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裁判例


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             主         文
    1 本件抗告をいずれも棄却する。
    2 抗告費用は抗告人の負担とする。
     理         由
第1 抗告の趣旨及び理由は,別紙「株主総会開催禁止仮処分申立却下決定
に対する即時抗告状」及び「第1主張書面」に記載のとおりである。
第2 事案の概要
 1 本件は,抗告人が,相手方株式会社コクド(以下「相手方会社」という。な
お,相手方会社の株式を「コクド株」ということもある。)の株主(株式の共
有者で権利行使者の指定を受けた者)であると主張して,相手方会社及
び相手方会社の代表者(株主総会の招集権者)である相手方Aに対し,
相手方会社が平成17年6月29日に開催を予定している株主総会(以下
「本件株主総会」という。)の開催禁止の仮処分命令を求めた事案であ
る。
 2 原決定は,抗告人が相手方会社の株主であることの疎明がないとして,
抗告人の上記仮処分命令の申立て(以下「本件申立て」という。)を却下し
たので,これを不服とする抗告人が即時抗告を申し立てた。
 3 争いのない事実等及び争点は,原決定「理由」欄「第2 事案の概要」の1
及び2(原決定2頁8行目から5頁17行目まで)に記載のとおりであるか
ら,これを引用する。
第3 当裁判所の判断
 1 被保全権利について
(1) 抗告人が持分を有するコクド株について
 ア 本件申立ては,抗告人が相手方会社の株式の共有者であり,権利
行使者の指定を受けた者であることを前提とするものである。抗告
人が共有している相手方会社株式が具体的にどのようなものである
かは,必ずしも明確でないが,抗告人の主張に照らせば,①亡Bが
死亡当時名義を有していた23万8518株(以下「本件遺産株」とい
う。),②抗告人,C,D及びEが,17株につきFとの間で,16株につ
きGとの間で,16株につきHとの間で,それぞれ抗告人が33分の
2,Cが33分の2,Dが66分の19,Eが132分の19の持分を有す
ることの確認請求訴訟(東京地方裁判所平成17年(ワ)第2673号,
同第4144号)において,平成17年3月17日,F,G及びHが抗告
人,C,D及びEの請求を認諾したことに係る合計49株の株式(以
下,この49株を「認諾株」という。),③亡Bの株式でありながら,他
人名義とされたその余の株式(以下「名義株」という。)であるものと
解されるので,そのような前提のもとに本件申立てがされているもの
として,以下に検討を進めることとする。
  イ 上記①について,亡Bが死亡時に本件遺産株を保有していたこと
は,当事者間に争いのないところ,本件遺産株については,I,J,K,
D,L(代理人M),N,O及び抗告人(代理人P)が,昭和39年10月
7日,亡Bの遺産について,不動産及び東京急行電鉄株式会社の株
式をNにおいて相続し,退職弔慰金,書画骨董,生命保険金,現金
及び預金は分割して共同相続人らにおいて相続し,本件遺産株は
学校法人Qに寄付する旨の遺産分割協議をした旨が記載された書
面(甲9。以下,この遺産分割協議を「本件遺産分割協議」といい,上
記書面を「本件遺産分割協議書」という。)が存在していることに照ら
すと,本件遺産分割協議が有効に成立したものであれば,本件遺産
株は,既に学校法人Qに寄付されたことになり,抗告人が持分を有
するとはいえないことになる。しかしながら,本件遺産分割協議書に
おいて,抗告人作成部分には,抗告人自身の押印がなく,その代理
人とされるP名下に押印がされていることは,甲9の記載から明らか
であるところ,抗告人が,本件遺産分割協議をすることにつき,Pに
