弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決及び第一審判決を破棄する。
     本件を大阪地方裁判所に差し戻す。
         理    由
 大阪高等検察庁検事長代理次席検事米田之雄の上告趣意並びにこれに対する弁護
人加藤充の答弁は、別紙書面記載のとおりである。
 右上告趣意第一点について。
 しかし、所論引用の当裁判所大法廷判決(昭和二九年(あ)第三九五六号同三一
年六月二七日言渡、集一〇巻六号九二一頁)は、いわゆる火焔瓶に関するものであ
つて、火焔瓶とその構造、装置、薬品資材の性質分量、使用方法並びに性能ことに
破壊力等において異なるいわゆるラムネ弾に関する本件に適切でないし、また、該
判決は、爆発物取締罰則にいわゆる爆発物一般の意義についての判例であつて、そ
の破壊力の程度、可能性等に関しては何ら判示していないのであり、従つて、原判
決は、その点において必ずしも該判例と相反する判断をしたものともいえない。そ
れゆえ、所論は採ることができない。
 同第二点について。
 原判決が爆発物取締罰則にいわゆる爆発物の意義に関し、前記当裁判所大法廷判
決を引用した上、この罰則は爆発物に関する特別法として一般法たる刑法に対比し、
互に相似する犯罪行為を規定する場合にも著しく重い刑罰を定めている外、著しく
犯罪行為の範囲を拡大規定しているのは一に爆発物がその爆発作用そのものによつ
て高度な破壊力を有する顕著な危険物たることに着目したために外ならないからで
あるとし、しかるに本件のラムネ弾は所論のように人を驚かし、器物を毀棄し、ま
た人の身体に傷害を与える危険なものであるけれども、その破壊力は到底前段説示
の破壊力を有するものと認めるに足る証拠並びに公共の安全をみだしたと認めるに
足る証拠はない旨判示して、本件ラムネ弾は本法にいう爆発物に当らないと判断し
たことは、所論各引用の高等裁判所の判例が、爆発物とは、理化学上のいわゆる爆
発現象を惹起しうるように調合装置された物件であり、かつ、これが爆発作用その
ものによつて治安を妨げ、または人の身体若しくは財産を害するに足るものとして
社会通念上危害を感ぜしめる程度の性能を有するものを汎称し、さらに進んでその
爆発性能が極めて高度であり、または不特定多数人の身体財産に対し甚大な被害を
与えるに足ることを要しないものと解した上、本件と同種の構造、装置、資材、使
用方法及び性能を有するラムネ弾が右の爆発物に該当すると判断したところと、相
反する判断をしたものというべきである。しかも、当裁判所は右各高等裁判所の判
例を正当と思料するから(なお、所論引用の(1)の判決を是認した昭和三〇年(
あ)第二〇九一号同三四年五月七日第一小法廷判決集一三巻五号四八九頁、同(2)
の判決を是認した昭和三〇年(あ)第二〇四三号同三三年一〇月一四日第三小法廷
判決集一二巻一四号三二六四頁、同(3)の判決を是認した昭和三〇年(あ)第三
一九八号同三四年一二月二二日第三小法廷判決集一三巻一三号三三一二頁、その他
昭和三三年(あ)第一八三七号同三四年六月四日第一小法廷判決集一三巻六号八八
四頁各参照)、原判決及びこれと同趣旨に出でた第一審判決は、刑訴四一〇条一項、
四〇五条三号により破棄を免れない。
 なお、弁護人加藤充の上告趣意書は、上告趣意書提出期間経過後に提出されたの
で、これについては判断しない。
 よつて同四一三条本文により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 検祭官 片岡平太公判出席
  昭和三六年五月一六日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    垂   水   克   己
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

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