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平成26年(あ)第452号傷害,殺人,殺人未遂,未成年者略取,銃砲刀剣類
所持等取締法違反被告事件
平成28年6月16日第一小法廷判決
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人草場裕之ほか及び被告人本人の各上告趣意は,いずれも,単なる法令違
反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらな
い。
なお,所論に鑑み記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認め
られない。
付言すると,本件は,被告人が,(1)平成22年2月4日から同月5日までの
間,同棲相手の女性B(当時18歳)に対し,模造刀及び鉄棒で数十回その全身を
殴打するなどの暴行を加えて全治約1か月を要する傷害を負わせ,(2)実家に戻っ
たBを連れ出そうと試みたもののBの姉C(当時20歳)に阻まれ,Bの友人女性
D(当時18歳)に警察に通報されて逃げ出すのを余儀なくされるに至って,Bを
略取するとともにこれを邪魔する者は殺害しようと計画し,同月10日早朝,Bの
実家において,①Cが警察に連絡したことなどを契機として,C,D,及びCの友
人男性E(当時20歳)に対し,いずれも殺意をもって,牛刀で胸部等を突き刺
し,よって,C及びDを失血死させるなどして殺害し,Eに入院加療1週間を要す
る右肺損傷等の傷害を負わせるにとどまり殺害の目的を遂げず,②Bを自動車に乗
せて略取したなどの事案である。
このうち(2)の犯行は,被告人が,それぞれ強い殺意の下に,3名の者に対して
牛刀で攻撃を加え,その結果,2名の生命が奪われ,残る1名についても一命は取
り留めたものの重傷を負うに至っているのであって,その罪質,結果ともに誠に重
大な事案であると言わざるを得ない。
被告人は,上記(1)のとおりBに激しい暴行を一方的に加えて重傷を負わせたの
に,Bの略取を図るとともに,これを邪魔しようとする者がいる場合にはその殺害
も辞さないと思い定めて,Bの身を案じ同室していたCらを襲ったものであり,そ
の身勝手極まりない動機に酌むべき余地はなく,もとより被害者らに責められるべ
き点はない。さらに,牛刀や革手袋を事前に入手したり,身代わりの出頭を関係者
に働きかけるなどの準備工作を経て,BやBとの間に生まれた乳児が就寝する部屋
内に至り,無抵抗のCの肩をつかみながら,腹部を牛刀で突き刺した上で二,三回
前後に動かす攻撃を加え,あるいは,命乞いをするDの胸等を数回突き刺すなどし
ており,殺害行為等の態様は,冷酷かつ残忍である。犯行時18歳7か月の少年で
あり前科がないとはいえ,上記の動機,態様等を総合すると,本件は被告人の深い
犯罪性に根ざした犯行というほかない。Eや遺族の処罰感情がしゅん烈であるのも
当然である。
以上の諸事情を踏まえると,被告人が一定の反省の念及び被害者や遺族に対する
謝罪の意思を表明していることなど,被告人のために酌むべき事情を十分に考慮し
ても,被告人の刑事責任は極めて重大であって,原判決が維持した第1審判決の死
刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。
よって,刑訴法414条,396条により,裁判官全員一致の意見で,主文のと
おり判決する。
検察官宇川春彦公判出席
(裁判長裁判官大谷直人裁判官櫻井龍子裁判官山浦善樹裁判官
池上政幸裁判官小池裕)

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