弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告人の上告理由について、
 本訴請求は、特許庁昭和三三年抗告審判第三〇四三号実用新案登録出願拒絶査定
に対する抗告審判請求事件につき、特許庁が昭和三四年一二月二二日にした審決を
取り消す旨の判決を求めるものであるところ、本件実用新案登録の出願は、最初上
告人が単独でしたものではあるが、その後上告人は、登録を受ける権利の一部をD
に譲渡し、昭和三三年一〇月六日特許庁に対し、出願人名義変更届を提出したため、
それから後は、上告人とDの両名が共同出願人として審査及び審判を受けることと
なり、本件審決も右両名に対してなされたものであることは、原審が適法に確定し
た事実によつて明らかである。
 ところで、本件における事実関係が、すでに右のとおりであるとすれば、本件審
決に対する不服の訴において、審決を取り消すか否かは、登録を受ける権利を共同
して有する者全員に対し、合一にのみ確定すべきものであつて、その訴は右権利者
が共同して提起することを要するものであること、原審判断のとおりであるといわ
なければならない。
 しかるに、原判示によれば、本件の訴は、上告人一人が原告となつて提起したも
のであり、Dは、昭和三五年一月一二日本件審決謄本の送達を受けながら、これに
対する不服の出訴期間である同年二月一一日までに、訴の提起をしなかつたという
のであるから、Dは、もはや右訴を提起することを得なくなつたものというべく、
従つて上告人が単独でした本件訴訟は、当事者適格を誤まつたものであるばかりで
なく、もはやその欠缺を補正する途もなきに至つたものといわざるを得ない。
 所論は、Dは右実用新案の登録を受ける権利の持分を上告人に譲渡したのであり、
上告人は昭和三五年二月一一日特許庁に対し、譲渡証書を添えて、出願人名義変更
届を提出した旨主張するが、右届出が同日(すなわち本件出訴期間の最終日)特許
庁に到達した事実を証明すべきものは何も存しない。(却つて、職権をもつて調査
するに、特許庁が昭和三五年九月一日付で当庁に送付して来た「出願人名義変更届」
と題する書面によれば、その翌日である二月一二日に到達したものであることが明
らかである。)
 してみれば、たとい上告人とDとの内部関係において、所論のような権利変動の
事実があつたとしても、その事実は 特許庁に対して主張できないのであり、本訴
出訴期間内においては、Dは依然として上告人と共に本件共同出願人の一人であつ
たといわざるを得ない。
 そして本件審決は、共同出願人たる両名に対しなされたものであること、及びそ
の審決に対しての不服の訴は、審決を受けた両名において提起すべきであるのに、
Dは遂いにこれに加わらなかつたこと既に前叙のとおりであるから、原審がこれを
不適法として却下したからといつて、所論の違法があるというを得ない。
 されば、その余の判断をまつまでもなく、論旨は理由なきに帰するから採るを得
ない。
 よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    高   木   常   七
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