弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 被告人本人の上告趣意及び(一)弁護人金井清吉、(二)弁護人金井清吉、同加
藤文也の各上告趣意は、末尾添付の各上趣意書及び同補充書記載のとおりである。
 職権をもつて調査すると、原判決は、刑訴法四一一条一号、三号によつて破棄を
免れない。その理由は、以下に述べるとおりである。
 一 事件の経過と原判決の構成
本件公訴事実の要旨は、「被告人は、昭和四四年一月一五日午後九時ごろ、鹿屋市
a町bA(当時三八年)方において、同人の妻B(当時三九年)と同衾中、折しも
帰宅した右Aに発見殴打され、さらに野菜包丁で斬りかかられるに及び、同人の顔
面を殴打し、同人から包丁を取り上げて取り敢えず難をのがれたものの、その間右
Bが馬鍬の刃をもつていきなり右Aの後頭部を背後から殴りつけて重傷を負わせ、
同人を昏倒させたのを見届け、かつ、同女より『蘇生しないようにしてくれ』と言
われて殺意を生じ、俯伏せに倒れている右Aの頸部に、同人が首にかけていた西洋
タオルを巻いて後方より強く締めつけ、間もなく同人を窒息死させて殺害し、次い
で、右犯行が右Bの口より発覚することを恐れて同女をも殺害すべく決意し、その
場に居た同女に対し、先に同女が使用した前記馬鍬の刃をもつて、いきなり同女の
顔面、頭部を数回殴打し、同女を俯伏せに転倒させたうえ、その場にあつた西洋タ
オルをその頸部に巻いて後方より強く締めつけ、間もなく同女をも窒息死させて殺
害を遂げたものである。」というのであり、第一審判決は、右犯行直前の状況につ
き、たまたま被告人がA方に立ち寄つた際、折しもBと就寝しようとしていたAか
ら、Bとの仲を疑われて詰め寄られて、手で殴打され、包丁で斬りかかられた旨公
訴事実と異なる事実を認定したほかは、ほぼ公訴事実に副う事実を認定したうえ、
被告人を懲役一二年(未決勾留日数二四〇〇日算入)の刑に処した。
 これに対し、原判決は、右犯行直前の状況に関する第一審判決の認定を誤りであ
るとし、右の点についても公訴事実に副う事実を認定すべきであるとしたが、被告
人が被害者両名を順次殺害したとする第一判決認定の基本的事実関係に誤りはなく、
右事実誤認は判決に影響を及ぼすものとは認められないとして、被告人の控訴を棄
却した(原審における未決勾留日数一二〇〇日算入。)原判決が被告人を本件各犯
行の犯人と断定して誤りないとした理由は、被告人が捜査段階において捜査官に対
してした詳細かつ具体的な自白が、物証を含む諸種の情況証拠とよく符合し十分措
信するに足りる、という点にある。
 ところで、被告人は、捜査段階において、当初犯行を全面的に否認し、その後こ
れを自白するに至つたが、第一審の第一回公判(昭和四四年九月一一日)において、
再び犯行を否認する陳述をし、今日に至るまでその否認を続けている。そして、原
判決が措信しうるものとした捜査の最終段階における被告人の自白は、原判決の認
定に副うものであるが、原判決が右自白の信用性を肯定するにあたり引用した主要
な証拠としては、次のものがある。
 1 被害者Bの死体の陰部から採取されたという陰毛三本のうちの一本、及び、
これが被告人に由来すると認められる旨のC作成の鑑定書三通
 2 A方前私道上から採取された車てつ痕の一部が、被告人が当時使用していた
軽四輪貨物自動車のそれと紋様及び磨耗の形状が符合する旨のD作成の鑑定書
 3 被告人の右前腕伸側手関節に存する外傷瘢痕は、恐らく鋭利な刃先又は刃尖
にて擦過された極めて浅い切創痕と判断される旨のE作成の昭和四四年七月二二日
付鑑定書
 4 各裁決質問につき被告人に特異反応が認められるとするF作成のポリグラフ
検査結果回答書
 5 犯行日とされる昭和四四年一月一五日夜にA方へ赴いたことがある旨の被告
人の第一審第一回公判における不利益事実の承認
 6 被告人が捜査段階において、ことさらに嫌疑を第三者に向けようとするなど
の不審な言動をした旨の第一審証人G、同Hの各供述
 7 犯行のあつた時間帯とされる一月一五日当夜の被告人のアリバイの一部を否
定する第一審証人I、同Jその他多数の証人の各供述
 以上の指摘によつて明らかなとおり、本件において被告人を犯行と結びつける直
接証拠としては、被告人の捜査段階における自白があるだけであり、被告人を本件
