弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1相手方が平成19年6月12日付けで申立人の審査請求を棄却する
裁決をした第二東京弁護士会による業務停止3月の懲戒処分は,本案
判決が確定するまでその効力を停止する。
2申立費用は相手方の負担とする。
理由
第1申立の趣旨
主文同旨
第2事案の概要
1疎明資料によれば,次の事実を認めることができる。
(1)申立人は第二東京弁護士会に所属する弁護士であるが,同弁護士会懲戒
委員会は,平成18年10月13日付けで,申立人には旧弁護士倫理31条
に反する非行に該当する事由があるとして,申立人を業務停止3月の懲戒処
分をするのが相当であるとの議決をし,同弁護士会は,この議決に基づき,
(「」。),申立人を業務停止3月の懲戒処分以下本件懲戒処分というに付し
同年11月7日にこれを申立人に告知した。
(2)これに対し,申立人が相手方に対し審査請求をしたところ,相手方は,
,,日本弁護士連合会懲戒委員会の議決に基づき平成19年6月12日付けで
審査請求を棄却する裁決をした(以下「本件裁決」という。。)
2申立人は,本件裁決が違法であると主張して,当裁判所に裁決取消しの訴え
を提起するとともに,本件懲戒処分の効力の停止を求めて,執行停止の申立て
をした。申立人が「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」と主張する理
由は,次のとおりである。
(1)業務停止3月の懲戒処分を受けると,法律顧問契約及び個々の訴訟案件
に関する依頼者との間の委任契約を解除し,その係属する裁判所や検察庁に
対して辞任手続をすることを強いられ,その結果,業務停止の懲戒処分を受
けたことは必然的に第三者の知るところとなり,弁護士としての社会的信用
は直ちに低下し,処分が続行されることにより,その社会的信用の低下の程
度が幾何学的に増加する。本案訴訟で勝訴しても,従前の社会的信用を完全
に回復することは困難であり,その損害を金銭賠償で完全に補填することも
困難である。しかも,業務停止3月の懲戒処分は,申立人が業務上横領等の
犯罪を敢行したことを連想させる処分であり,喪失する社会的信用の程度は
極めて高い。
(2)申立人は,現在52歳であり,妻,3人の子及び実母と世帯を構成して
いるところ,家族は専ら申立人の弁護士業務による収入で生活しており,本
件裁決により,業務が3か月停止されれば,申立人一家の生活が困窮するこ
とは確実である。
(3)申立人は,多数の訴訟案件・交渉案件等を受任しており,訴訟案件の多
,,くは書証が膨大で進行状況が人証調べ直前の状況にあるものが少なくなく
他の弁護士に案件を引き継ぐことが著しく困難である。他の弁護士が事案を
,。未消化のまま事件を進行させれば依頼者は重大な損害を受けることになる
第3当裁判所の判断
1本件懲戒処分の効力を停止することにつき,行政事件訴訟法25条2項の規
定する「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」といえるかどうか判断す
る。
相手方は「被懲戒弁護士の業務停止期間中における業務規制等について弁,
護士会及び日本弁護士連合会のとるべき措置に関する基準(平成4年1月1」
7日理事会議決,以下「措置基準」という)において,弁護士会等が,懲戒。
処分の告知に当たっては,被懲戒弁護士に対し,①業務の停止期間が1か月以
内であって依頼者が委任契約の継続を求めている場合を除き,受任している法
律事件につき,係属の前後を問わず,依頼者との委任契約を解除しなければな
,,らず委任契約を解除した法律事件について解除後直ちにその係属する裁判所
検察庁及び行政庁に対し辞任の手続をしなければならないこと,②依頼者との
顧問契約を直ちに解除しなければならないこと,などの規制措置について説明
し,その遵守を説示しなければならない旨定めている。
本件懲戒処分の内容は業務停止3月であって,本件懲戒処分を受けた申立人
は,相手方の定めた措置基準に従い,依頼者が委任契約等の継続を求めている
場合であっても,依頼者との委任契約の解除,訴訟代理人等の辞任手続,顧問
契約の解除を行わなければならないのであって,これにより,申立人の弁護士
としての社会的信用が低下し,それまでに培われた依頼者との業務上の信頼関
係も損なわれる事態が生じると認められる。そして,このような依頼者との委
任契約の解除等によって生じる弁護士としての社会的信用の低下,業務上の信
頼関係の毀損は,業務停止という本件懲戒処分によって生じる申立人自身の被
る損害であり,その損害の性質から,本案で勝訴しても完全に回復することは
,,。困難でありまた損害を金銭賠償によって完全に補填することも困難である
このような損害の性質に加え,疎明資料によれば申立人が業務停止期間中に
期日が指定されているものだけで31件の訴訟案件を受任していると認められ
ることから推認できる申立人が被る損害の程度を勘案すれば,一旦生じた損害
の回復は困難で,本件懲戒処分によって申立人に重大な損害が生じると認めら
れる。
そうすると,本件懲戒処分の効力を停止することにつき,重大な損害を避け
るために緊急の必要があるというべきである。
2本案訴訟は,平成19年6月28日に提起され,被告たる相手方から答弁書
も提出されておらず,懲戒事由の存在を認めた本件裁決の認定に事実の基礎を
欠く違法があるかどうか,懲戒事由が認められる場合に懲戒するか否か,懲戒
するとしてどのような処分を選択するかについて,社会通念上著しく妥当性を
欠き,裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたと認められるかどうか
について,立証がなされていない段階であって,現時点において,本案につい
て理由がないとみえるとまでは断じることはできない。また,執行停止により
公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれについての主張及び疎明はない。
3よって,本件申立ては理由があるからこれを認容することとし,主文のとお
り決定する。
平成19年7月19日
東京高等裁判所第4特別部
裁判長裁判官小林克已
裁判官綿引万里子
裁判官中村愼

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