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平成一〇年(ワ)第七八六五号 特許権侵害行為差止請求事件
       判       決
       原      告    オリンパス光学工業株式会社
         右代表者代表取締役A
         右原告訴訟代理人弁護士大 場 正 成
同鈴 木   修
         被 告有限会社三笠商事
         右代表者代表取締役B  
         被      告B
         被      告    有限会社渡邉工業
右代表者代表取締役C
         右被告ら訴訟代理人弁護士吉 澤 敬 夫
同補佐人弁理士D
        主       文
一 原告の被告らに対する請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
      事実及び理由
第一 原告の請求
一 被告有限会社三笠商事及び同Bは、別紙物件目録(一)記載の物件を製造し、
使用し、譲渡し、貸し渡し、又は譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのた
めの展示を含む。)をしてはならない。
二 前記被告両名は、その占有にかかる前項記載の物件及びその半製品並びに製造
用部品(フィルムを除く。)を廃棄せよ。
三 被告有限会社渡邉工業は、別紙物件目録(二)記載の物件を製造し、使用し、
譲渡し、貸し渡し、又は譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示
を含む。)をしてはならない。
四 同被告は、その占有にかかる前項記載の物件及びその半製品並びに製造用部品
(フィルムを除く。)を廃棄せよ。
五 訴訟費用は、被告らの負担とする。
第二 事案の概要
 本件は、後記特許権を有する原告が、被告有限会社三笠商事(以下「被告三笠商
事」という。)の製造・販売する製品は、原告の特許発明の明細書における特許請
求の範囲に記載された構成を文言上充足するか又はこれと均等であるから、その技
術的範囲に属し、被告有限会社渡邉工業(以下「被告渡邉工業」という。)は右製
品の生産にのみ使用する部品を製造・販売しているなどと主張して、被告らの製品
等の製造等の差止め及び製品等の廃棄を求めている事案である。
一 争いのない事実等
 1 原告は、次の特許権(以下「本件特許権」という。)を有している。
  (一)特許番号  第一七五九八三四号
   発明の名称 フィルムカセット
出願年月日 昭和五八年二月九日
出願公告年月日 平成四年七月八日
 登録年月日 平成五年五月二〇日
(二)右特許権に係る願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)
の特許請求の範囲第一項の記載は次のとおりである(以下、この発明を「本件特許
発明」という。本判決末尾添付の特許公報(以下「本件公報」という。)参照)。
    「ブリッジを間にしてフィルム供給部とフィルム巻取り部を形成したフィ
ルムカセットにおいて、上記フィルム巻取り部を構成するスプールを、フィルム巻
取り部材と、このフィルム巻取り部材の上部にカセット本体の上面より上方へ突出
し、上記上面に対して突没自在に設けられたカメラのフィルム巻上げ軸と弾性的に
係合する半球面部を設けた係合部材とから構成したことを特徴とするフィルムカセ
ット。」
  (三) 右(二)の発明の構成要件を分説すると、次のとおりである(以下、分説
した各構成要件をその符号に従い、「構成要件①」のようにいう。)。
 ① フィルムカセットであること
   ② 上記フィルムカセットがブリッジを間にしてフィルム供給部とフィルム
巻取り部とを有していること
   ③ フィルム巻取り部を構成するスプールが、フィルム巻取り部材と、その
上部に設けられた係合部材とから構成されること
   ④ この係合部材には、カセット本体の上面より上方へ突出し、上記上面に
対して突没自在に設けられたカメラのフィルム巻上げ軸と弾性的に係合する半球面
部が設けられていること
 2 被告三笠商事は、別紙物件目録(一)記載の製品(以下単に「被告製品」と
いう。)を業として製造・販売している。
3 被告製品は、構成要件①ないし③を充足する。
 4 別紙物件目録(二)記載の部品(以下「本件部品」という。)は、被告製品
からばね及びフィルムを除いた部品であるところ、被告渡邉工業は、その少なくと
も一部を、業として製造・販売している(原告は、本件部品は被告製品の生産にの
み使用する物であり、被告渡邉工業はこれを製造販売していると、主張する。)。
5 被告B(以下「被告B」という。)は、被告三笠商事の代表取締役である
(原告は、被告三笠商事は被告Bをオーナーとする小規模同族会社ないし個人会社