の真犯人であると断定することができるか否かは、一にかかつて、被告人の自白の
信用性のいかんによることとなる。ところで、原判決が被告人の自白の信用性を支
えるべき客観的な証拠として最も重視しているのは、前記1の証拠であり、2の証
拠も、もしもこれによつて問題の車てつ痕が犯行当夜に印象されたものであること
を確認しうるのであれば、被告人のアリバイの主張を覆し自白の信用性を保障する
有力な証拠であるといえる。3の証拠も、その性質上、一応、被告人がAから包丁
で切りかかられて右手首を負傷した旨の捜査段階の供述の客観的な裏付けとなりう
るものである。しかしながら、4ないし6の各証拠は、その評価が分れうるもので
あつて証拠価値の判断が難しく、いずれにしても、それ自体によつて自白の信用性
を高度に保障するものとはいえない。そこで、以下、原判決の依拠するこれらの主
要な証拠の証拠価値について検討することとする。
 二 原判決の検討
 (一)自白の信用性について
 被告人の自白は、本件犯行及びその前後の状況を、一応詳細かつ具体的に述べる
ものであり、原判決が指摘するとおり、その述べるところには、犯行現場の状況等
客観的な事実と符合する部分も少なくなく、一見その信用性を肯定してよいように
も思われる。
 しかしながら、記録上明らかな諸般の客観的事実等と対比しつつ、自白内容をさ
らに詳しく検討すると、その中には、あらかじめ捜査官の知りえなかつた事項で捜
査の結果客観的事実であると確認されたというもの(いわゆる「秘密の暴露」に相
当するもの)は見当らず、右自白がその内容自体に照らして高度の信用性を有する
ものであるとはいえない(原判決が自白の信用性を肯定すべき理由として指摘する
事項の中にも、右のような意味において自白の信用性を客観的に保障するものは見
当らない。)。
 のみならず、記録を検討すると、被告人の自白には、次のとおり、その信用性を
疑わせる幾多の問題点があるのに、一、二審の審理においては、これらの点に関す
る疑問が解消されているとは認められない。
 1 自白に客観的証拠の裏付けがないことについて
 被告人の自白については、これが真実であれば当然その裏付けが得られて然るべ
きであると思われる事項に関し、客観的な証拠による裏付けが欠けている。
 その一例として、まず、現場遺留指紋の中から、被告人の指紋が一つも発見され
なかつたという点を指摘することができる。被告人の自白によると、本件は、所用
で友人のA方へ立ち寄つた被告人が、同人の不在中その妻Bから情交を求められた
ことが発端となつて発生した全く偶発的な犯行であるとされているのであつて、被
告人が自己の指紋の遺留を防止するための特別の措置をあらかじめ講じたというが
ごとき事態は想定し難く、また、自白によれば、被告人は当夜A方に一時間以上も
滞留し指紋のつき易いと思われる同人方の茶わんや包丁にも触れているというので
ある。したがつて、もしも右自白が真実であるとするならば、犯行現場に被告人の
指紋が一つも遺留されないというようなことは常識上理解し難いことと思われるの
に、記録によれば、捜査官によつてA方から採取された合計四五個の指紋の中から
は、被告人のそれと一致するものが一つも発見されなかつたとされている(記録一
冊五九丁裏。のみならず、A方北側物置の鏡台の中央部抽出しの取手には血痕の付
着があり、犯人が金品を物色した形跡があつて(記録一〇冊二九六〇丁裏、二九六
一丁)、捜査官も「犯人が鏡台を見ているという感じを受けた。」(記録七冊二〇
五三丁裏)、「鏡台からも指紋を取つた。」(同二〇六二丁裏)というのであるか
ら、右鏡台からどのような指紋が検出されたのか(すなわち、対照可能な指紋が検
出されなかつたというに止まるのか、指紋は検出されたが被告人のそれと一致しな
かつたというのか)は、本件の真相を解明するうえできわめて重大な意味をもつも
のであることが明らかである。しかるに、原審は、「現場から採取された合計四五
個の指紋のうち、二五個は被害者のそれと符合し、残りは対照不能であつた。」と
いう捜査官の供述(記録一冊五九丁裏)以外に、右供述の真否を確認する客観的資
料も提出されておらず、また、被告人の指紋が現場に遺留されなかつた理由につき
いまだ首肯すべき事情も明らかにされていないのに、これらの点に関する審理を尽
くすことなく自白の信用性を肯定しているのである。
 次に、被告人の身辺から人血の付着した着衣等が一切発見されていないという点
