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平成27年3月25日判決言渡
平成26年(ネ)第10118号損害賠償請求控訴事件
(原審・東京地方裁判所平成26年(ワ)第17432号)
口頭弁論終結日平成27年2月25日
判決
控訴人株式会社イー・ピー・ルーム
被控訴人国
代表者法務大臣
指定代理人中島伸一郎
同浅原陽子
同駒﨑利徳
同平川千鶴子
同古閑裕人
主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は,控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2被控訴人は,控訴人に対し,200万円及びこれに対する平成26年8月7
日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要
1本件は,放電焼結装置に係る発明について特許権の設定登録を受けた控訴人
が,特許庁がした同特許を取り消す旨の決定は違法であると主張して,被控訴人に
対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害金200万円及びこれに対する訴状送達
の日の翌日である平成26年8月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合に
よる遅延損害金の支払を求める事案である。
原審は,本件訴えは,前訴の実質的蒸し返しであり,信義則に照らして許されな
い不適法なものであるとして本件訴えを却下したため,控訴人は,これを不服とし
て,本件控訴をした。
2前提事実及び当事者の主張は,原判決「事実及び理由」の第2の1及び2に
摘示のとおりであるから,これを引用する(以下,原判決を引用する場合,原判決
中の「原告」とあるのを「控訴人」と,「被告」とあるのを「被控訴人」とそれぞ
れ読み替える。)。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,本件訴えは,前訴の実質的蒸し返しであり,信義則に照らして
許されない不適法なものであるから,却下すべきものと判断する。その理由は,原
判決を次のとおり補正し,当審における控訴人の主張に対する判断を次項で付加す
るほか,原判決の「事実及び理由」の第3の1に説示のとおりであるから,これを
引用する。
(原判決の補正)
(1)原判決3頁11行目の「求める」の次に「などの」を加える。
(2)原判決3頁12行目の「平成23年(ワ)第9248号,」を削り,同頁1
4行目の「平成23年」を「平成23年(ワ)第9248号,同年」に改める。
(3)原判決3頁20行目の「そして,」から同頁22行目の「としても,」まで
を「控訴人は,特許異議の申立てが旧特許法113条の規定に反して違法であると
主張したことはないと主張するが,上記東京地方裁判所平成24年(ワ)第133
72号,平成25年(ワ)第22575号,同年(ワ)第25651号の各前訴に
おいては,同条違反を理由として本件取消決定が違法である旨の主張を繰り返して
いたのであるから(乙3の1),控訴人の主張はその前提において採用できないし,
仮に上記各前訴の主張と何らかの差異があるとしても,」と改める。
2(1)控訴人の主張は,善解すれば,原判決が実質的な訴訟の蒸し返しの基礎と
した各訴訟(東京地方裁判所平成16年(ワ)第19959号,同庁平成23年(ワ)
第13780号,同年(ワ)第24887号,同年(ワ)第9248号,同年(ワ)
第30818号,同庁平成24年(ワ)第13372号,同庁平成25年(ワ)第
22575号,同年(ワ)第25651号及び同年(ワ)第29155号。以下「本
件各訴訟」という。)の判決は,いずれも控訴人の給付請求に対する判断を脱漏し
たのであるから,本訴は前訴の蒸し返しとはいえないと主張するものと解される。
しかし,本件各訴訟に係る判決について裁判の脱漏があることを認めるに足りる
証拠はない。したがって,控訴人の主張はその前提を欠き,採用することができな
い。
(2)控訴人はその他縷々主張するが,いずれも上記認定,判断を左右するもので
はない。
3以上によれば,原判決は相当であって,本件控訴は理由がないからこれを棄
却することとし,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官設樂一
裁判官大寄麻代
裁判官平田晃史

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