代理権を授与したことを認めるに足りる資料はない(甲9には,抗告
人のPに対する委任状等その代理権の存在を示す書類等は添付さ
れていない。)。確かに,資料(甲21,22)によれば,Dや抗告人が,
本件遺産分割協議で定められた金員の分配を受けたり,書画,骨董
類を取得した事実が認められるが,これらの分配は亡Bの遺産の一
部の配分である旨の抗告人やDの陳述(甲21,22)や本件遺産分
割協議書には,上記のように,抗告人自身の押印がなく,また代理
人として押印のあるPに代理権があることを示す書類等が添付され
ていないこと等に照らせば,上記財産分配の事実から直ちに,本件
遺産分割協議が抗告人の意思に基づいていたとか,抗告人が本件
遺産分割協議を追認したということはできないし,他に本件遺産分割
協議が抗告人の意思に基づいたものであることを認めるに足りる資
料がないことにかんがみれば,本件遺産分割協議が有効であると解
することはできないものといわざるを得ない。
 したがって,本件遺産分割協議は,共同相続人全員によってされ
たものとはいえないから,遺産分割協議としては,無効であるといわ
ざるを得ない。なお,本件遺産分割協議のうち,本件遺産株の寄付
に関する部分は,贈与の意思表示と解する余地がないではないが,
そのような場合であっても,少なくとも抗告人の持分との関係におい
ては,効力を生じないといわざるを得ない。
 よって,抗告人が,本件遺産株につき,33分の2の持分を有するこ
とは,一応認められるものとするのが相当である。
  ウ 次に,上記②につき検討するに,資料(甲44)によれば,C,D,E及
び抗告人が,コクド株17株につきFとの間で,16株につきGとの間
で,16株につきHとの間で,それぞれCが33分の2,Dが66分の1
9,Eが132分の19及び抗告人が33分の2の持分を有することの
確認請求訴訟(東京地方裁判所平成17年(ワ)第2673号,同年(ワ)
4144号)の平成17年3月17日の弁論準備手続期日において,F,
G及びHがC,D,E及び抗告人の上記請求を認諾したことが一応認
められる。
    確かに,相手方らは,上記訴訟の当事者ではないから,上記認諾の
効力が直接及ぶものではないが,これらの株式の名義人自身が,自
ら亡Bの相続人であるC,D,E及び抗告人が法定相続分の割合に
応じた当該株式の持分権者であることを認めた事実は軽視すること
ができないといわなければならない(実際にも,乙3,4及び審尋の
全趣旨によれば,上記Cほか2名と同様の請求をされた137名は,
争っていることが一応認められる。)。そして,上記認諾がいわゆる
馴れ合いとしてされたなどの事情を認めるに足りる資料も見当たらな
い本件においては,上記の認諾株49株については,C,D,E及び
抗告人が,前記の割合で共有しているものと一応認めるのが相当と
いうべきである。
エ さらに,上記③についてであるが,資料(甲6)によれば,亡Bは,昭
和17年12月8日の時点において,13万8539株を有していたこと
が一応認められる(なお,当時,亡Bが上記株式数を超えるコクド株
を有していたと認めるに足りる的確な資料はない。)ところ,Rは,昭
和31年ころから昭和35年にかけて,亡Bのために,90パーセント
以上のコクド株を買い集めた旨陳述し(甲8),Sは,新株券発行の際
株券の引換えに訪れた株主と買取交渉をすることによって,コクド株
を買い集めた旨陳述し,Tから聞いた話として,亡Bの死亡当時,亡
Bが96パーセントのコクド株を有していた旨陳述する(甲52)。さら
に,抗告人は,亡Bの生前における名義株の存在を指摘する陳述書
ないし書簡(甲12,21,22,24,25の1,25の2,30,38,40,4
1,52)等の資料を提出し,Sは,昭和33年における相手方会社の