も、問題であろう。被告人の自白によると、被告人は、BがAを馬鍬の刃で殴打し
て床上に昏倒させた後、タオルでその頸部を絞めて同人を殺害し、ついで右犯行の
発覚を防止する目的で、同じく馬鍬の刃によりBを殴打して昏倒させ、前同様タオ
ルで頸部を絞めて同女を殺害したとされているのであつて、右自白が真実であると
すれば、このような一連の行動を通じ、その身辺・着衣等に多量の流血の認められ
る被害者の血液が被告人の身体・着衣に全く付着しないというようなことは常識上
ありえないのではないかと思われるのに、警察の綿密な捜査によつても、被告人の
身辺からは、犯行に関係があることを示す人血の付着した着衣等が、一切発見され
なかつたとされている。ところで、原判決は、被告人がその自白するような方法で
被害者両名を殺害した際に被告人の身体に血液が付着しなかつたとしても不自然で
はなく、被告人の身辺から血痕の付着した着衣等が発見されなかつたことは自白の
真実性を減殺するものではないとして、K作成の昭和四八年二月二二日付鑑定書な
どを援用している。しかしながら、右K鑑定は、被告人が馬鍬の刃でBを殴打した
際に返り血を受ける蓋然性がきわめて少ないとしているに止まり、被告人が被害者
両名の身体に接近して頸部をタオルで絞めるというような行為をした場合に、両名
の頭部、顔面から流出する血液が被告人の着衣に付着しない蓋然性があつたのかど
うかについては、何ら触れるところがなく、この点の疑問は、記録上全く解消され
てはいないのである。なお、被告人がBを殴打した際に返り血を受ける蓋然性が少
ないとする前記K鑑定の結論にしても、本件犯行現場に飛散する多量の血液の中に、
Bの血液型と一致するA型のものが相当量存在したという捜査の結果(記録一〇冊
二九七九丁以下)と異なる前提に立つてはじめて導くことのできたものであること
が、右鑑定書の記載自体に照らして明らかなのであるから、右鑑定書の証拠価値に
ついては、この観点からもなお検討の余地があるというべきである。
 さらに、自白に基づく捜査によつても、犯行に使用された兇器がついに発見され
なかつたという点も、問題とされなければならない。自白によると、被告人は、B
がAを殴打するのに使用した馬鍬の刃を用いて同女を殴打しその頸部を絞めて殺害
したのち、右兇器を自車の後部荷台に投げ入れて帰宅の途につき、現場から約〇・
七キロメートル離れた郡堺付近で見たらこれが紛失していたというのであり、もし
も右自白が真実であるとすれば、右兇器は、被告人車の後部荷台から、何らかの理
由により路上へ落下したものと考えるほかはなく、原判決は、右兇器が被告人車の
後部荷台に存する腐触孔から路上に落下した可能性を否定することができないとし
ている。しかしながら、被告人車の後部荷台に放置された兇器が同車の車体の震動
によりその腐触孔から路上に落下する可能性は、これを完全に否定することができ
ないにしても、その蓋然性がきわめて小さく余程の偶然が重ならない限りそのよう
なことが起こるものでないことは、原判決の引用する司法警察員作成の兇器の落下
実験に関する報告書の記載自体に照らして明らかなところである。のみならず、右
兇器とされるものは、全長約三〇センチメートルに達する決して小さいとはいえな
い鉄製の棒(馬鍬の刃)であり、また、それ自体としてはほとんど財産的価値がな
く第三者によつて拾得される蓋然性の乏しいものなのであるから、右兇器が真実路
上に落下して紛失したであれば、後日の捜索によつてこれが発見されない合理的な
理由はないように思われる。しかるに、記録によると、警察は、本件犯行発覚直後
から犯行現場付近一帯について大量の捜査員を投入した大がかりな捜索をくり返し
行い、とくに、被告人への嫌疑を深めた昭和四四年一月末ころ以降は、犯行現場か
ら被告人方に至る道路の両側及び付近一帯の山林、畑、やぶ等につき綿密な捜索を
くり返したほか、被告人が本件犯行を自白した後においては、右自白に基づいて再
度徹底した捜索をしたが、結局、本件の兇器らしいものはこれを発見するに至らな
かつたとされているのである(記録一二冊三五九二丁以下、三五九八丁以下)。
 以上のとおり、被告人の自白は、その重要な点において客観的証拠による裏付け
を欠くものといわなければならない。
 2 証拠上明らかな事実についての説明が欠落していることについて
