弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人を懲役1年6か月に処する。
未決勾留日数中60日をその刑に算入する。
横浜地方検察庁で保管中の覚せい剤3袋(同庁平成13年領第2328号符号1か
ら3まで)を没収する。
理由
(犯罪事実)
 被告人は,みだりに,営利の目的で,平成13年6月18日,神奈川県大和市(以
下略)の被告人方において,覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩酸塩
約0.991グラム(横浜地方検察庁で保管中の覚せい剤3袋(同庁平成13年領
第2328号符号1から3まで)は,その鑑定残量である。)を所持した。
(法令の適用)
被告人の判示行為は覚せい剤取締法41条の2第2項,1項に該当するので,所
定刑中懲役刑を選択し,その所定刑期の範囲内で被告人を懲役1年6か月に処し,
刑法21条を適用して未決勾留日数中60日をその刑に算入することとし,横浜地
方検察庁で保管中の覚せい剤3袋(同庁平成13年領第2328号符号1から3ま
で)は,判示の罪に係る覚せい剤で犯人が所持した物であるから,覚せい剤取締法
41条の8第1項本文によりこれを没収することとする。
(量刑の事情)
本件は,覚せい剤の営利目的所持の事案であるところ,被告人は,パチンコ店や
ポーカーゲーム店に出入りするうち,覚せい剤の密売人と知り合い,当時は仕事も
なかったことから,金欲しさにその誘いに乗って安易に覚せい剤の密売を始め,密
売を繰り返す中で本件犯行に及んだというのであって,犯行に至る経緯や動機に酌
むべき事情はまったくないこと,暴力団構成員から覚せい剤を仕入れてはこれを密
売することを繰り返しており,暴力団組織による覚せい剤の密売の一端を担ってい
たものと評すべく,また,密売が常習化しつつあったこともうかがえるところであ
って,態様もはなはだ悪質であること,犯行の動機,態様等について一部不合理な
供述をしていることや,芳しくないその交友関係,生活状況等に徴すると,再犯の
おそれも否定できないこと,被告人の犯行は,利欲のために覚せい剤の害悪を社会
に積極的に拡散するにとどまらず,密売による不法な利益を暴力団組織等に資金と
して提供するものであることは周知のところであって,反社会性も非常に強い犯行
というべきであることなどの事情に照らすと,被告人の刑事責任には重いものがあ
るといわなければならない。
したがって,所持していた覚せい剤は1グラム足らずと少量であること,被告人
自身は暴力団構成員ではなく,末端の密売人であるところ,密売をしていた期間も
さほど長くはなく,それにより得た利益も多くはないことがうかがわれること,被
告人の父親が証人として出廷し,今後の被告人に対する監督を約束していること,
平成12年3月ころに無職状態となるまでは継続して働いており,前科前歴はまっ
たくないこと,被告人は,営利目的を含め本件犯行自体はこれを認めて深く反省し
ており,今後は,まじめに仕事をし,交友関係も改めて二度と罪を犯さないことを
誓っていることなどの被告人に有利な事情をできる限り考慮しても,刑の執行を猶
予することは考えられず,本件については,被告人を懲役1年6か月の実刑に処す
るのが相当である。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑 懲役2年及び覚せい剤没収)
平成13年10月19日
横浜地方裁判所第三刑事部
     裁判長裁判官    志   田       洋
   裁判官 小   林   康   男
   裁判官    佐   竹   真   紀

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