弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人中村公男の上告趣意第一点について。
 記録によれば、被告人は、昭和二五年一〇月四日の原審第一回公判期日には適法
な召喚状の送達(同年五月一三日)を受けながら同年九月二九日附A市民病院医師
Bの「病名第二期梅毒、右疾患のため当分安静加療を要する」旨の診断書を添付し
病気の為出廷し難いから期日を変更せられたい旨の同日附(受附翌月二日)期日変
更申請書を提出して右期日に出頭せず、更に定められた同年一一月一〇日の公判期
日にも適法な召喚状の送達(同年一〇月一四日)を受けながら同年一一月六日附医
師Cの「病名潜伏性第二期梅毒症、右病状甚しきにより二ケ月間の休養を要する」
旨の診断書を添付し前同様病気の為出廷し難いから期日を変更せられたい旨の翌七
日附(受附翌八日)期日変更申請書を提出したのみで右期日に出頭しなかつたとこ
ろ、原審裁判所は被告人の該期日の不出頭は正当の事由がないものと認めて其の陳
述をきかないで審理を遂げ弁論を終結し、判決言渡期日は同年同月一七日と定めら
れ同期日の召喚状も被告人に適法に送達(同月一二日)せられたのであるが、被告
人より同月一四日附(受附翌一五日)弁護人選任届が提出せられ、同弁護人より同
一四日附前記医師Cの「病名第二期梅毒による関節痛、右により当分の間静養を要
するものと認む」旨の診断書を添付し前回の期日には歩行困難のため出頭できなか
つた旨を申し添えた翌一五日附(受附同日)弁護再開申立書が提出せられ、右言渡
期日には被告人は出頭しなかつたが弁護人は出頭し該言渡期日は変更せられて同月
二七日と定められその召喚状も適法に被告人に送達せられたけれども同期日にも被
告人は出頭せず弁護人のみ出頭して判決言渡がなされているのである。しかして被
告人は本件当初勾留せられていたのであるが、一審において昭和二三年一二月三日
附医師Dの「尿道淋疾、硬性下疳、急性胃炎により加療中引続き治療を要する」旨
の診断書を添付して保釈を申請し同月四日制限住居をA市民病院と定めた保釈決定
により釈放せられた後同年同月一五日には住居を自宅に変更する許可を受け爾後昭
和二四年五月三一日の一審判決言渡期日に至るまで各公判期日に出頭していた者で
ある。
 以上の経過によると、被告人は、前記原審再度の期日にも予め右期日に出廷不能
である特段の具体的事由を具申することもなく、その期日の直前に至つて単に従前
どおり潜伏性第二期梅毒により二ケ月間の休養を要する旨の医師の診断書を添付し
て病気のため出廷し難いから期日を変更せられたい旨を反覆し公判期日の変更を申
請したにすぎないのであつて、これに前記その前後の事情を合せ考えれば原審裁判
所が右被告人の期日変更申請を容れないで被告人は正当の事由なく出頭しないもの
と認めたことは相当といわなければならない。しかしてかかる場合被告人不出頭の
まま審理判決し得ることは旧刑訴四〇四条の定めるところであり右規定は所論同法
四一〇条八号にいわゆる「別段ノ規定アル場合」にあたるのであるから原判決には
所論の違法はないのある。それ故論旨は採用できない。
 同第二点及び第三点について。
 所論は結局事実誤認及び量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴応急措置法一三
条二項により上告適法の理由にならない。
 よつて刑訴施行法二条旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員一致の意見である。
 検察官 松本武裕関与
  昭和二六年六月二九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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