であるから、本件特許権に対する侵害行為を有効に防止するためには、被告B個人
に対しても差止めを求める必要があると主張する。)。
二 争点
 1 被告製品が本件特許発明の技術的範囲に属し、被告製品の製造・販売が本件
特許権を侵害するか。
  (一) 被告製品が構成要件④を充足するかどうか(殊に、被告製品の突起部4
が構成要件④の「半球面部」に当たるかどうか。)。
  (二) 被告製品の突起部4が、構成要件④の「半球面部」に当たらず、構成要
件④を文言上充足しないとしても、被告製品は、本件特許発明と均等であるかどう
か。
2 本件特許発明に無効事由があって、本件請求が権利濫用に当たるかどうか。
三 当事者の主張
 1 争点1(特許権侵害の成否)について
  (一) 原告の主張
(1) 構成要件④の充足の有無について
     被告製品において、カメラのフィルム巻上げ軸と係合する係合部材は、
カセット本体の上面より上方に突出しており、スライド板16の操作によりカセット
本体内に収納された状態と、カセット上面より突出した状態を取り得るから、カセ
ット本体の上面に対して「突没自在に設けられ」ているといえる。また、係合部材
は、フィルム巻上げ軸とは、下方よりばねによる付勢を受けて係合するものであ
り、「フィルム巻上げ軸と弾性的に係合する」といえる。
     被告製品の係合部材は、四つの突起部4からなり、この係合部材の個々
の突起部が旋回軸11に一体形成され、さらにこれが四組連結されて係合部を構成す
る。この係合部材を構成する個々の突起部4は、「球面」を構成するものでない
が、構成要件④にいう「半球面部」は、本件明細書記載の実施例では「係合爪部
28」であり、その名称のとおり爪状になっており、それ自体全面的な「球面」とは
なっていない。この部分を「半球面部」と称した意味は、実施例において前記係合
爪部を半球面に係合溝を刻設することにより形成したことに由来するが、この部分
の目的は、カセットをカメラに押し込む力ないしカメラから引き出す力を受けて、
係合部をカセット内に没入させることにある。言い換えれば、巻上げ軸の軸線に対
し横方向の力(軸線に向かう方向)を軸線の方向の力に変えて、付勢ばねの付勢力
に抗して係合部をカセット内に押し込むという機能を有する係合爪部の構造を示す
ものとして「半球面部」といったものである。したがって、「半球面部」というた
めには、完全な「半球面」である必要がないばかりでなく、「半球面」に溝を設け
て製造されたものに限定される必要もなく、フィルム巻上げ軸の軸線に対し横方向
の力を受けて係合爪部をカセット内に没入させるような構造であればよい。被告製
品の突起部4は、係合解除部材(スライド板16)から巻上げ軸の軸線に対し横方向
の力を受けてカセット内に没入するものであるから、本件特許発明にいう「半球面
部」と見ることを妨げない。
     したがって、被告製品は構成要件④を充足する。
(2) 均等の成否について
     被告製品の突起部4が、構成要件④にいう「半球面部」に当たらず、構
成要件④を文言上充足しないとしても、「半球面部」を設けた係合部材に代えて突
起部4からなる係合部材を用いた被告製品は、本件特許発明と均等というべきであ
る。本件において、被告製品が最高裁第三小法廷平成一〇年二月二四日判決(民集
五二巻一号一一三頁)の示す均等の要件を満たすことは、以下のとおりである。
    (ア) 差異の存する部分が本質的部分でないことについて
      本件特許発明にいう「半球面部」の技術的意味は右に述べたとおりで
あり、これに照らせば、本件特許発明においては、係合部材がフィルムカセット装
着方向の力を巻上げ軸方向の力に変える形状であることが本質的な技術的内容であ
って、係合部材の具体的な形状は、本質的なものではない。
    (イ) 作用効果の同一性について
      被告製品は次の作用効果を有する。
     ① カメラにフィルムカセットを装填し、あるいはカメラから取り外す
際に、従来のようにカメラのフィルム巻上げ軸を上下動させる必要がなく、極めて
容易に着脱ができる。
 ② カメラ及びフィルムカセットの構造を簡素化し、小型化を図ること
ができる。
      これらの被告製品が有する作用効果は、本件特許発明の作用効果と全
く同一である。
      また、被告製品の突起部4が本件特許発明の係合部材の半球面部の目
的を達成でき、その作用効果も同一であることは明らかである。すなわち、被告製
品のカメラのフィルム巻上げ軸と係合する突起部4の接触面は、球面のように湾曲
していないので、一見球面のような作用をしないように見えるが、回動しながら没
入する機構と相まって、球面を水平に押して没入させるのと同じ機能を果たしてい
る。被告製品の突起部4はスライド板16から巻上げ軸の軸線に対し横方向の力を受
けてカセット内に没入するものであり、しかも突起部4はスライド板16と接触する