 被告人の自白からは、本件犯行の真犯人であれば容易に説明することができ、ま
た、言及するのが当然と思われるような、証拠上明白な事実についての説明が欠落
している。
 たとえば、自白によると、本件は、Aの妻Bとの情交が露見しAに見とがめられ
た被告人が、結局両名を殺害してしまつたという偶発的な単純殺人事件であるとさ
れているのであり、もとより自白中には、被告人がA方で金品を物色したり強取し
ょうとしたというような事実は、全く述べられていない。しかしながら、さきにも
指摘したとおり、犯行発覚直後の警察の実況見分によれば、A方北側の納戸の鏡台
には、その中央部抽出しの取手に血痕の付着があり、犯人による金品物色の形跡が
あるとされているのである。また、記録によると、Bの死体は、その着衣を臀部付
近までまくり上げられ、下半身を露出するという異常な状態で発見されたものであ
ることが明らかであり(記録一〇冊二九四八丁)、このことは、同女が昏倒したの
ち犯人によつて何らかの作為を加えられたことを端的に示していると思われるのに、
被告人の自白からは、死体に対する作為をしたことの説明が一切欠落している。
 被告人の自白からこのような重要な点に関する説明が欠落したのがいかなる理由
に基づくのかは、記録上明らかにされていない。もつとも一般に、真犯人が犯行を
自白した後においても、自己の刑責を少しでも軽くするために、自己に不利益な事
実をできる限り隠ぺいしようとすることはありうることであるから、被告人の自白
が前記の諸点について触れていないのはこのような理由によるものであるという説
明が、一応は可能であるかもしれない。しかしながら、右に指摘した犯行現場にお
ける金品物色の事実等は、本件犯行の性格を一変させ、少なくともその犯情に重大
な影響を及ぼすことの明らかなものであつて、捜査官としては当然被告人を追及し
て供述を求めたであろうと考えられるのであるから、被告人の自白の中からこれら
の事実に関する説明が何故に欠落しているのかについて首肯すべき事情が明らかに
されない限りは、この点もまた、被告人の自白の信用性を疑わせる事情であるとい
うべきである
 3 自白の内容に不自然・不合理な点の多いことについて
 被告人の自白には、不自然・不合理で常識上にわかに首肯し難い点が数多く認め
られる。たとえば、自白によると、被告人は、本件犯行当夜の午後八時半ころ、A
の自宅においてその妻Bから誘われるまま同女と情交を遂げようとし、これが本件
犯行の発端となつたというのであるが、当時被告人は、Aがテレビの(修理の)こ
とで外出している旨同女から聞かされていたというのであるから、いかにAの不在
中であるとはいえその帰宅の容易に予測される時刻に、同人の自宅でその妻と情交
を遂げようとしたというのは、いささか非常識にすぎる行動のように思われる。ま
た、自白によれば、被告人は、Bとの情交が露見してAから刃物で切りつけられた
際、BがAの頭部を馬鍬の刃で殴打したためようやく窮地を脱することができたと
いうのに、その後引き続いてAを追い回して乱打している同女を放置したまま単身
隣室へ移動し、事件の進展をいたずらに拱手傍観していたことになるのであるが、
自白の中で述べられた被告人の右のような行動は、夫婦間の重大な闘争の発端を作
出した当の責任者の行動としては、あまりにも不可解なものというべきであろう。
さらに、自白によると、被告人は、Aから包丁で切りつけられてできた右手首の傷
をチリ紙で止血し、右チリ紙は帰途車中ではがして路上に捨てたというのである。
しかし、もしも被告人の右手首に残る外傷瘢痕が原判決の認定するようにAから包
丁で切りつけられた際にできた傷の瘢痕であるとすれば、右傷からは当然相当量の
出血があつたと考えられるのであつて、これをチリ紙で止血することができるかど
うかはすこぶる疑問であると考えられるばかりでなく、その後被告人が被害者両名
を殺害して車で帰途につくまで、そのチリ紙が手首に付着していたという点も、常
識に反するものと思われる。
 被告人の自白に右のとおり不自然・不合理な点が数多く認められることは、その
信用性を減殺する事情として、軽視することができないものである。
 (なお、本件における被告人の自白は、別件である準詐欺、詐欺、銃砲刀剣類所
持等取締法違反の各事実による身柄拘束が開始されて約二月半の後になされたもの
