弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人松岡一章の上告理由について。
 しかし投票管理者または投票立会人が当該選挙の代理投票の補助者となることは、
そのこと自体決して好ましいことではないが、いまだもつて選挙の規定に違反する
ものであるとはいえない。ただ本件におけるが如く、投票管理者が投票立会人の意
見を聞かないで、自己の一存で投票立会人を代理投票の補助者に選任し、自らもそ
の補助者の一人となつて代理投票を行つた場合、もしくはそのため(投票立会人の
意見を聞いてした場合であつても)投票管理者または投票立会人の法定数を欠き、
投票管理者または投票立会人の職務遂行に支障を生ずるような事態が発生した場合
は選挙の規定違反の問題が起るに過ぎない。
 しかるところ、原審の確定したところによれば、本件においては、所論二四個所
の投票所のうち新見市第二投票所を除く二三個所では、投票立会人がそれぞれ代理
投票の補助者となつた事実があるが、投票立会人の意見を聞かずにその補助者に選
任された事実は確認されず、投票管理者が自らその補助者となつて代理投票を行つ
た事実は認められないというのである。
 ただ右第二投票所においては、投票管理者が候補者の長男であつて、しかも投票
立会人の意見を聞かず、自己の一存で投票立会人の一人を代理投票の補助者に選任
して合計一七票の代理投票を行わしめ、自らもその補助者の一人となつて右一七票
のうち六票について代理投票を行つた事実を認めることができ、右の場合、投票管
理者がその職務代理者に現に自己の職務代行を命じなかつたために、その補助事務
に従事中投票管理者の職務執行者を欠いだ形になつたこと、および投票立会人の定
員を補充しなかつたため、その補助事務に従事中投票立会人の法定数を欠いた事実
を認めることができるが、当時同投票所の実情は判示の如き状況であつたため、投
票管理者および投票立会人の職務遂行上特に支障を生ずべき事情は見受けられなか
つたというのであり、その余の所論二三個所においても投票立会人の法定数を欠い
だことにはなつたが、そのために投票監視等の職務遂行上支障を生ぜしめた事実は
認められないというのである。
 かかる事実関係の下において、原判決が右の如き事態はいずれも選挙の規定に違
反するものではあるが、違反の程度は極めて軽微であり、そのために代理投票その
ものの効力に影響を及ぼすことがあるのは格別、当該選挙の結果に異動を及ぼすお
それがなく、当該選挙の全部を無効にしなければならぬわけのものではないと判示
したのは、その確定した事実関係に徴し正当として是認できなくはない(昭和三二
年(オ)七五〇号、同年一一月七日当法廷判決、集一一巻一二号一八八七頁参照)。
 所論はひつきよう原審の専権に属する証拠の取捨判断および事実認定を争いもし
くは原審の判示に副わない事実を前提とし、独自の見解に立つて原判決を非難する
に帰するから採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    高   木   常   七
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