弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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        主    文
       本件上告を棄却する。
       当審における未決勾留日数中80日を本刑に算入する。
         理    由
 弁護人牛江史彦の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,原判決の認定に沿わな
い事実関係を前提とするものであって,適切でなく,その余は,憲法違反をいう点
を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,いずれも刑
訴法405条の上告理由に当たらない。
 なお,A株式会社B支社C支店が管理する群馬県館林市内の無人契約機コーナーに
おける詐欺,窃盗事件について,1個の詐欺罪しか成立しないとする所論にかんが
み,職権で判断する。
 1,2審判決の認定及び記録によると,上記事件の事実関係は,次のとおりであ
る。
 1 同社とカードローンに関する基本契約(カードローンの借入条件等が定めら
れたもの。)を締結して,同社から融資用キャッシングカード(以下「ローンカー
ド」という。)を交付されたカードローン契約者は,同カードを同社の各店舗に設
置された現金自動入出機に挿入して同機を操作する方法により,契約極度額の範囲
内で何回でも繰り返し金員を借り入れることができるという権利を有する。一方,
同社は,同契約者が上記のような権利を行使しなければ,同契約者に対し金員を貸
し付ける義務を負わない。
 2 同社発行に係るローンカードの所持人が,同社の各店舗に設置された現金自
動入出機に同カードを挿入し,暗証番号を正しく入力したときには,たとえその者
が同カードの正当な所持人でなかったとしても,現金自動入出機により,自動的に
貸付金相当額の現金が交付される仕組みになっている。
 3 被告人は,他人になりすまし,同社からローンカードの交付を受けた上,同
カードを利用して同社の現金自動入出機から現金を引き出そうと企てた。被告人は
,群馬県館林市内の上記無人契約機コーナーに設置された無人契約機を介して,不
正に入手した他人名義の自動車運転免許証により氏名等を偽るなどして,前橋市内
の同社Dにいる同社係員を欺き,他人名義で同社と上記基本契約を締結した上,同
係員からローンカードの交付を受け,その約5分後に,同カードを同無人契約機コ
ーナー内に設置された現金自動入出機に挿入し,同機を操作して作動させ,同機か
ら現金20万円を引き出した。
 4 被告人は,ローンカードの交付に引き続いて行われた現金の引き出しに際し
,上記係員から,現金自動入出機の操作について教示を受けた旨供述している。
 【要旨】上記のようなカードローン契約の法的性質,ローンカードの利用方法,
機能及び財物性などにかんがみると,同社係員を欺いて同カードを交付させる行為
と,同カードを利用して現金自動入出機から現金を引き出す行為は,社会通念上別
個の行為類型に属するものであるというべきである。上記基本契約の締結及びロー
ンカードの交付を担当した同社係員は,これらの行為により,上記無人契約機コー
ナー内に設置された現金自動入出機内の現金を被告人に対して交付するという処分
行為をしたものとは認められず,被告人は,上記2のような機能を持つ重要な財物
である同カードの交付を受けた上,同カードを現金自動入出機に挿入し,自ら同機
を操作し作動させて現金を引き出したものと認められる。したがって,被告人に対
し,同社係員を欺いて同カードを交付させた点につき詐欺罪の成立を認めるととも
に,同カードを利用して現金自動入出機から現金を引き出した点につき窃盗罪の成
立を認めた原判決の判断は,正当である。被告人が供述する上記のような事情は,
被告人の行為及び同社係員の行為の性質に関する前記評価に影響を及ぼすものとは
認められない。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項ただし書,刑法21
条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 濱田邦夫 裁判官 金谷利廣 裁判官 奥田昌道)

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