弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
       本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人山田勝利,同高後元彦,同山田洋史の上告趣意のうち,原判決
の追徴に関する判断につき判例違反をいう点は,引用の各判例が所論がいうような
趣旨まで判示したものではないから,前提を欠き,その余は,判例違反をいう点を
含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であり,適法な上告理由に当たらな
い。
 また,被告人Bの弁護人村岡啓一の上告趣意のうち,原判決の追徴に関する判断
につき判例違反をいう点も,上記と同様に前提を欠き,その余は,憲法違反,判例
違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であり,
適法な上告理由に当たらない。
 なお,所論にかんがみ,被告人両名に対する各追徴の点について職権で判断する。
 1 原判決及びその是認する第1審判決の認定によれば,本件の事実関係は,当
時茨城県北茨城市長であった被告人Aと,その支援者で非公務員である被告人Bと
が共謀の上,被告人Bにおいて,被告人Aの職務に関連してゴルフ場開発業者から
現金合計1億5000万円の賄賂を収受したが,被告人両名間におけるその分配,
保有及び費消の状況は不明であるというものである。
 2 【要旨1】刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの。)197条ノ
5の規定による没収・追徴は,必要的に行うべきものであるが,本件のように収賄
の共同正犯者が共同して収受した賄賂については,これが現存する場合には,共犯
者各自に対しそれぞれ全部の没収を言い渡すことができるから,没収が不能な場合
の追徴も,それが没収の換刑処分であることに徴すれば,共犯者ら各自に対し,そ
れぞれ収受した賄賂の価額全部の追徴を命じることができると解するのが相当であ
り,賄賂を共同収受した者の中に公務員の身分を有しない者が含まれる場合であっ
ても,異なる扱いをする理由はない。
 もっとも,収受された賄賂を犯人等から必要的に没収,追徴する趣旨は,収賄犯
人等に不正な利益の保有を許さず,これをはく奪して国庫に帰属させるという点に
あると解される。また,賄賂を収受した共犯者ら各自からそれぞれその価額の全部
を追徴することができるとしても,追徴が没収に代わる処分である以上,その全員
に対し重複してその全部につき執行することが許されるわけではなく,共犯者中の
1人又は数人について全部の執行が了すれば,他の者に対しては執行し得ないもの
であることはもちろんである(最高裁昭和29年(あ)第3683号同30年12
月8日第一小法廷決定・刑集9巻13号2608頁,最高裁昭和30年(あ)
第3445号同33年4月15日第三小法廷決定・刑集12巻5号916頁参照)。
 これらの点に徴すると,【要旨1】収賄犯人等に不正な利益の保有を許さないと
いう要請が満たされる限りにおいては,必要的追徴であるからといって,賄賂を共
同収受した共犯者全員に対し,それぞれその価額全部の追徴を常に命じなければな
らないものではないということができるのであり(最高裁昭和26年(あ)
第3100号同33年3月5日大法廷判決・刑集12巻3号384頁参照),裁判
所は,共犯者らに追徴を命じるに当たって,賄賂による不正な利益の共犯者間にお
ける帰属,分配が明らかである場合にその分配等の額に応じて各人に追徴を命じる
など,相当と認められる場合には,裁量により,各人にそれぞれ一部の額の追徴を
命じ,あるいは一部の者にのみ追徴を科することも許されるものと解するのが相当
である。
 3 これを本件について見ると,【要旨2】原判決は,前記の事実関係の下にお
いて,共同収受した賄賂について,共犯者間におけるその分配,保有及び費消の状
況が不明である場合には,賄賂の総額を均分した金額を各自から追徴すべきものと
解されるとして,被告人両名に対し,上記収受した賄賂の総額を2等分した金額で
ある7500万円を各人からそれぞれ追徴する旨言い渡した第1審判決を是認した
ものであるところ,収受した賄賂の総額を均分した金額を各被告人から追徴するも
のとしたことには相応の合理性があると認められ,また,各追徴の金額を合算すれ
ば収受された賄賂の総額を満たすから,必要的追徴の趣旨を損なうものでもない。
したがって,第1審判決のした各追徴及びこれを是認した原判断は,相当なものと
して是認することができる。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,
主文のとおり決定する。
  (裁判長裁判官 藤田宙靖 裁判官 金谷利廣 裁判官 濱田邦夫 裁判官 
上田豊三)

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