であり、その間被告人に対しては、右別件の身柄拘束を利用して、本件につき、長
期間、多数回にわたる取調べがなされている。また、右取調べを受けた当時、被告
人は健康状態もすぐれず違法な強制・誘導を受けたとも弁解しており、右健康状態
の点については、被告人の弁解を一部裏付けるような証拠―記録一冊三二〇丁裏、
五冊一六六二丁―も存在する。以上の諸点にかんがみると、被告人の自白にたやす
く証拠能力を認めることが許されるか否かについても問題がないわけではないが、
いまこの点については原判決の判断に従うとしても、少なくとも、その信用性の判
断がいつそう慎重になされるべきことは、明らかであると思われる。)
 (二)客観的証拠に関する疑問について
 次に、本件において被告人の自白の裏付けとされた客観的証拠の証拠価値につい
て検討する。
 1 陰毛及びその鑑定について
 本件において、被告人の自白の裏付けとなりうる証拠の中で最も重要なものは、
Bの死体の陰部から採取されたという陰毛三本のうちの一本(以下、「甲の毛」と
いう。)及びこれが被告人に由来すると認められるとするC作成の鑑定書三通であ
り、原判決ももとよりこれらの証拠を重視している。そして、もしも右鑑定書の証
拠価値に疑問がないのであれば、被告人の自白は、少なくとも犯行の発端となる特
異な事実につき客観的な裏付けがあることとなり、その全体としての信用性も容易
に否定し難いことになると思われるのであるから、右陰毛の同一性に関する鑑定書
は、本件において被告人を有罪と認定するためのきわめて重要な証拠であるといわ
なければならない。
 しかしながら、右C鑑定については、その鑑定の資料とされたものが、現実にB
の死体の陰部から採取された陰毛とは異なるものではないかという疑問が提起され
ており、右の疑問はいまだ証拠上解消されるに至つていないというべきである。右
の点について、原判決は、捜査段階において右陰毛が採取され鑑定に付された経過
に照らし、「甲の毛」が他の陰毛とすりかわるべき機会はなかつたとしている。た
しかに、記録によると「甲の毛」は、事件の発覚した翌日である昭和四四年一月一
九日に、警察官によつてBの死体の陰部から採取され、翌二〇日、同時に採取され
た他の二本の陰毛(のちにBの陰毛と判明した「乙の毛」「丙の毛」)その他の資
料とともに鹿児島県警察本部鑑識課へ送付されたこと(記録三冊八四五丁裏、一三
冊三八五三丁、一一冊三二九三丁以下)、同鑑識課においては、同年五月三〇日に
至り、「毛髪検査法に基づいて検査した結果、Bの陰部から採取した陰毛三本のう
ちの一本(「甲の毛」)は、Bの陰毛と類似しない。」旨の結果を得たので(L、
M作成の鑑定書、記録一一冊三三〇一丁裏、三三〇二丁)、右「甲の毛」と別途被
告人から任意提出させた陰毛との対比鑑定を行つたところ、同年七月二日、「毛髪
の形状色調、髄質の形状、毛根側の色調及び形状等は、『甲の毛』と被告人の陰毛
とはよく類似し同一性を認める」が、捻転・屈曲において「甲の毛」は著しく被告
人提出のものは少ないという結果を得たこと(M作成の鑑定書、記録一一冊三二九
〇丁以下)、そこで、同鑑識課は、あらためて「甲の毛」と被告人提出の陰毛との
同一性を確認するため両者を警察庁科学警察研究所(以下、科警研という。)に送
付して鑑定を依頼し、警察庁技官Cは、同月一七日、「『甲の毛』と被告人提出の
陰毛とはほぼ同一人のものではないかと推定される。」とし、両者は捻転・屈曲も
よく似ている旨の鑑定書を作成したこと(第一次C鑑定、記録一一冊三三〇八丁以
下)、その後、公判段階において再度右陰毛の鑑定を命ぜられた同人は、新たな鑑
定の手法をも取り入れて再鑑定した結果、両者の同一性をいつそう確実なものとし
て推定していること(第二次、第三次C鑑定、記録四冊一二六三丁以下、九冊二六
七八丁以下)などの諸点が明らかにされている。以上のような本件捜査・鑑定の経
緯に加え、鹿児島県警における陰毛の保管・鑑定の責任者であつたMが、Bの陰部
から採取した陰毛三本はそのまま小さい封筒に入れてのりづけし、資料採取用の小
さな付票にも記載しているから他のものとまじるようなことは絶対にない旨供述し
ていること(記録四冊一〇九一丁裏)などに照らすと、C鑑定の資料とされた陰毛
がBの死体の陰部から採取された「甲の毛」とは異なるものではないかという疑問
は、一見これを容れる余地がないようにも思える。
