ム」と規定している。そして憲法第一五条は公務員の選
定をすべて選舉の方法によるべきものとしたのではなく又労働組合法第二六条の規
定は労働委員の推薦を選舉の方法によるべき旨規定していないのである。されば所
論昭和二一年勅令第一〇八号労働組合法施行令第三七条中の労働組合の推薦を得る
こと能わざる場合における都道府県知事の職権委嘱に関する規定は、憲法一五条労
働組合法第二六条に違反するところはなく、また、かゝる職権委嘱は所論のごとく
法律上の根拠なしともいえない。本論旨も採ることができない。
 よつて民訴第四〇一条第九五条第八九条により主文のとおり判決する。
 本判決は、裁判官全員の一致した意見である。
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    澤   田   竹 治 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    眞   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    齋   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    穗   積   重   遠

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