弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を東京地方裁判所八王子支部に差し戻す。
         理    由
 本件控訴の趣意は、末尾添附の弁護人長谷川一雄同池田久連名作成名義の控訴趣
意書と題する書面記載のとおりであつてこれに対して当裁判所は、次のとおり判断
する。
 弁護人控訴趣意第一(三)、について、
 仍つて案ずるに、刑事訴訟法第三百二十八条により供述の証明力を争う為めに取
調べられた証拠は、これを犯罪事実認定の証拠と為し得ないものと解すべきを相当
とする。然るに所論に鑑み本件記録を精査すると、原審昭和二十六年三月二十六日
附第六回公判調書の記載によれば、検察官は、刑事訴訟法第三百二十八条により供
述の証明力を争う為めに、昭和二十三年五月二十三日附司法警察官作成のAに対す
る聴取書の証拠調を請求し、裁判官において該書面の証拠調を為していることその
記載上極めて明白である。而して原判決を検討するに、原判決挙示の証拠のうち、
麻薬統制主事B作成のAに対する聴取書とあるは、正しく前記の供述の証明力を争
う為めの証拠として取調べられたものを指称するものであることは本件記録全体か
ら窺われるところである。果して然らば原判決は犯罪事実認定の証拠と為すことの
できない証拠を事実認定の証拠に供した違法が存在するものと謂うべく、該違法は
判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、此の点の論旨はその理由があり、原
判決は到底破棄を免れない。
 (その他の判決理由は省略する。)
 (裁判長判事 中野保雄 判事 尾後貫莊大郎 判事 渡辺好人)

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