弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件特別抗告を棄却する。
     抗告費用は抗告人等の負担とする。
         理    由
 抗告代理人弁護士青柳盛雄、同小澤茂の特別抗告理由一、二について。
 原決定は、相手方会社の従業員である抗告人等が日本共産党D細胞機関紙及び同
党D第一細胞機関紙に記事を掲載し且つ相手方会社の従業員に配布した行為は、確
たる根拠がなかつたにもかかわらず相手方が人員配置転換を行うにあたり不当不正
な施策を行つた旨の風評をとらえて、相手方従業員に右風評を真実なるもののごと
く宣伝したものであるから、相手方がこれを以つて相手方会社の信用を害し、その
業務の運営を妨げた行為であると判断し、相手方の職員懲戒規程第一条二号、第三
号後段、第六号、第二条五号に該当するものと認定して懲戒解職の処分に付したの
は相当であると認められるとした上、該懲戒解雇が憲法二一条に違反しない理由と
して論旨一摘示のごとく説示したことは所論のとおりである。そして、原決定がそ
の説示の前段においてなした「憲法第二十一条は、本件の如き出版に対し行政的制
限の加えられることのないのを保障したに止る」旨の説示は、出版行為を行政行為
でない立法その他の国務に関する行為を以つて自由に制限し得られるがごとき誤解
を生ぜしめる点において首肯し得ないけれども、「同条を以つて出版行為に対し何
等の責任を問わない保障を与えたものと解釈すべきでないことはいうまでもなく、
従つて、出版行為を為した者が、その行為について民事、刑事の責任を負う場合の
あることはもとより免れ難いところである」旨の後段の説示は相当であつて、これ
を是認することができる。蓋し、憲法二一条所定の言論、出版その他一切の表現の
自由は、公共の福祉に反し得ないものであること憲法一二条、一三条の規定上明白
であるばかりでなく、自己の自由意思に基ずく特別な公法関係上又は私法関係上の
職務によつて制限を受けることのあるのは、已むを得ないところである。されば、
原決定が「本件会社従業員である抗告人等の本件行為が相手方会社の職員懲戒規程
に該当するときは、右規程に基く相手方の処分を受けるの已むを得ない場合もある
ことも当然であるとして、憲法二一条は右職員懲戒規程の効力に影響を及ぼすもの
と解釈することはできない」と判断したのは正当であつて、論旨はその理由がない。
 同三、四について。
 しかし、原決定が確定した本件抗告人の所為は、前論旨で説明したとおり、日本
共産党細胞機関紙に相手方会社の根拠なき風評を記載して相手方従業員に宣伝した
行為であるから、憲法二八条所定の勤労者の団結権又は団体行動権に属しない行為
であること明白であるばかりでなく、原決定のこの点に対する説示は、すべて是認
されるから、論旨は採用し難い。
 同五について。
 特別抗告理由は、憲法適否に関することを要するばかりでなく、その抗告理由は
理由書自体に記載すべきものであるから、単に原審抗告理由を引用するというだけ
の本論旨は、不適法であつて、採用し難い。
 よつて民訴九五条、八九条により主文のとおり決定する。
  昭和二六年四月四日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    澤   田   竹 治 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    島           保
            裁判官    齋   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介

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