弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人香田広一の上告理由について。
 論旨は、本件訴えの利益を否定した原審の判断は健康保険法及び船員保険法の規
定の解釈を誤り、審理不尽、憲法一一条、三一条違背の違法をおかしたものである、
という。
 本訴請求は、被上告人が昭和三〇年八月一日付で上告人に対してした保険医指定
取消処分の取消しを求めるものであること記録上明らかである。ところが、昭和三
二年法律第四二号「健康保険法の一部を改正する法律」及び同年法律第四四号「船
員保険法の一部を改正する法律」は、従来のいわゆる個人指定方式を廃止して、新
たに、都道府県知事の指定を受けた病院若しくは診療所でなければ療養の給付を担
当することができないといういわゆる機関指定方式を採用するとともに、保険医療
機関において保険の診療に従事する医師は都道府県知事の登録を受けなければなら
ないという保険医登録制度を設けるにいたつた。そして、新健康保険法附則八条は、
新法施行の日たる昭和三二年五月一日現在において旧法による保険医である者は新
法の規定による保険医の登録を受けたものとみなし(一項参照)、また、右の保険
医が同日現在で保険の診療に従事している病院若しくは診療所は、その者の行なう
診療に関しては昭和三二年一〇月三一日までは新法による保険医療機関の指定を受
けたものとみなすと規定している(五項参照)。
 そこで、本件訴訟によつて保険医指定取消処分が取り消されたとしても、これに
よつて上告人の回復すべき旧法上の保険医に相当する地位は現行法上存在せず、ま
た、上告人は、右の取消しをまつまでもなく、昭和三二年八月一日付で新法による
保険医の登録を受けていることは自ら認めて争わないところであり、保険医療機関
の指定にしても、前記昭和三二年一〇月三一日の経過した今日において、仮りに上
告人が新法施行の日に旧法による保険医であることが確定されたとしても、上告人
の診療に従事する医療機関が新法による保険医療機関の指定を受けたものとみなさ
れる余地がないことは明らかである。
 上告人は、保険医療機関の指定を受けるために保険医指定取消処分の取消しを求
める本件訴訟を継続する必要がある、と主張する。しかし、現行制度の上で、保険
医指定の取消しが保険医療機関指定の欠格事由とされているわけではなく、また、
保険医指定取消処分を受けたことによつて保険医療機関の指定が拒否されるという
結果が当然に生ずるわけでもない。したがつて、仮りに本件保険医指定取消処分が
違法であるとしても、その処分によつて上告人のこうむる不利益は、上告人が保険
医療機関の指定を現実に拒否された場合において、当該拒否処分の効力を争う訴訟
によつて救済を受けることができるのであつて、前叙のごとき改正を経た新法の下
では、右指定取消処分の取消訴訟によつて救済されるに由ないものといわなければ
ならない。また、所論のごとく、本件保険医指定取消処分によつて上告人の名誉、
信用等が害されたとしても、その損害賠償を請求するには、右指定処分の取消しを
必要とするものではないからそのことの故をもつて本件訴訟を追行し得べき理由と
することはできない。
 以上いずれの点からみても、上告人は、昭和三二年一一月一日以降本件訴訟を追
行する法律上の利益を失つたものといわなければならない。
 されば、右と同趣旨に出た原判決(その引用にかかる第一審判決)の判断は正当
であつて、その判断の過程にも所論法令違背の違法はなく、違憲の論旨も、その実
質は法令違背の主張にすぎず、上告適法の理由とは認め難く、論旨は、すべて採用
できない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   田   正   俊
            裁判官    五 鬼 上   堅   磐
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎

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