株主名簿(甲53)の父母兄弟及び自己名義のコクド株について,名
義株である旨陳述し(甲52),Fは,自己名義であるコクド株につい
て,債務者会社に入社(昭和37年)後まもなく,名義株の株主となる
よう依頼を受けた旨陳述する(甲24,30)。
    これらの各資料は,いずれも伝聞にすぎないものであったりするな
ど,それだけで直ちには名義株の具体的な対象やその株式数を証
明するに足りるものということはできないが,Sが昭和33年において
Sやその親族名義のコクド株が名義株である旨を述べている上,前
記のとおり,F,G及びHがその名義に係るコクド株につき,C,D,E
及び抗告人による持分確認請求訴訟において,上記Cほか3名によ
る請求を認諾したことにかんがみれば,その内容や株式数等の具体
的内容を確定し得ないことは前記のとおりであるものの,抗告人にお
いては,少なくとも名義株が存在すること自体については,疎明を尽
くしたものということができる。
オ 以上説示したところをまとめると,抗告人は,本件遺産株につき,未
だ33分の2の持分を失わないものと解され,また,認諾株の49株に
ついても,抗告人が33分の2の持分を有すると一応認めるべきであ
る。さらに,名義株についても,具体的内容は確定することができな
いものの,その存在自体は一応認めることができる。
(2) 抗告人による差止請求権(商法第272条)行使の可否について
ア 抗告人は,本件株主総会開催の違法性に関し,①相手方らは,相
手方会社の株主である抗告人に株主総会開催の通知をせず,抗告
人に株主総会に参加する機会を与えないばかりか,真実の株主でな
い名義上の株主を株主として扱って株主総会を開催しようとしてお
り,このことが取締役の忠実義務違反に当たる,②本件株主総会に
おいて議決される,相手方会社の株式につき譲渡制限を定めるとと
もに株主総会招集通知の発送期限を1週間に短縮する旨の定款変
更の議案は,西武グループの再編案が決議される予定である次回
の株主総会における仮処分の手続等を不可能にすることを目的と
し,株主の考慮期間を短縮する結果をもたらすものである,③相手
方会社の経営改革委員会による再編案は,西武鉄道株式会社(以
下,「西武鉄道」といい,同社の株式を「西武鉄道株」という。)につい
て2000億円を増資し,増資の際の西武鉄道株の価格を500円と
予定し,その後相手方会社の優良資産を分離して西武鉄道と合併さ
せるとの内容であるが,経営改革委員会の上記西武鉄道株に対す
る評価は著しく低廉であり,西武鉄道株の株価の低下をもたらし,西
武鉄道株の71.3パーセントを保有する相手方会社の資産低下に
繋がる旨を主張しているので,検討する。
イ まず,上記①についてであるが,前記のとおり,抗告人は,本件遺
産株及び認諾株につき,33分の2の持分を有しており,具体的内容
は確定し得ないものの,他にも名義株につき,同様の持分を有して
いることが一応認められる。そうすると,少なくとも,本件遺産株及び
認諾株については,真実の権利者と株主名簿上の権利者とがくい違
っていることになり,他に名義株が存在している可能性があることを
考え併せれば,このような不一致が広範に及んでいる可能性がある
ことも一概には否定することができない。そして,抗告人が持分を有
するコクド株は,本件遺産株が単純に株式併合(1000株を1株)さ
れたとしても,合計約287株(株式併合後の本件遺産株約238株と
認諾株49株の合計。なお,抗告人の法定相続分を前提とした持分
は,各株式の33分の2にすぎないが,抗告人に対する共有株主の
権利行使者の指定が有効であれば,この約287株全部につき,株
主としての権利を行使し得ることになると解される。甲43,商法第2
03条第2項,最高裁判所第三小法廷平成9年1月28日判決・裁集
民181号83頁参照)であって,発行済み株式総数2099株の13.
