弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A、同B、同Cの弁護人大池龍夫、同大池崇彦連名の上告趣意は、単なる
法令違反、量刑不当の主張であり、被告人Dの弁護人来間隆平の上告趣意は、単な
る法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
 なお、各上告趣意の所論にかんがみ、職権により調査するに、各原判決の判示す
る事実関係は同一であるが、これによれば、被告人Dは、一般多数人をしてプロ野
球の勝敗に関する賭銭博奕(いわゆる「野球賭博」)を行なわせて利を図るため、
名古屋市a区b町c丁目d番地所在のE組F支部事務所に、電話、事務机、特製の
売上台帳、メモ類、スポーツ新聞、プロ野球日程表等を備えつけ、その配下の被告
人A、同B、同CおよびGをして、同事務所において、電話により賭客の申込みを
受けさせ、あるいは同事務所外で受けた賭客の申込みを集計して、これを整理し、
さらには当該プロ野球試合の勝敗に基づいて、勝者に支払うべき賭金(勝金)およ
び徴収すべき寺銭の集計などを行なわせ、さらに、被告人Dは、当該勝敗が決定し
た都度、勝者に支払うべき金額の一割を寺銭として徴収し、また、双方チームに対
する賭金が同額にならない場合をできるだけ少なくするために、いわゆるハンデイ
を調整して賭客を誘引し、それでも双方チームに対する賭金が同額にならない場合
には、被告人Dが不足分を補填していわゆる「けつ」をとり、不足金額につき危険
を負担することにし、かかる方法により、被告人Dは、昭和四五年六月二一日、二
三日、二四日、二六日の四日にわたり、それぞれ数名ないし十数名の賭客をして、
毎夜行なわれたプロ野球試合の勝敗に関し、一試合当り一口千円の割合で一口以上
の金員を賭けさせ、俗に「野球賭博」と称する賭銭博奕をさせ、その勝者から寺銭
名下に前記割合の金員を徴収し、その際、被告人Aは、賭客の誘引、賭金申込みの
受付け、その整理をし、同Bは、賭金申込みの受付け、勝者に対する賭金(勝金)
の支払い等をし、同Cは、賭客の誘引、賭金申込みの受付け等をした(ただし、被
告人Bは右六月二六日は加わらなかつた)というのである。
 ところで、刑法一八六条二項の賭博場開張図利罪が成立するためには、必ずしも
賭博者を一定の場所に集合させることを要しないものと解すべきであり、そして、
各原判決の判示する右事実関係に徴すれば、被告人Dの前記四日にわたる「野球賭
博」開催の各所為は、E組F支部事務所を本拠として各賭客との間に行なわれたも
のというべきであるから、賭博場開張の場所を欠如するものではない(大審院大正
三年(れ)第三五〇三号同四年三月一日判決・刑録二一輯一八一頁参照)。
 また、各原判決が、右事実関係のもとにおいて、双方チームに対する賭金不一致
の場合に被告人Dが当該不足分を補填し、不足金額につき危険を負担したのは、賭
博を成立させ寺銭を徴収して利を図るための手段にすぎず、その主眼は、同被告人
が賭博の主催者となり、賭博を成立させるにあつたものであり、右危険負担のゆえ
をもつて単に被告人Dが賭客を相手として賭博をしたにすぎないと見ることはでき
ないとした判断は、相当と認められる。
 それゆえ、各原判決がそれぞれ被告人Dの各所為をもつて賭博場開張図利罪を、
また、同A、同B、同Cの各所為をもつて賭博場開張図利幇助罪を構成するとした
判断は、正当といわなければならない。
 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、
主文のとおり決定する。
  昭和四八年二月二八日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    村   上   朝   一
            裁判官    岡   原   昌   男
            裁判官    小   川   信   雄

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