 しかしながら、他方、記録によると、鹿児島県警鑑識課においては、「甲の毛」
を科警研へ送付する以前の段階である昭和四四年四月一三日に、被告人から対比鑑
定用の資料として陰毛二三本を任意提出させていたものであるところ、被告人から
提出を受けた右陰毛二三本のうち五本が、のちにMの手中で所在不明となつて公判
廷に顕出されなかつたばかりでなく、その後同人が右所在不明の陰毛を発見したと
して検察官を通じて裁判所に提出した五本の毛髪が、第三次C鑑定の結果陰毛では
なく頭毛であると判明したという事実の存在することも、明らかなところである(
記録一三冊三八五六丁、四冊一〇七三丁以下、一一〇一丁、八冊二五〇九丁、九冊
二六八四丁)。そのうえ、前記L・M鑑定及びM鑑定とC鑑定とを対比すると、前
二者に記載された「甲の毛」の外見・形状が、その長さ、捻転・屈曲の点などにお
いて、後者に記載されたそれと微妙なちがいのある状況も看取されるのである。こ
れらの諸点に徴すると、同鑑識課における陰毛の保管・鑑定の責任者であるMにお
いて、その保管する被告人提出の陰毛の一部を紛失し、しかも他の毛髪を紛失した
陰毛であるとしてのちに提出するに至つた経緯等につき首肯しうる説明をするので
ない限り、右紛失した陰毛の一部がBの死体の陰部から採取された陰毛の中に混入
し「甲の毛」としてC鑑定の資料とされたのではないかという疑いを否定すること
はできないものというべきである。本件において右Mは、自己の保管する陰毛五本
を紛失し後日右五本を発見したとして提出した経緯について一応の説明をしている
が、右説明にはなお納得し難い点もみられるうえ、同人が毛髪五本を取りちがえて
提出するに至つた点については、その理由の説明が全くなされていないのであるか
ら、C鑑定の資料とされた「甲の毛」が現にBの死体の陰部から採取された「甲の
毛」と同一のものであると断定することは許されず、右鑑定書の証拠価値には疑問
があるといわなければならない。
 2 車てつ痕について
 記録によると、昭和四四年一月一八、一九の両日にA方前私道上から採取された
重てつ痕の中から、被告人車のそれと「同種同型のもの」(一八日採取分)及び「
紋様、磨耗の形状の符合するもの」 (一九日採取分)が発見されたとされており
(記録一一冊三二八二丁以下、三二三二丁以下、三二七九丁裏)、一、二審判決は、
右車てつ痕の同一性に関するD作成の鑑定書をも、被告人を有罪と認める証拠の一
つとして引用している。そして、右鑑定の資料とされた車てつ痕が犯行のあつたと
される一月一五日に印象されたものであると認められるのであれば、右鑑定書が、
被告人のアリバイの主張を覆しその有罪を推認する有力な証拠となりうるものであ
ることは、さきにも一言したとおりである。
 しかしながら、記録によつても、右鑑定の資料とされた車てつ痕が一月一五日に
印象されたことを確認するに足りる資料はなく、むしろ、右車てつ痕は同日以外の
他の機会に印象されたものではないかという疑問が残されているというべきである。
すなわち、右車てつ痕が採取されたのは、原判決認定の犯行日から三日ないし四日
を経過した一月一八日及び一九日であるところ、記録によると、同月一六日と一八
日の各夜には降雨のあつた事実がうかがわれるのであつて、右降雨量のいかんによ
つては、一月一五日に印象された車てつ痕がその紋様の対照の可能な状態で後日採
取できなくなる可能性も存在すると思われるのに、記録上は、右車てつ痕を採取し
たA方前私道が「赤土を踏み固めた通路」であり(記録一一冊三二八三丁)、一月
一九日の車てつ痕の採取にあたつては前記両日の雨を考慮して「極めて新しい路面
こん跡はなるべぐ採取しない」という方針で採取したとされているだけで(同三二
三三丁)、右二回の降雨の量及びこれによる車てつ痕の変容の可能性の有無などは、
全く明らかにされていない。そして、記録によると、被告人は、捜査段階以来一貫
して、一月一三日及び一七日に車でA方へ赴いた事実を供述しており、とく捜査の
初期の段階においては、一七日に同人方へ赴いた際に木戸口前私道にまで自車を乗
り入れた旨の供述をしていた状況が看取されるのであるから(記録一五冊八〇丁裏)、
前記二回の降雨の量及び降雨による車てつ痕の変容の可能性の有無等を明らかにし
ないまま、D鑑定の資料とされた車てつ痕が一月一五日に印象されたものと認める
