弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
被告人を禁錮3年に処する。
未決勾留日数中10日をその刑に算入する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,平成29年5月18日午後2時17分頃,中型貨物自動車を運転し,愛知
県一宮市a地内名神高速道路上り線bキロポスト先道路を岐阜羽島インター方面から
一宮インター方面に向かい進行するに当たり,前方左右を注視し,進路の安全を確認し
ながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,左手に持ったスマー
トフォンの画面に表示させた映像に脇見し,前方左右を注視せず,進路の安全確認不十
分のまま漫然時速約80ないし90キロメートルで進行した過失により,折から進路前
方で渋滞停止中のA(当時67歳)運転の普通(軽四)乗用自動車を前方約19.2メ
ートルの地点に認め,急制動等の措置を講じたが間に合わず,同車後部に自車前部を衝
突させ,その衝突により前記A運転車両を前方に押し出して,同車左側面をその前方で
停止中のB(当時49歳)運転の中型貨物自動車右後部に衝突させるとともに,自車前
部を同車後部に衝突させ,更にそれらの衝撃により同車を前方に押し出して,同車前部
をその前方で停止中のC(当時49歳)運転の普通乗用自動車後部に衝突させ,更にそ
の衝撃により同車を前方に押し出して,同車前部をその前方で停止中のD運転の普通乗
用自動車後部に衝突させ,よって,前記Aに加療約1か月間を要する外傷性くも膜下出
血の傷害を,同人運転車両同乗者E(当時90歳)に心破裂の傷害を,同車同乗者F(当
時88歳)に心破裂の傷害を,前記Bに全治約2週間を要する頭部外傷等の傷害を,前
記Cに加療約8日間を要する頚部挫傷等の傷害を,それぞれ負わせ,前記Eを,同日午
後4時21分頃,岐阜県羽島市c町d丁目e番地所在の甲病院において,前記Fを,同
日午後4時21分頃,同病院において,それぞれ前記傷害により死亡させた。
(法令の適用)
罰条各被害者ごとにいずれも自動車の運転により人を死傷さ
せる行為等の処罰に関する法律5条本文
科刑上一罪の処理刑法54条1項前段,10条(1個の行為が5個の罪名に
触れる場合であるところ,被害者2名に対する各過失運転
致死の犯情の間に軽重の差はないから,いずれの犯情が重
いかを特定することなく,1罪として過失運転致死罪の刑
で処断)
刑種の選択禁錮刑を選択
未決勾留日数の算入刑法21条
訴訟費用の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書
(量刑の理由)
被告人は,職業運転手として中型貨物自動車を運転して高速道路上を進行してい
たのであるから,前方左右を注視して進路の安全を確認しながら慎重に進行すべき
であったにもかかわらず,自動車運転者としてごく基本的な前方注視義務を怠った
ばかりか,制限速度を30ないし40キロメートル超える時速約80ないし90キ
ロメートルの高速度で進行しながら,スマートフォンの画面に五秒程度も脇見をし
た結果,渋滞停止中の自動車に被告人運転車両を追突させて本件事故を起こしたも
のであり,被告人の過失の程度は甚だしい。被告人は配送先の道路状況を確認する
ために地図のアプリケーションを閲覧していたものであり,ゲーム等をしていたも
のではないが,運転中にスマートフォンに脇見をする行為が危険で許されないこと
は言うまでもないのであって,この点をしん酌することはできない。
本件事故により,2名の被害者が死亡し,3名の被害者がそれぞれ傷害を負ったも
のであり,結果は取り返しのつかない重大なものである。死亡した2名の被害者の無念
さは計り知れず,同人らの孫が被告人の厳重な処罰を望んでいるのは当然のことであ
る。
そうすると,被告人が事実を認め,被害者らへの謝罪の言葉を述べ,真摯に反省
していること,自動車保険により相当額の被害弁償がなされる見込みであること,
前科前歴がないことなど,被告人のために酌むべき事情も認められるが,これらの
事情を考慮しても,主文の刑を科すことが相当であると判断した。
(求刑禁錮4年)
平成29年8月10日
名古屋地方裁判所刑事第6部
裁判官寺本真依子

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