弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告理由第一について。
 論旨は本件被拘束者Aに対する観護状には「被疑者は以前から町の不良組である
が昭和二十六年一月十日午後六時頃富山市a駅車庫詰所え売薬要談帰途中の富山県
上新川郡b村cdE当二十二年を無理に連れ込み同人が着用していた茶色冬オーバ
を「脱げ、脱がねば殴るぞ」と言い乍ら近くにあつた丸鉄棒で後頭部を殴打し暴行
を加へ相手を極度に畏怖せしあた上、同人の茶色冬オーバー時価三千円相当を喝取
したものである」と記載されているところ起訴状には「被告人(被拘束者)は昭和
二十六年一月十日午後五時過頃富山市堀川立山線a駅詰所において予て些細なこと
から遺恨を持つていたeb村cd番地E(当二十元年)に対し矢庭に右手拳又はス
トーブ用鉄棒」約一尺五寸位)等により交々頭部、背部等を殴打し更に右に引続き
前記同人を八十米位離れた富山市fg番地の被告人自宅入口玄関先迄引摺込み右手
拳で数回殴打した上台所にあつた庖丁を取上げその背部で同人の頭部を一回殴打し
た上被告人自宅前小川に突き落す等暴行を加えたものである」と記載しあり両者を
彼此対照するとき、犯罪の日時、場所、行為等を異にするものであるとなし右観護
状に基き拘留を継続することは違法であるというにある。
 しかし犯罪事実の日時、場所、方法等に多少の相違がありまた罪名が異なつても
基本的な事実関係が同一であるとみられる場合には犯罪事実は同一性を失わないも
のといわなければならない。ところで所論の観護状には暴行を手段とする恐喝の被
疑事実が記載され所論の起訴状には暴行の公訴事実が記載されているのであるが起
訴状記載の暴行は前記観護状記載の暴行と日時場所が近接しかつ同一被害者に加え
られたものであつて、結局同一機会になされた同一の暴行であることが明かで前記
観護状記載の被疑事実と起訴状記載の公訴事実とは基本的事案関係が同一であると
認められるのである。そして原審認定の事実によれば本件観護状は少年法四五条四
号前段により勾留状と同一の效力を有しかつ前記公訴は所定の一〇日の期間内に提
起されたことが明白であつて、しかも刑訴二〇八条一項の公訴は勾留した事件と同
一である以上、たとい勾留状記載の罪名と異なつてもさしつかえないものと解すべ
きであるから本件観護状の效力は公訴提起の日から刑訴六〇条二項所定の期間中存
続するものというべきである。論旨は右と異なる見解で原判決を非難するもので理
由がない。
 上告理由第二について。
 人身保護の請求は人身保護規則四条本文の要件を具備したときに限り許されるの
である。そして同条但書はたとい拘束が同条本文に該当する不法なものであつても
他に救済の目的を達するのに適当な方法があるときは右但書後段の要件を具偏しな
い限り人身保護の請求ができないことを定めたものであつて単に右但書の要件を具
備するだけで人身保護の請求をなし得ることを認めた趣旨ではない。而して原審は
本件拘束が右四条本文に該当する不法なものと認め得ないと判断していることが明
白であるから上告人の本件請求は同条但書に該当する事実の有無を判断するまでも
なく、失当として排斥を免れないのである。所論はなんら本件の結論に関係のない
同条但書の適用に関する議論であるから採用に由なきものである。
 よつて、民訴四〇一条八九条九五条を適用して、主文のとおり判決する。
 右は全裁判官の一致の意見である。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