ことは許されないのであつて、このような車てつ痕を資料としてなされた右鑑定の
結果についても、その証拠価値に疑問があるといわなければならない。
 3 被告人の右手首の外傷瘢痕について
 記録によると、被告人の右手首(右前腕伸側手関節栂指側寄り三分の一の部位)
には「上下方向に長さ五糎の極めて細い線状の外傷瘢痕」があり、右瘢痕は、鹿児
島大学医学部法医学教室教授Eにより、「恐らく鋭利な刃先又は刃尖にて擦過され
た極めて浅い切創痕」であると鑑定されている。そして、右E鑑定は、一、二審判
決により、「犯行当夜、Aから包丁で切りつけられて右手首に負傷をした。その後、
BがAの頭を馬鍬の刃で殴つた。」とする被告人の自白を裏付ける情況証拠の一つ
であるとされている。
 しかしながら、被告人は、第一審公判廷において、この右手首の傷痕は、前年の
八月末ころ、Aを単車で家まで送り届ける途中、単車が土堤下まで転落し竹の切株
で切つたものである旨弁解しており(記録二冊六四九丁)、被告人が、ほぼその供
述する時期に単車で交通事故を惹起して入院治療を受けたことは、客観的に明らか
にされているのである(記録三冊八七九丁以下、一三冊三八一八丁)。
 もつとも、記録によると、その際の被告人の診療録(写)には、被告人の病名と
して、「頭、頸左腕部打撲症及び顔面左胸部、右前腕擦過傷」とのみ記載されてい
て、「右手首関節部分の切創」という記載がなく、また、診療にあたつたN医師は、
「カルテには病名をほとんど記載しているから、その記載のない右手首切創はなか
つたものと思う。」(記録三冊八二丁)、「擦過傷と切創とは、カルテの記載上は
つきり区別している。」(同八八六丁裏)旨供述している事実がうかがわれるが、
被告人が右交通事故の際に負つた傷害は、右のとおり身体の相当多数の部位に及ん
でおり、しかも、その中には、概念的に「右手首」を包含する「右前腕」の擦過傷
も含まれていたのである。したがつて、被告人の診療にあたつたN医師が、傷害の
範囲の広い「右前腕擦過傷」のみをカルテに記載し、比較的軽微で部位及び症状が
これと近似している「右手首切創」の記載を落とすということも、ありえないわけ
ではないと思われる。
 次に、E鑑定及びE証人の第一審公判における供述によると、被告人の右手首の
切創は、被告人が前記交通事故によつて負つたと主張している他の瘢痕よりも新し
いものとされている。しかし、E証人も認めているように、傷害瘢痕の陳旧度の判
定は、受傷後数か月以上を経過した後は、かなり困難であるようであり、受傷後の
経過日数は「判然としない。」(記録一三冊三八一六丁)、「確定的には断言でき
ない。」(記録三冊九六三丁裏)というのである。これらの点からすると、「右手
首の瘢痕が顔面の瘢痕より新しい。」というE鑑定の結論も、それほど確たる根拠
があるわけではないように思われる。ちなみに、E証人も、被告人の右手首の瘢痕
が、被告人の弁解するとおり、竹の切株などによつて生じうるものであることは、
これを認めている(記録三冊九六三丁裏)。
 以上の検討の結果によれば、被告人の右手首に残る瘢痕及びこれに関するE鑑定
は、たしかに被告人に不利益な情況証拠の一つではあるが、捜査段階における被告
人の自白の信用性を強く裏付けるに足りる証拠価値を有するとまでは、いえないも
のと考えるべきである。
 (三) 犯行時刻の特定とアリバイの成否について
 原判決は、本件犯行の日時について、「昭和四四年一月一五日午後八時二〇分こ
ろから同日午後一二時ころまでの間」という幅のある認定をしており、右認定は、
O作成の鑑定書など原判決の引用する各証拠に照らして、一応これを是認すること
ができる。
 ところで、被告人の主張する犯行当夜のアリバイのうち、同日午後八時すぎころ
から午後一〇時ころまでの間、P方、Q方などを歴訪していたという部分について、
これを支持すべき明確な証拠の見当らないことは、原判決の指摘するとおりである
が、被告人がおそくとも同日午後一〇時ころには帰宅していたことは、被告人及び
その妻Rが捜査の初期の段階から一貫して供述していたところであつて、これに反
する証拠は見当らないのみならず、右各供述を裏付ける第三者の供述も存在する(
記録六冊一八三二丁、一二冊三三五五丁)。したがつて、右犯行時刻が同日午後一
〇時ころ以前であつたのか午後一〇時ころ以降であつたのかは、被告人のアリバイ