と、徐々に旋回軸11を軸に回動しながら没入していき、この際にスライド板16との
接触角度も徐々に浅くなり、スムーズに突起部4が収納されていく(別紙参考図1
参照)。このことは、本件特許発明の「半球面部」の接触面とカメラの筺体ないし
回動レバーとの接触角度が徐々に浅くなり、係合部材の没入を滑らかにしているこ
とと全く同一である。
(ウ)置換容易性について
      本件特許発明を前提とすれば、本件特許発明において「半球面部」の
効果として、カメラの筺体ないし回動レバーとの接触角度が徐々に浅くなり、これ
によりスムーズな係合部材の没入を達成していることは明らかであるから、これ
を、突起部4とスライド板16との接触角度を徐々に浅くすべく、突起部4を回動さ
せるという被告製品の突起部4の構成をもって置き換えることは、当業者(当該発
明の属する技術の分野における通常の知識を有する者)にとって極めて容易に想到
できるものである。
    (エ) 公知技術からの非容易推考性について
      被告製品の構成が、本件特許の出願当時の公知技術と同一又は当業者
がこれから容易に推考し得るものでないことは、被告自身が被告製品の構成につき
特許出願を行っていることからも、明らかである(これは、本件発明を前提にして
初めて可能になった利用発明である。)。
    (オ) 特別の事情の存否について
      本件特許出願手続において、被告製品の突起部4の構成を、本件特許
発明の特許請求の範囲から意識的に除外したような特別の事情もない。
     以上のとおりであるから、被告製品の構成は、本件特許発明の構成と均
等である。
(3) したがって、被告製品は、本件特許発明の技術的範囲に属し、被告製品
の製造・販売は、本件特許権を侵害する。
 (二) 被告らの主張
   (1) 構成要件④の充足の有無について
     被告製品の係合部材はそれぞれ独立して没入が可能な四個の楔形状をし
たものであるから、被告製品は、本件特許発明の「半球面部を設けた係合部材」を
有さず、構成要件④を充足しない。すなわち、被告製品の係合部材の形状は、四個
の楔形状の突起部4からなり、突起部4のどこにも「球面」と呼び得る面が存しな
いから、「半球面部」に相当する形状を備えていないし、係合部材全体を見ても、
「球面」に相当する形状とはいえない。
(2)均等の成否について
    (ア) 本件特許発明と被告製品とでは、スプールを突没させるための解決
原理が全く異なる。
     すなわち、本件特許発明の願書に添付した図面(以下「本件図面」と
いう。本件公報参照)を見れば明らかなように、本件特許発明では、係合部材の上
面を「半球面」とし、半球面の上方の斜面とカセット収納室の上面7aを形成する
水平面とを当接させて、半球に加わる水平方向の力を垂直方向の力に変換し、その
結果半球面全体を垂直方向に没入させて、右収納室上面7aを通過できるようにす
るものである。
     これに対し、被告製品の係合部材がカセット上面から突没する原理
は、一方向にのみ回転運動をして倒れる楔形状の突起部4と、スライド板16の円形
開口孔15とを利用した方法であり、被告製品は、別紙動作参考図第1図から第4図
に示すとおり、円形開口孔(円孔)15の内周と、楔形状の突起部4の稜線とを当接
させて旋回軸(枠材)11を軸とした回転運動をさせ、個々の突起部4を中心方向に
倒れ込むようにするものである。
    被告製品の係合部材は、別紙物件目録(一)の図7に示したとおり、楔
形状をしており、それぞれの外側端部が旋回軸11の一辺に接続されていて、旋回軸
11を軸とした回転方向の運動のみが可能となっている。係合部材を構成する突起部
4は、旋回軸11の軸方向と垂直方向でかつフィルム巻取り部材の中心方向への力を
受けたときに、突起部4の上部が、フィルム巻取り軸の中心に向かってカセットの
内部に倒れ込む(これ以外の方向の力を受けても倒れない。)。スライド板16に
は、この四個の突起部4を取り囲む円形開口孔15が設けられており、このスライド
板16を前後に摺動させると、円形開口孔15の内周が隣接する個々の突起部4の楔形
状の稜線部分に当接し、個々の突起部4の稜線部分を押圧し、旋回軸11を軸とした
回転運動をさせるように働くので、同図11から同図13に示すように、突起部4の上
部がフィルム巻取り軸の中心に向かってカセットの内部に倒れ込むのである。被告
製品の突起部4は、たまたま楔形状をしているが、その突没原理は、角錘の稜線と
円周の内接による力を利用したものであるから、必ずしも楔形状をしていなくと
も、たとえば四角柱であっても、突没は可能である。被告製品では、突起部4は受
ける力の方向によっては倒れることがなく、また一つの突起部4が倒れても全部が
没入するものでもない。
     このように被告製品では、本件特許発明と異なり、「半球面」を利用
した突没原理を用いていないことは明白である。
