弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人色川幸太郎、同川島武宜、同宮川種一郎、同松本保三、同松井一彦、
同中根宏、同中川徹也、同猪熊重二、同桐ケ谷章、同八尋頼雄、同福島啓充、同宮
山雅行、同若旅一夫、同千葉隆一、同吉田麻臣、同松村光晃、同漆原良夫、同小林
芳夫、同石井次治、同竹内美佐夫、同大口善徳の上告理由について
 上告人らの請求は、上告人らが、本件各建物の所有権に基づき、それぞれ被上告
人らに対し、その明渡しを求めるものであるが、原審は、要するに、上告人らの包
括宗教法人であるDが被上告人らに対してした懲戒処分(以下「本件処分」という。)
の効力の有無が本件請求の当否を決する前提問題となっており、その効力の有無が
本件紛争の本質的な争点となっているとともに、その効力についての判断が本件訴
訟の帰すうを決するものであるところ、右の点の判断をするためには、本件処分に
おける懲戒事由の存否及び懲戒権限の有無等を審理する必要があり、かつ、それは
Dの教義ないし信仰の内容に深くかかわるものであるから、結局、右宗教上の問題
に立ち入らないで争点の核心につき審理、判断することができないとし、最高裁昭
和六一年(オ)第九四三号平成元年九月八日第二小法廷判決・民集四三巻八号八八
九頁に従い、上告人らの訴えは、その実質において、裁判所法三条にいう「法律上
の争訟」に該当しないとして、これを却下している。
 所論は、原審の右の判断の違憲、違法をいうが、本件記録によって認められる上
告人らが本件訴訟を提起するに至った本件紛争の経緯及び当事者双方の主張並びに
本件訴訟の経過に照らせば、本件訴訟の争点を判断するには、宗教上の教義ないし
信仰の内容について一定の評価をすることを避けることができないことは否定し得
ないのであるから、本件事案の下において上告人らの訴えを却下すべきものとした
原審の判断は是認することができる。原判決に所論の違法はなく、右違法のあるこ
とを前提とする所論違憲の主張も失当である。論旨は採用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官佐藤庄市郎、
同大野正男の反対意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す
る。
 裁判官佐藤庄市郎、同大野正男の反対意見は、次のとおりである。
 宗教団体における宗教上の教義、信仰にかかわる事項については、裁判所がこれ
を審理、判断することは許されず、また同様に、具体的な権利義務ないし法律関係
の紛争の解決を求める訴訟においても、宗教団体における宗教上の教義、信仰にか
かわる事項についての判断がその前提問題として避けられない場合に、これについ
て審理、判断することは許されないというべきである。しかし、そのことから、直
ちに当該訴訟それ自体が裁判所法三条にいう「法律上の争訟」に該当しないという
ことはできず、この場合には、当該事項についての宗教団体の自律的な決定を尊重
するなどして請求の当否を判断すべきものと解するのが相当である。
 これを本件についてみるのに、上告人らが被上告人らに対して本件各建物の明渡
しを求める本件訴えは、具体的な権利義務ないし法律関係の紛争の解決を求める訴
訟であるから、法律上の争訟性を欠くものではなく、本件処分の効力の有無が右請
求の当否を決する前提問題になっているとしても、裁判所としては、本件処分がD
の自律的な決定によるものであるか否かを審理、判断し、それがDの自律的な決定
によるものと認められるときには、これを尊重して請求の当否を判断すべきもので
ある。もっとも、本件記録に照らせば、本件は、原審の引用する当裁判所第二小法
廷平成元年九月八日判決の事案と社会的には同一視し得る一連の紛争の過程で生じ
た紛争の一つと見ることもできるのであって、この見地から考えると、右の判例に
従って上告人らの訴えを却下した原審の判断には無理からぬものがあるともいい得
るが、これが国民の裁判を受ける権利に係る問題である点を考慮すると、本件事案
に限って原審の判断を是認するというのは困難である。
 以上説示したところに従い、原判決を破棄し、更に審理を尽くさせるため、本件
を原審に差し戻すのが相当である。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    佐   藤   庄 市 郎
            裁判官    貞   家   克   己
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄
            裁判官    大   野   正   男

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