弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は、参加に因つて生じた部分については補助参加人の負担とし、
その余の部分については上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人大橋茹の上告理由は、末尾に添えた別紙記載の通りである。
 (一)本訴係属中当選人Dは辞職し、Cが地方自治法第五六條第三項後段によつ
て繰上当選人と定められた。そこで論旨第一点は、右繰上補充の結果本件選挙の次
点者は二七七票を得たEであるから、七票の潜在的無効投票を差引いても、上告人
Aは当選を失わない、と主張する。しかしながら、当選の効力に関する争訟は選挙
会が当選人を決定した当時又は選挙管理委員会が当選人氏名を告示した当時の当選
人の当否に関する争訟である。繰上補充の当否は別個の当選訴訟の対象にはなり得
るが、本訴においては訴訟の対象になつていない。本件で争われているのは当初の
選挙会における当選人の決定であるから、その後繰上補充があつても、その事実は
本訴において考慮すべきでなく、論旨は理由がない。
 (二)原判決が本件選挙に選挙権のない者七名が投票したと認定したのに対し、
論旨第二点は、上告人は原審において無権利者の投票が七票あつたという事実を爭
つているから、右事実の立証責任は被上告人がわにある、というのであるが、被上
告人は乙第七号証別表を提出してこれを立証しているのであつて、論旨は理由がな
い。論旨は、右乙第七号証は証拠として不十分不備であり原判決がこれによつて重
大な事実を認定したのは違法である、と言うが、証拠の取捨は原審の権限に属し、
かつ上告人は原審においてこれに対する反証を提出していないのであるから、原判
決に違法はない。
 (三)検甲第二号証について論旨第三点は、右投票は「F浅次郎」とあつて振仮
名を附けその第四字は「マ」と読めると検証調書に記載されているにかゝわらす原
判決がこれを無効としたのは違法である、というのであるが、検証調書には「四字
目ノ「ア」ハ場合ニヨツテ「マ」トモ又ハ「ア」トモ読ミ得ル筆蹟デアルコトヲ認
メタリ」とあり、所論のように「マ」と読み得る旨の記載はなく、「浅」の振仮名
である以上「ア」と読むのが自然である。そうすればG浅治郎、F政治郎のいずれ
に対する投票とも考えられ、原審が右一票を無効としたのは必ずしも無理でなく、
そして右一票がFのものであつたにしてもなかつたにしても、判決の結果に影響は
なく、論旨は結局上告理由たり得ない。
 (四)検甲第三号証について論旨は、「オ、サ」と記載されているから候補者A
に対する有効投票と認むべきものである、と主張するが、原判決は「サ」の上の一
字は判読し難いとしているのであつて、所論は認められ得ない。
 (五)論旨第三点はさらに、上告人が他事記載ありまた判読し難いと主張した投
票について原判決が証拠によらないで上告人の主張を斥けたのは違法である、とい
うのであるが、原審はそれらは検証の目的物なる別紙写を証拠として無効原因を発
見し得ないものとしたのであるから、その説明が不充分であるにしても、論旨のい
うような違法はない。
 よつて、民訴法第四〇一條、第九五條、第八九條、第九四條後段に従い、主文の
通り判決する。
 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
 裁判官穂積重遠は差支えにつき署名捺印することができない。
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