弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの弁護人佐々木正泰の上告趣意第一点について。
 所論は、違憲をいうも、その実質は、原審の裁量に属する証拠調の限度又は証拠
の取捨、選択を非難するに過ぎないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当ら
ない。
 同第二点について。
 原審が人種、信条、性別、社会的身分又は門地により差別的待遇をしたことはこ
れを認むべき証拠がなく、従つて、所論憲法一四条違反の主張は、その前提を欠く
ものであり、また、憲法三七条一項の公平な裁判所の裁判とは、具体的な裁判の内
容や手続等が当事者の側から見て不公平だと思われる裁判をいうものでないことは
当裁判所屡次の判例であるから、同条項違反の主張も採用できない。その余の主張
は、原審の証拠の取捨、選択を非難し審理の不尽その他単なる訴訟法違反の主張で
あつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第三点について。
 所論は、単なる訴訟法違反、事実誤認の主張を出でないものであつて、刑訴四〇
五条の上告理由に当らない。また、記録を調べても、同四一一条を適用すべきもの
とは認められない。
 被告人Bの弁護人橋本三郎の上告趣意について。
 所論は、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に
当らない。また、記録を調べても、同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見で、
主文のとおり判決する。
  昭和二九年二月一一日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    真   野       毅
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    岩   松   三   郎

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