弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は、弁護人小笠原一男同佐藤唯人連名作成名義の控訴趣意書に記
載されたとおりであるから、これを引用して次のとおり判断する。
 論旨は原判決の理由不備を主張するにありその要旨は原判決挙示の証拠によつて
も被告人が血液一ミリリツトル中に一・六ミリグラムのアルコールを保有していた
ことが認められるにとどまりそれ以上に右アルコールの影響により正常な運転ので
きないおそれのある状態であつたことはこれを認定することができず、この点にお
いて原判決には理由不備の違法があり破棄を免れないというのである。 よつて本
件記録を精査するに、原判決挙示の証拠によると、被告人は本件事故の前夜漁船員
をしている同級生に誘われバーAでビールを飲み少なくともコツプ(〇・一八リツ
トル入)に四杯ないし五杯以上は飲んでいると窺われ、深夜になつて一旦帰宅して
から原判示自動車を運転し助手席に友人Bを後部座席に友人Cを乗せてドライブに
出掛けたもので、その際被告人自身の自覚としては危険という気持は全くなかつた
ようであり、運転中身体が酔のためにほてるのを覚え頭がぼ―つとなるのを感じた
(この点に関する被告人の検察官に対する供述が所論のように信用できないものと
は認められない)にしても尚正常な運転ができ<要旨>ないほど酔つてはいないと思
つていたようであるが、道路交通法第一一七条の二第一号、第六五条、同法施行 要旨>令第二六条の二所定のいわゆる酒酔運転罪の成立要件の一つである「アルコー
ルの影響により正常な運転のできないおそれのある状態」には酩酊の度合いの自覚
がある限り必ずしも正常な運転ができないかも知れないとの自覚まであることを要
せず、さような危惧の認識の有無とは関係なく、一般に正常な運転に必要とされる
注意力および判断力などを失わせるおそれがある程の酩酊度と客観的に観測秤量さ
れるような状況が認められれば足ると解すべきであるから、被告人が前記のように
身体に対するアルコールによる酩酊の度合を自覚していたうえに、傍の助手席に居
た友人Bをして「安全運転だぞ」と二、三回も言わしめたほどの態様の速度および
方法の運転であつたことが認められる以上、当時被告人の血液一ミリリツトル中に
一・六ミリグラムのアルコールが含有されていたことと相まつて、被告人がアルコ
ールの影響により正常な運転のできないおそれのある状態であつたと認めるに充分
ということができるので、この点につき証拠理由を欠くという所論は採用に値せ
ず、論旨は理由がない。
 よつて本件控訴は理由がなく、刑事訴訟法第三九六条に則り棄却すべきであるか
ら、注文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 細野幸雄 裁判官 深谷真也 裁判官 桜井敏雄)

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