      この種の内視鏡用のフィルムカセットにおいて、スプールを突没させ
るための構成は、原告自身が多くの別個の構成を内容とする特許出願をしている。
すなわち、スプールを突没させる構成は、それぞれの出願ごとに異なっており、そ
れらの構成上の特徴によってそれぞれの発明が出願され特許されている。どの出願
を見ても、スプールを突没させるという機能そのものが発明なのではなく、突没さ
せるための具体的な構成が発明の内容となっている。この事実は、本件特許発明に
おいても全く同じであり、スプールを突没させるという機能が発明なのではなく、
そのような機能を達成するための手段として「半球面部」を用いるという具体的構
成こそが、本件特許発明における基本的な技術思想にほかならない。スプールを突
没させるという機能さえあれば、その具体的構成のいかんを問わず本件特許発明の
技術的範囲に包含されるという原告の主張は、誤りである。本件特許発明の「半球
面部」は、文字どおり全体の形状が「半球面」であることにより、平面に接したと
きに、全体が垂直方向に没入する構造であり、「半球面」と水平面との接触によっ
て、スプールを突没させることを基本原理としていることは明白である。「半球面
部」の構成要素は、本件特許発明の技術思想の根幹となる主要な要素であるから、
これと異なる原理によってスプールを突没させる動作を行う被告製品が、本件特許
発明と均等と評価される余地はない。
 (イ) 被告製品は、本件特許発明にない優れた作用効果を奏する。突起部
4がそれぞれ独立して突没可能であるため、カメラに装填する際の抵抗が少なく、
着脱時にカメラの巻上げ軸との係脱が現実に可能である。また、スライド板16と連
動して動作させるようにしてあるので、プルタブをつまんでカメラへの着脱が極め
て容易にできる。
      これに対して、本件特許発明は、机上の発明にすぎないものであっ
て、明細書に開示された技術によっては、現実には、カメラの巻上げ軸と係合部材
の着脱が実際に行われず、カセットを着脱することはできない。すなわち、本件図
面についていえば、カメラのフィルム巻上げ軸の爪と、第1図、第4図に記載され
ている係合爪部28とが、平行に位置している場合に、正規の係合位置に装着しよう
とすれば、係合爪部28の片側が、装填時にカメラの巻上げ軸の一方を乗り越えなけ
れば装着できないことになるが、そのような動作は本件明細書記載の構成では不可
能である。また、仮に何らかの理由で係合爪部28がカメラの巻上げ軸と係合したと
しても、係合爪部はカメラの巻上げ軸と係合しているから、撮影を終了してカセッ
トを取り出す際、そのまま取り出そうとしても、巻上げ軸と爪部が当接していて、
カセットは動かないから、半球面を下方に移動させる力を働かせようがなく、カセ
ット全体を抜き差しすることができない。
      このように、作用効果の面でも、被告製品が実際にカセットを着脱で
きるのに対し、本件特許発明においては、本件明細書に開示された技術では着脱が
不可能であり、両者の作用効果は明白に異なっている。
(3) したがって、被告製品は、構成要件④を充足せず、また、本件特許発明
と均等でもなく、本件特許発明の技術的範囲に属するものでもない。
 2争点2(本件特許発明の無効事由の存否)について
  (一) 被告らの主張 
   前記1(二)(2)で述べたように、本件特許発明は、机上の発明にすぎないも
のであって、実際に本件明細書記載の動作はしない。本件明細書に開示されている
ような構成では、係合爪部28の片側が、装填時にカメラの巻上げ軸の爪が一方を乗
り越えなければ装着できないことになり、またカセットをカメラから取り出すとき
は、係合爪部28が係合状態にあるカメラの爪をくぐり抜けなければ取り出せない
が、そのような動作が不可能であることは明らかである。また、特許請求の範囲第
三項(係合部材は、フィルム巻取り部材と一体的に設けられカセット本体の上面に
突設された弾性変形部材であることを特徴とする特許請求の範囲第一項記載のフィ
ルムカセット。)及び本件図面第6図に示されているゴムや軟質合成樹脂からなる
「弾性変形部材」による係合部材が、どのようにしてカメラのフィルム巻上げ軸の
爪と着脱できるのかも、疑問である。フィルムを巻上げ可能に係合させるには、係
合部材と巻上げ軸の爪がゴムにある程度食い込むことを想定せざるを得ないが、ど
うしたらそのように食い込ませることができるのか、またどうしたらそのように食
い込んだゴムから巻上げ軸の爪を外すことができるのか、技術的に疑問といわざる
を得ない。
    このように本件特許発明は、机上の発明にすぎず、当業者にとって実施が
困難であるか、少なくとも明細書上、当業者が実施可能な程度に記載されていない
ものといわなければならず、無効事由を有する。このように無効事由を有すること
が明らかな特許に基づいて権利行使を行うのは権利の濫用であり、許されない。
(二) 原告の主張