6パーセント余りを占めることになり,本件株主総会が開催されれ
ば,少なくとも上記約287株に相当する株式については,真実の株
主に招集通知を発しないまま,実質的権利を有しない名義上の株主
にその権利を行使させる結果を招来することになり,他の名義株の
存在を考えると,本件株主総会が開催された場合手続上軽微とはい
えない瑕疵を帯びる余地があることの疎明があることを肯定すること
ができる(なお,その内容を確定するに足りる的確な資料はないが,
無償増資等により,亡Bの遺産であるコクド株がさらに多数であった
可能性も否定することができない。)。
ウ 次に,上記②及び③を検討するに,抗告人は,本件株主総会にお
いて相手方会社の株式につき譲渡制限を定めるとともに株主総会
招集通知の発送期限を1週間に短縮する旨の定款変更がされること
を前提としているが,これらの議題が可決されることが確実であると
認めるに足りる的確な資料はない上,そもそも,このような内容の決
議自体,法の許容する(商法第204条第1項,第232条第1項ただ
し書)ものであって,その当否の判断は,株主に委ねられるべき事柄
であるから,このような議題を審議すること自体を違法ないしは不当
ということはできない。また,上記定款変更の内容からして,仮に,抗
告人が主張するような定款変更がされたとしても,そのことから当然
に相手方会社が損害を被るとはいえないし,株主総会の決議取消し
の訴え(商法第247条)等により,事後的な是正を図ることも十分可
能と考えられる。さらに,抗告人は本件株主総会の次に開催される
相手方会社の株主総会において,相手方会社の経営改革委員会に
よる再編案が議決されることが相手方会社の利益を損なう旨を主張
するが,抗告人の主張する再編案が次回の株主総会における議案
として確定されたものであると認めるに足りる資料がないばかりでな
く,事態が抗告人が主張するとおりに運ぶかどうかについても,現時
点でこれを断定し難い上,抗告人自ら上記再編案は本件株主総会
の次に開催される株主総会で議決される旨を主張していることにか
んがみれば,上記再編案の議決に関する事情は,本件株主総会の
開催によって相手方会社が被る損害であると考えることも困難という
ほかない。
エ 以上によれば,本件株主総会がこのまま開催されることになれば,
手続上軽微ならざる瑕疵を帯びる余地があるとの疎明があることを
肯定することができることは前記のとおりであるけれども,本件株主
総会の開催「ニ因リ会社ニ回復スベカラザル損害ヲ生ズル虞」(商法
第272条)があるということはできず,他にこれを疎明するに足りる
資料もない。
(3) 以上のとおり,抗告人は,少なくとも,本件遺産株及び認諾株につい
ての持分を有し,また,他にも名義株についての持分を有していること
及び本件株主総会開催の違法性については疎明を尽くしたといえる
が,本件株主総会の開催「ニ因リ会社ニ回復スベカラザル損害ヲ生ズ
ル虞」があることについての疎明がないから,結局,被保全権利につい
て疎明を尽くしたということは困難というほかない。
2 保全の必要性について
(1) 民事保全法上,仮の地位を定める仮処分命令として,株式会社の株
主が当該会社の株主総会につき,開催禁止の仮処分命令を求めるこ
とが認められる余地があるものと解すべきである。そして,同法は,仮
の地位を定める仮処分命令の必要性の要件として,「債権者に生ずる
著しい損害又は急迫の危険を避けるため」であることを規定している
(同法第23条第2項)が,本件申立ては,本件株主総会の開催禁止を
求めるものであるところ,株主総会が会社の意思決定を行う最高機関
であることや,そのような仮処分が認められることになると,他の株主
の株主権行使の機会を一方的に奪う結果をもたらすこと,株主総会の
決議取消しの訴え(商法第247条)を提起することにより事後的に是正
することが可能であること,そもそも,会社の意思は,株主相互の意見
交換等を経て最終的には多数決で決せられるべきものであって,少数
派の株主は,多数派の株主の意見を受け入れざるを得ないという側面
があることなどの事情にかんがみれば,満足的仮処分という性質を有
する株主総会開催禁止の仮処分命令を発するにあたっての保全の必