の成否を決するうえで、決定的ともいえる重大な意味を有する事実であるといわな
ければならない。そこで、右の観点から証証を検討してみると、本件犯行が同日午
後一〇時ころ以前であつたことをうかがわせる証拠としては、Aが左手にはめてい
たカレンダー付腕時計の日送車の爪の停止位置などから犯行時刻を「一月一五日午
後八時ころから午後一二時ころまでの間」と推定する前記上迫鑑定のほかには、被
害者両名の死体の解剖結果等に基づきこれを同日午後九時ころと推定する捜査官の
推測的な供述(記録一冊二三八丁裏)があるだけであり、右の点については、これ
以上の解明がなされていない。
 しかして、記録によると、被害者Aは、一月一五日午後七時すぎころから八時こ
ろにかけて、叔母のS方で焼魚一匹、タコ一五切れ及びオロシ大根をさかなに、焼
酎五勺ないし六勺を飲み、午後八時すぎに帰途についたことが明らかである(記録
一二冊三三四三丁以下、三三五〇丁)。しかるに、E作成のAの死体の解剖鑑定書
によると、その胃内容物は、「米飯、椎茸、オロシ大根、菜葉、落花生等の食物残
渣」のみであつて、その中には、久留方で食したとされる焼魚やタコは見当らず、
しかもこれらの胃内容物の「消化の程度はかなり進んでいる」が、胃の「粘膜に異
常はない」とされている(記録一〇冊二八九〇丁裏)。また、右解剖結果によれば、
同人の心臓血及び膀胱尿からは、それぞれ〇・〇〇一八%及び〇・〇七二%という
微量のアルコールしか検出されていないのである(同二八九一丁裏)。これらの事
実が、本件犯行の日時を一月一五日午後一〇時ころ以前と認定することと矛盾する
ものであるかどうかは、法医学専門家の鑑定に待たなければにわかに断定し難いと
ころではあるが、少なくとも、それが犯行時刻を同日午後一〇時ころ以前と認定す
ることに疑問を提起する資料たりうるものであることは、否定し難いところと思わ
れる。そうすると、前記解剖鑑定書の記載に照らして明らかなこれらの事実の存在
にもかかわらず、専門家の鑑定によることなくして犯行時刻を同日午後一〇時ころ
以前と断定するとは、早計のそしりを免れないのであつて、結局、本件一、二審に
おいて取り調べられた証拠のみによつて被告人のアリバイの主張を排斥することは、
許されないといわなければならない。
 三 結  論
 以上、詳細に説示したとおり、本件においては、被告人を犯行と結びつけるため
の唯一の直接証拠である被告人の捜査段階における自白及びこれを裏付けるべき重
要な客観的証拠について、その証拠価値をめぐる幾多の疑問があり、また、被告人
のアリバイの成否に関しても疑問が残されている。したがつて、これらの証拠上の
疑問点を解明することなく、一、二審において取り調べられた証拠のみによつて被
告人を有罪と認めることはいまだ許されないというべきであつて、原審が、その説
示するような理由で本件犯行に関する被告人の自白に信用性、真実性があるものと
認め、これに基づいて本件犯行を被告人の所為であるとした判断は、支持し難いも
のとしなければならない。されば、原判決には、いまだ審理を尽くさず、証拠の価
値判断を誤り、ひいて重大な事実誤認をした疑いが顕著であつて、これが判決に影
響を及ぼすことは明らかであり、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するもの
と認められる。
 よつて、各上告趣意について判断を加えるまでもなく、刑訴法四一一条一号、三
号により原判決を破棄し、同法四一三条本文にのつとり、さらに審理を尽くさせる
ため、本件を原審である福岡高等裁判所に差し戻すこととし、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり判決する。
 検察官 吉永祐介 公判出席
  昭和五七年一月二八日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    藤   崎   萬   里
            裁判官    団   藤   重   光
            裁判官    本   山       亨
            裁判官    中   村   治   朗
            裁判官    谷   口   正   孝

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