弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2(1)処分行政庁が平成19年6月27日付けで控訴人に対してした,控訴人
の平成16年1月1日から同年12月31日までの事業年度の法人税の更正
処分のうち所得金額1億0978万8737円,納付すべき税額2333万
6200円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取り
消す。
(2)処分行政庁が平成19年6月27日付けで控訴人に対してした,控訴人
の平成17年1月1日から同年12月31日までの事業年度の法人税の更正
処分のうち所得金額6819万0506円,納付すべき税額1085万69
00円を超える部分及び過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
3裁決行政庁が平成20年3月11日付けで控訴人に対してした,上記各更正
処分及び各過少申告加算税賦課決定処分に対する審査請求をいずれも棄却する
旨の裁決を取り消す。
4訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
第2事案の概要
原判決の「事実及び理由」第2の冒頭に記載のとおりで1本件事案の概要は,
あるから,これを引用する。
原審は控訴人の本訴請求はいずれも理由がないとして棄却したので,控訴人
がこれを不服として控訴した。
,2法令等の概要,争いのない事実等,争点及びこれに関する当事者の主張は
原判決の「事実及び理由」第2の1ないし4に記載のとおりであるから,これ
を引用する。
第3当裁判所の判断
1当裁判所も,その理由控訴人の本訴請求はいずれも理由がないと判断する。
は,次のとおり付加訂正するほか,原判決の理由説示(「事実及び理由」第3
)のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決11頁11行目の「配当等」から12行目末尾までを「株式等の
取得のために要した負債の利子については,形式的には損金に算入しつつ,
その金額を受取配当等の益金不算入額から控除することにより,実質的には
これを損金に算入しないこととしたものと解される。すなわち,これらの制
度の実質は,受取配当等は全額益金に算入しないこととするとともに,本来
はすべて損金に算入すべきでない株式等の取得に要した負債の利子について,
上記益金不算入額を限度として損金に算入しないことにある。」と改め,2
6行目の「しかし」の次に「,上記のとおり,これらの制度の実質は,受取
配当等の全額を益金に算入しないものとみるべきであるから,控訴人の上記
主張は,制度の実質を理解しないものであり,その前提を欠くものといわざ
るを得ない。また」を加える。
(2)原判決13頁20行目の「無配期間に」から22行目の「のであるから
」までを「株式等の取得のために要した負債の利子は,当該株式等から配当
等を得るための費用であって当該配当等に法人税が課税されないことからす
ると,法人税が課税される収益のための費用とは認められないのであり,当
該年度において株式等から配当があったか否かにかかわらず損金に算入すべ
きものではない。仮に」と改める。
2よって,原判決は相当であり本件控訴は理由がないから棄却することとし,
主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第10民事部
裁判長裁判官園尾隆司
裁判官藤山雅行
裁判官藤下健

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