弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
   被告人を罰金40万円に処する。
   その罰金を完納することができないときは,金5000円を1日に換算した
期間被告人を労役場に留置する。
   訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
 被告人は,業務として普通貨物自動車を運転し,平成14年6月5日午後9時5
2分ころ,被告人の田圃に通じる西側路外施設から兵庫県a市b町cd番地先の道
路に進出し,北方に向かい左折進行するに当たり,同路外施設から同道路に進出す
る直前で一時停止し,同道路を南から北に向け進行してくる車両の有無及びその安
全を確認しつつ左折進行すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り,一時停止
はしたものの,同道路を南から北に向け進行してくる車両の有無及びその安全確認
不十分のまま,時速約5ないし6キロメートルで左折進行した過失により,折か
ら,同道路を南から北に向け進行してきたA(当時27歳)運転の普通乗用自動車
左側部に自車右前角を衝突させ,よって,同人に加療約2週間を要する頚椎捻挫,
左肩捻挫,腰椎捻挫の
傷害を負わせたものである。
(証拠の標目)―括弧内の数字は証拠等関係カード記載の検察官請求証拠番号―
省略
(補足説明)
 被告人は,本件事故につき落ち度は一切ないから無罪である旨主張し,弁護人も
概ね同旨の主張をするところ,当裁判所は,関係各証拠によれば判示事実は優に認
められると判断したのであるが,その理由を若干補足する。
 Aの検察官に対する供述調書(検察官証拠請求番号12)によれば,Aは普通乗
用自動車(以下「被害車両」という。)を運転して本件事故現場付近道路(片側1
車線。1車線約2.8メートル幅の県道神戸社線)を南から北に向け時速約60キ
ロメートルで進行中,前方約50.7メートルの同道路に通じる西側路外施設(約
2.5メートル幅の橋)で被告人運転の普通貨物自動車(以下「被告人車両」とい
う。)が停止しているのを認め,そのまま進行を続けたところ,その前方約34.
5メートルの地点で被告人車両が時速約5ないし6キロメートルで道路に左折進出
してくるのを認め,危険を感じ,ハンドルを右に切るとともに急制動の措置をとっ
たが間に合わず,そのまま道路中央線にかかる付近まで進出してきた被告人車両の
右前部に被害車両左
側部が衝突した旨供述するところ,その供述は,現場に残された痕跡その他の客観
的状況にも符合する内容であって,その信用性は十分である。
 これに対し,被告人は,被告人車両を運転し,路外施設から同道路に進出する直
前で一時停止し,十分に安全を確認してから道路に進出し,約2メートル進んだ同
道路上で右方(南)約150ないし200メートルの同道路上を高速度(約100
ないし120キロメートル)で進行してくる被害車両を認め,危険を感じて停車し
ていたところ,被害車両が衝突してきたものである旨供述するのであるが,そもそ
も,約150ないし200メートル南方に被害車両を認め,危険を感じたとして,
衝突するまでの間,同所で停止していたとするその供述は,その内容自体が極めて
不自然不合理なものであって信用しがたく,また,被害車両が約100ないし12
0キロメートルもの高速度で進行してきたとする点も道路状況等に照らし信用しが
たいものであるほか
,前掲関係証拠によれば,前記路外施設と道路の間にはダブルタイヤによる真新し
いスリップ痕が認められるところ,その轍間距離や形状等から同スリップ痕は間違
いなく被告人車両(後輪)のものであると認められ,同スリップ痕は,被告人車両
が左折進行中被害車両に気付いて急制動の措置をとったことを示しているのであっ
て,前記被告人の供述は,現場に残された痕跡等の客観的状況からもこれを優に排
斥できる。
 以上のとおり,Aの前記供述調書の信用性は十分であり,その他前掲関係証拠に
より認められる本件事故状況に照らすと,判示事実を認めるに十分である。弁護人
及び被告人の主張は理由がない。
(法令の適用)
 被告人の判示所為は刑法211条1項前段に該当するところ,所定刑中罰金刑を
選択し,その所定金額の範囲内で被告人を罰金40万円に処し,その罰金を完納す
ることができないときは,刑法18条により金5000円を1日に換算した期間被
告人を労役場に留置し,訴訟費用は,刑事訴訟法181条1項本文によりこれを全
部被告人に負担させることとする。
(量刑の理由)
 本件は,被告人が路外施設から十分な安全確認を怠ったまま被告人車両を道路に
進出させた判示の過失により直進進行中の被害車両に自車を衝突させて被害者に傷
害を負わせた業務上過失傷害の事案であるところ,その過失の内容及び程度,被害
者の傷害の程度のほか,被害者にも全く落ち度のない事案とまではいえないこと,
被告人は事故直後から本件事故態様につき不合理な弁解をして譲らなかったため,
示談は成立しておらず,被害者の被害感情には厳しいものがあること等の事情を総
合考慮して,罰金刑を選択した上,主文のとおり量定した。
よって,主文のとおり判決する。
平成15年3月14日
神戸地方裁判所第11刑事係甲
裁 判 官   杉 森 研 二

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