    本件特許発明には、被告ら主張のような無効事由は存在しない。したがっ
て、本件請求について権利濫用をいう被告らの主張は、失当である。
第三 当裁判所の判断
一 争点1(一)(構成要件④の充足の有無)について
  既に述べたとおり、被告製品が構成要件①ないし③を満たすことは当事者間に
争いがない。そこで、被告製品が構成要件④を満たすかどうかが問題となる。
 1 甲二によれば、本件明細書の「発明の詳細な説明」欄には次の記載があるこ
とが認められる。
まず、本件特許発明の目的、効果について、「この発明はたとえば内視鏡用
カメラに使用するフィルムカセットに関する。内視鏡用フィルムのカセットは、ブ
リッジを間にしてフィルム供給部とフィルム巻取り部とから構成されている。そし
て、このフィルムカセットのフィルム巻取り部にはフィルム巻取り用のスプールが
回転自在に収納され、フィルムカセットの上面にはそのスプールと一体の係合爪が
露出している。一方、内視鏡用カメラは、そのカメラ本体の裏側に開閉蓋が枢着さ
れ開閉蓋を開放して、そのカメラ本体内のカセット収納室に上記フィルムカセット
を装填するようになっている。この場合、フィルムカセットをカメラ本体の後側よ
り光軸方向にスライドしてカセット収納室に装填するようになっているため、装填
時のカメラ側のフィルム巻上げ軸とフィルムカセットとの干渉を避けるために上記
フィルム巻上げ軸を上下動可能とし、フィルムカセット装填時はフィルム巻上げ軸
を上方へ退避させ、装填後、下降してフィルムカセットの係合爪と係合させるよう
に構成されている。しかしながら、フィルム巻上げ軸を上下動可能にすることは、
そのストローク分だけカメラ本体の高さ寸法が大きくなり、また、機構的にも複数
化するという欠点がある。また、撮影後、カメラからフィルムカセットを取り出す
場合には上記フィルム巻上げ軸を上方へ退避させながらフィルムカセットを取り出
す必要があり、フィルムカセットの着脱操作が面倒であるという事情がある。この
発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、フィルム巻
取り部を構成するスプールをフィルム巻取り部材とこの上面に設けられたカメラの
フィルム巻上げ軸と係合する係合部材とから形成し、カメラに対するフィルムカセ
ットの着脱操作を容易にすることができ、また、カメラの小型化を図ることができ
るフィルムカセットを提供しようとするものである。」(本件公報3欄16行ないし
4欄9行)、「この発明は以上説明したように、フィルム巻取り部を構成するスプ
ールをフィルム巻取り部材と、このフィルム巻取り部材の上部にカセット本体の上
面より上方へ突出し、上記上面に対して突没自在に設けられカメラのフィルム巻上
げ軸と弾性的に係合する半球面部を設けた係合部材とから構成したから、カメラに
対するフィルムカセットの着脱時にフィルム巻上げ軸を上下動させることなくフィ
ルム巻上げ軸と直交する方向に押し込み、または引き出すことにより容易に着脱す
ることができる。したがって、カメラ及びフィルムカセットの構造が簡素化し、小
形化を図ることができるという効果を奏する。」(同6欄32行ないし44行)との記
載がある。
次に、本件特許発明の実施例につき、カメラのフィルム巻上げ軸と係合する
係合部材の構成の説明として、「係合部材20は下部に鍔部27を有する係合爪部28と
この鍔部27と上記フランジ部25との間に介在された付勢ばね29とから形成されてい
る。そして、この係合爪部28は、上面が半球状をなし、その半球状面に係合溝
28a・・・を刻設することにより形成され、上記付勢ばね29の復元力によって蓋体
15より上方へ突出する方向に付勢されている。」(同5欄18行ないし25行)との記
載があり、フィルムカセットをカメラに装着する手順の説明として、「まず、カメ
ラ本体6の開閉蓋9を開放する。そして、カメラ本体6の開口部7bからカセット
本体1をカセット収納室7に挿入すると、カセット本体1の上面から突出している
係合部材20の係合爪部28はカセット収納室7の上面7aによって押し込まれる。す
なわち、係合爪部28は付勢ばね29を圧縮して上部筒体22内に没入される。そして、
カセット本体1をさらにカセット収納室7に挿入すると、係合爪部28がフィルム巻
上げ軸8に対向し、係合爪部28は付勢ばね29の復元力によって上方へ突出する。し
たがって、係合爪部28はフィルム巻上げ軸8の係合爪8aに係合し、フィルム巻上
げ軸8の回転は係合部材20を介してフィルム巻取り部材19に伝達するため、フィル
ム供給部3内のフィルム5をフィルム巻取り部材19によって巻取り可能となる。」
(同5欄29行ないし6欄1行)、フィルムカセットをカメラから取り外す手順の説
明として、「まず、開閉蓋9を開放し、カセット本体1を手指で摘んで引き出す
と、係合部材20の係合爪部28はその上面が半球状をなしているために係合爪部28は
