弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人小柳正之の上告理由一について。
 第三者が地上建物とともにその敷地の賃借権の譲渡をうけた場合において、賃借
権の譲渡につき賃貸人の承諾のない間に、賃貸人と従前の賃借人である譲渡人との
間で賃貸借契約を合意解除しても、特段の事情がないかぎり、借地法一〇条にもと
づく建物買取請求権はこれによつて消滅しないものと解するのが相当である。なぜ
なら、建物所有を目的とする土地賃貸借において、賃借人がその借地上に所有する
建物とともにその賃借権を第三者に譲渡した場合に、賃貸人は、譲渡を承諾しない
かぎりは、その第三者から買取請求権を行使されるべき地位にあり、第三者は、買
取請求権を行使しうるわけであるが、そもそも、借地法一〇条は、賃借権譲渡につ
き賃貸人の承諾さえあれば、適法に従来の賃借権を取得しうる地位にある第三者が、
賃貸人の不承諾のため賃借権者となることができない場合に、建物保護のため設け
られた規定であるから、買取請求権を行使するためには、賃借権が存続しているこ
とが必要であるところ、賃借人たる譲渡人が、その有する賃借権を、賃貸人との間
の賃貸借契約の合意解除によりほしいままに抛棄することによつて、譲受人たる第
三者に一たん生じた買取請求権を消滅させることは、民法三九八条、五三八条の法
理から推論しても、また信義誠実の原則に照らしても、とうてい許されないものと
解すべきであるからである(大審院昭和九年三月七日判決・民集一三巻二七八頁、
最高裁昭和三七年二月一日第一小法廷判決・民事裁判集五八巻四四一頁、同昭和三
八年二月二一日第一小法廷判決・民集一七巻一号二一九頁各参照)。すなわち、右
合意解除は、これをもつて譲受人に対抗しえないものと解するのが相当である。
 そうすると、原審判断は、結局において正当であり、所論引用の昭和一一年二月
一四日大審院判決および昭和三三年四月八日当裁判所判決は、いずれも、賃貸人が
賃借権の譲渡を承諾しない間に賃貸借が賃借人の賃料不払を理由に解除されたとき
には、第三者の買取請求権が消滅する旨を判示するものであり、いずれも事案を異
にし本件に適切でない。また、所論中、本件合意解除は、訴外Dの債務不履行を理
由とする解除である旨の主張は、原審で主張判断を経ていない事実であるうえ、本
件記録に徴し、原審に所論のような釈明権不行使の違法があるとは認められないか
ら、これをもつてする論旨は、採用することができない。
 同二について。
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠に照らして肯認するに足
り、右認定判断が所論引用の判例に牴触するものとは認められない。所論は、原審
が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難し、判示に反する事実を前提とし
て原判決に所論違法あるごとく主張するに帰するから、採用することができない。
 同三について。
 本件記録に徴し、原判決に所論のような違法は認められないから、所論は、採用
することができない。
 同四について。
 本件記録によれば、所論中、被上告人が本件建物を妻である訴外Eに贈与し、そ
の旨の所有権移転登記を経ている旨の主張は、原審昭和四五年七月二〇日の第一七
回口頭弁論期日において、撤回されているのであるから、原審で主張判断を経てい
ない事実をもつてする所論は、採用することができない。また、原判示および本件
記録に徴し、被上告人の本件買取請求権の行使が権利の濫用であるとは認められな
い。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    岡   原   昌   男
            裁判官    小   川   信   雄
            裁判官    大   塚   喜 一 郎
            裁判官    吉   田       豊

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