要性の判断は,特に慎重に行われるべきものであり,その保全の必要
性が肯定されるには,当該株主総会の開催を許すと,決議の成否を左
右し得る議決権を有する株主が決議から違法に排除されることになる
などのために,違法若しくは著しく不公正な方法で決議がされること等
の高度の蓋然性があって,その結果,会社に回復困難な重大な損害を
被らせ,これを回避するために開催を禁止する緊急の必要性があるこ
とが要求されるものと解するのが相当である。
(2) すなわち,株主総会開催禁止の仮処分命令を発するに当たっての保
全の必要性があるといえるためには,会社に回復困難な重大な損害を
被らせるおそれのあることが要求されることになるが,このことは,商法
第272条所定の差止請求の要件である「之ニ因リ会社ニ回復スベカラ
ザル損害ヲ生ズル虞」と同内容の要件と解すべきである。そして,この
要件についての疎明があるとはいえないことは,前記のとおりである
(かえって,資料〔乙16〕によれば,本件株主総会は相手方会社の第1
19回定時株主総会で,3月期決算である相手方会社の会計報告や損
失処理案の承認,退任役員の後任者の選任も予定されていることが一
応認められ,これらの事実に照らせば,本件株主総会の開催が禁止さ
れることによって相手方会社が被る不利益は,極めて深刻であること
がうかがえる。)。
  また,抗告人は,本件株主総会が開催され,前記定款変更がされる
と,再編案を議決する次の株主総会を阻止するための仮処分の審理
に支障をきたす旨を主張するが,前記のとおり,抗告人の主張する再
編案が次回の株主総会の議案として確定されたものであるとは認め難
いし,事態が抗告人が主張するとおりに運ぶかどうかについても,現時
点でこれを断定し難い上,次の株主総会の阻止を求める仮処分の審
理の支障をなくすための手段として,本件株主総会の開催の禁止を求
めること自体も,迂遠の感を免れないというほかない。
(3) 以上によれば,本件株主総会が開催されることによって,相手方会
社に回復困難な重大な損害を被らせるということについて疎明があっ
たということはできないし,また,これを回避するために開催を禁止する
緊急の必要性があることについても疎明があるともいえないから,本件
申立ては,保全の必要性を欠くものであるといわざるを得ない。
3 相手方会社に対する申立てについて
本件申立ては,商法第272条に規定する株主の取締役に対する違法
行為等の差止請求権を根拠とするものと解されるところ,同条によれば,
本件申立ての本案訴訟の相手方は,当該取締役(本件においては,株主
総会の招集権者である相手方会社の代表者である。)であって,会社自
体が本案訴訟の被告になるものではない。そうすると,相手方会社が少
なくとも当然には本件申立ての当事者適格があるということはできず,か
つ,抗告人において,相手方会社に本件申立ての当事者適格があること
の根拠について,特段の主張をしているとも認め難いから,本件申立て
のうち,相手方会社に関する部分は,当事者適格を欠く不適法な申立て
といわざるを得ない。
4 まとめ
  以上のとおり,抗告人は,本件遺産株及び認諾株についての持分を有し
ており,他にも名義株の持分も有していると一応認められるから,本件申
立ての当事者適格がないとはいえないが,本件申立ては,被保全権利及
び保全の必要性についての疎明がないから,以上いずれの観点からして
も,失当であり却下を免れない。また,相手方会社は,本件申立てについ
ての当事者適格を欠くから,そもそも相手方会社に対する本件申立ては
不適法といわなければならない。
第4 結論
   以上の次第で,抗告人の本件申立てを却下した原決定は,結論において
相当というべきであるから,本件抗告は理由がない。よって,本件抗告を
いずれも棄却することとして,主文のとおり決定する。
 平成17年6月28日
東京高等裁判所第21民事部
      裁判長裁判官   浜   野       惺
裁判官   高   世   三   郎
裁判官   長 久 保   尚   善

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