付勢ばね29を圧縮して上部筒体22内に没入される。したがって、係合爪部28とフィ
ルム巻上げ軸8の爪部8aとの係合は解除され、フィルム収納室7からカセット本
体1を取り出すことができる。」(同6欄3行ないし11行)との記載がある。
   また、他の実施例として、フィルムカセットの蓋体15に回動レバー30を枢着
し、この回動レバー30の操作部31を操作して他端の押え部32を係合爪部28に対向さ
せることにより、係合爪部28を付勢ばね29の復元力に抗して没入させ、押え部32を
係合爪部28から退避させることにより係合爪部28を突出させる構成のものも記載さ
れている(同6欄12行ないし25行、第5図)。
 2 構成要件④は、係合部材に、カセット本体の上面より上方へ突出し、上面に
対して突没自在に設けられたカメラのフィルム巻上げ軸と弾性的に係合する半球面
部が設けられていることを、内容とするものである。本件明細書の「発明の詳細な
説明」欄における前記の各記載に照らせば、右構成は、付勢ばね等を用いた弾性的
係合と相まって、フィルムカセットのカメラへの挿入の際に、半球面の上部球面部
分をカメラ本体のカセット収納室の上面の縁部(又はフィルムカセットの蓋体に枢
着された回転レバーの押さえ部の縁。以下、同じ。)と当接させることで、カセッ
ト本体をカメラに挿入する方向の力すなわち巻上げ軸と直交する方向の力(水平方
向の力)を、巻上げ軸の軸線方向の力(垂直方向の力)に変容させることにより、
付勢ばね等の弾性に抗して付勢ばね等を圧縮し、係合部材をカセット本体の筒体内
に没入させることで、フィルムカセット本体のカメラへの挿入を容易にし、また、
フィルムカセットのカメラからの取り外しの際にも、同様の動作によりフィルムカ
セット本体のカメラからの取り外しを容易にするものであって、構成要件④にいう
「半球面部」は、文字どおりの完全な半球面でなくても、実施例における係合爪部
28のような「半球状面に係合溝を刻設することにより形成され」るもの(本件公報
5欄22行ないし23行)も含まれるが、係合部上部を包む面が半球状をなし、カメラ
本体のカセット収納室の上面の縁部と当接する部分が半球面の上部球面と同様の形
状をなしている必要があるものというべきである。
 3 他方、被告製品の構成は別紙物件目録(一)記載のとおりであるところ、前
記争いのない事実及び証拠(検乙一、二)によれば、被告製品においては、フィル
ムカセットのスプールの上端に、カメラのフィルム巻上げ軸と係合する部材が存す
るが、右部材の形状は、同目録(一)図7に示したとおりの四個の楔形状の突起部
4からなっているものであって、これらの突起部の形状が半球面部に該当するもの
とは到底いえないし、また、右四個の楔形状の突起部4からなる係合部材の上端な
いし外縁を包む面を考えても、それが半球面部といえるようなものではない(同図
3参照)。
   したがって、被告製品は、構成要件④にいう「半球面部」を備えるものでは
なく、構成要件④を充足しない。
 4 原告は、構成要件④にいう「半球面部」につき、完全な半球面や半球面に溝
を設けたものに限られず、フィルム巻上げ軸と直交する方向の力を受けて係合爪部
をカセット内に没入させるような構造であれば足りると主張するが、右主張は、明
細書の特許請求の範囲の記載を離れて特許発明の技術的範囲を論ずるものであっ
て、到底採用することができない。
二 争点1(二)(均等の成否)について
 1 特許請求の範囲に記載された構成中に他人が製造等をする製品(以下「対象
製品」という。)と異なる部分が存する場合であっても、(1) 右部分が特許発明の
本質的部分ではなく、(2) 右部分を対象製品におけるものと置き換えても、特許発
明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであって、(3) 右のよ
うに置き換えることに、当業者が、対象製品の製造等の時点において容易に想到す
ることができたものであり、(4) 対象製品が、特許発明の特許出願時における公知
技術と同一又は当業者がこれから右出願時に容易に推考できたものではなく、か
つ、(5) 対象製品が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に
除外されたものに当たるなどの特段の事情もないときは、右対象製品は、特許請求
の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するもの
と解するのが相当である(最高裁平成六年(オ)第一〇八三号同一〇年二月二四日第
三小法廷判決・民集五二巻一号一一三頁参照)。
 2 前記のとおり、本件特許発明においては、係合部材に「半球面部」が設けら
れていることを要する(構成要件④)のに対して、被告製品においては、係合部材
が四個の楔形状の突起部4よりなる点において、相違する。そこで、被告製品が、
右相違部分の存在にもかかわらず、被告製品が、本件明細書の特許請求の範囲に記
載された構成と均等なものとして、本件特許発明の技術的範囲に属するということ
ができるかどうかを、検討する。
  (一) 置換可能性について
 前記のとおり、本件特許発明は、構成要件①ないし④の構成を採用するこ
とで、フィルムカセットをカメラに着脱する際に、フィルム巻上げ軸を上下動させ
ることなくフィルム巻上げ軸と直交する方向に押し込み、又は引き出すことにより
容易に着脱することを可能とし、かつ、カメラ及びフィルムカセットの構造を簡素
化し、小型化を図ることができるという効果を奏するものである。
    被告製品においても、四個の楔形状の突起部4よりなる係合部材を含む構
成により、フィルムカセットをカメラに着脱する際に、フィルム巻き上げ軸を上下
動させることなくフィルム巻き上げ軸と直交する方向に押し込み、又は引き出すこ
とが可能となっているものであるから、本件特許発明における「半球面部」が設け
られた係合部材を被告製品における四個の楔形状の突起部4よりなる係合部材と置
き換えても、本件特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するも
のということができる。
  (二) 特許発明の本質的部分について
   (1) 前記のとおり、均等が成立するためには、特許請求の範囲に記載された
構成中の対象製品と異なる部分が特許発明の本質的部分ではないことを要するが、
右にいう特許発明の本質的部分とは、特許請求の範囲に記載された特許発明の構成
のうちで、当該特許発明特有の課題解決手段を基礎付ける特徴的な部分、言い換え
れば、右部分が他の構成に置き換えられるならば、全体として当該特許発明の技術
的思想とは別個のものと評価されるような部分をいうものと解するのが相当であ
る。すなわち、特許法が保護しようとする発明の実質的価値は、従来技術では達成
し得なかった技術的課題の解決を実現するための、従来技術に見られない特有の技
術的思想に基づく解決手段を、具体的な構成をもって社会に開示した点にあるか
ら、明細書の特許請求の範囲に記載された構成のうち、当該特許発明特有の解決手
段を基礎付ける技術的思想の中核をなす特徴的部分が特許発明における本質的部分
であると理解すべきであり、対象製品がそのような本質的部分において特許発明の
構成と異なれば、もはや特許発明の実質的価値は及ばず、特許発明の構成と均等と
いうことはできないと解するのが相当である。
そして、発明が各構成要件の有機的な結合により特定の作用効果を奏す
るものであることに照らせば、対象製品との相違が特許発明における本質的部分に
係るものであるかどうかを判断するに当たっては、単に特許請求の範囲に記載され
た構成の一部を形式的に取り出すのではなく、特許発明を先行技術と対比して課題
の解決手段における特徴的原理を確定した上で、対象製品の備える解決手段が特許
発明における解決手段の原理と実質的に同一の原理に属するものか、それともこれ
とは異なる原理に属するものかという点から、判断すべきものというべきである。
   (2) これを本件についてみるに、前記のとおり、本件特許発明は、係合部材
に、カセット本体の上面より上方へ突出し、上面に対して突没自在に設けられたカ
メラのフィルム巻上げ軸と弾性的に係合する半球面部が設けられているという構成
を採用するものであるが、右構成は、付勢ばね等を用いた弾性的係合と相まって、
フィルムカセットのカメラへの挿入の際に、半球面の上部球面部分をカメラ本体の
カセット収納室の上面の縁部と当接させることで、カセット本体をカメラに挿入す
る方向の力すなわち巻上げ軸と直交する方向の力(水平方向の力)を、巻上げ軸の
軸線方向の力(垂直方向の力)に変容させることにより、付勢ばね等の弾性に抗し
て付勢ばね等を圧縮し、係合部材全体をカセット本体の筒体内に没入させることを
可能とするものである。
     すなわち、本件特許発明は、フィルムカセットの着脱操作の容易化とカ
メラ及びフィルムカセットの構造の簡素化、小型化のために、カメラに着脱する際
に、フィルム巻上げ軸を上下動させることなくフィルム巻上げ軸と直交する方向に
押し込み、又は引き出すことが可能なフィルムカセットを提供することを目的とす
るものであるところ、カセット収納室の上面の縁部と当接する係合部材の上部に、
弾性的に突没自在の半球面部を設けるという具体的な構成を採用することにより、
半球面という形状の特性により、カセット着脱時における係合部材のカセット本体
筒体内への没入を実現したものである。右によれば、半球面という形状を含めた係
合部材の具体的構成は、本件特許発明特有の解決原理として、本件特許発明の本質
的部分をなすものというべきである。
     他方、被告製品においても、係合部材をカセット本体の筒体内に没入さ
せることが可能となっているが、これは、係合部材を構成する四個の楔形状の突起
部4が傾倒自在となっていることによる。すなわち、前記争いのない事実及び証拠
(検乙一、二)によれば、係合部材を構成する各楔形状の突起部4は、それぞれの
外側端部が旋回軸11の一辺に接続されていて、旋回軸11を軸とした回転方向の運動
のみが可能となっており、旋回軸11の軸方向と垂直方向でかつフィルム巻取り部材
の中心方向への力を受けたときに、突起部4の上部が、フィルム巻上げ軸の中心に
向かってカセットの内部に倒れ込む。そして、スライド板16には、この四個の突起
部4を取り囲む円形開口孔15が設けられており、このスライド板16を前後に摺動さ
せると、円形開口孔15の内周が隣接する個々の突起部4の楔形状の稜線部分に当接
し、個々の突起部材の稜線部分を押圧し、旋回軸11を軸とした回転運動をさせるよ
うに働くので、突起部4の上部がフィルム巻上げ軸の中心に向かってカセットの内
部に倒れ込む(別紙物件目録(一)図9ないし13、別紙動作参考図第1図ないし第
4図参照)。このように、被告製品において係合部材をカセット本体の筒体内に没
入させる構造は、本件特許発明におけるような、カセット収納室の上面の縁部と当
接する係合部材の上部の形状を介してカセット本体をカメラに挿入する水平方向の
力を垂直方向の力に変容させることによるものではなく、係合部材を構成する楔形
状の突起部4がそれぞれ回転して傾倒することによるものである。
     右によれば、被告製品は、カセット着脱時における係合部材のカセット
本体筒体内への没入を実現するために、回転運動により傾倒自在な四個の楔形状の
突起部4よりなる係合部材という具体的構成を採用したものであって、被告製品の
右構成は、本件特許発明と同一の解決原理に属するものということはできない。
     したがって、本件発明における半球面部を設けた係合部材に代えて四個
の楔形状の突起部4よりなる係合部材を用いることは、本件特許発明の本質的部分
において相違するというべきであるから、均等の成立を認めることはできない。
   (3) この点につき、原告が主張するのは、本件特許発明の本質的部分は、係
合部材の形状によりフィルムカセット装着方向の力を巻上げ軸方向の力に変えるこ
とにあり、係合部材の具体的形状は本質的なものではないというものである。しか
し、係合部材の形状がフィルムカセット装着方向の力を巻上げ軸方向の力に変える
効果を奏するものであるということは、カセット着脱時における係合部材のカセッ
ト本体筒体内への没入を実現するために係合部材が奏すべき機能ないし作用効果そ
のものであって、本件特許発明の目的及び効果を達成するために部材が備えるべき
具体的な構成ではない。本件特許発明においては、本件明細書の特許請求の範囲に
「半球面部を設けた係合部材」という具体的構成が記載されているところ、本件明
細書や本件図面において、前記効果を奏するための具体的技術内容として、他の形
状の係合部材を用い得ることは一切記載されておらず、「半球面部」を設けた係合
部材の具体的構成は、本件特許発明の目的及び効果を達成するための技術内容とし
て唯一開示されているものであるから、係合部材の右構成は本件特許発明の本質的
部分を構成するものというべきである。原告の右主張は、採用できない。
 (三) 置換容易性について
    また、本件においては、本件特許発明における半球面部を設けた係合部材
に代えて四個の楔形状の突起部よりなる係合部材を用いることが、被告製品の製造
が開始された時点において、当業者が容易に想到することができたものであると認
めるに足りる証拠はない。
 原告は、本件特許発明を前提とすれば、右のように本件特許発明の構成の
一部を置き換えることは、当業者にとって極めて容易であると主張するが、被告製
品の楔形状の突起部4のような構成を具体的に開示した技術文献が、被告製品の製
造開始時に存在したことを認めるに足りる証拠は、提出されていない。
    したがって、この点からいっても、本件において均等の成立を認めること
はできない。
 3 右のとおり、本件において、被告製品が本件明細書の特許請求の範囲に記載
された構成と均等なものとして、本件特許発明の技術的範囲に属するということは
できない。
三 以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求は、いず
れも理由がないから、棄却すべきものである。
  よって、主文のとおり、判決する。
(口頭弁論終結の日 平成一二年六月二六日)
 東京地方裁判所民事第四六部
  裁判長裁判官三 村 量 一
    裁判官村 越 啓 悦
    裁判官中 吉 徹 郎
物件目録(一)  図1~13
物件目録(二)  図1~13
動作参考図
  第1図 第2図 第3図 第4図
参考図1

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