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平成12年(ワ)第8284号 特許権侵害差止等請求事件
口頭弁論終結日 平成13年11月12日
              判       決  
原      告 ビルコン株式会社
訴訟代理人弁護士  海老原 元彦
同         谷 健太郎
同          浅井弘章
補佐人弁理士 山名正彦
      被      告 増田工業株式会社
       訴訟代理人弁護士 安原正之
       同        佐藤治隆
       同        小林郁夫
       訴訟復代理人弁護士鷹見雅和
       補佐人弁理士  志 賀 富士弥
同        橋本 剛
同        小林博通
同        鵜澤英久
              主       文  
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
 1 被告は,別紙物件目録1及び2記載の装置を製造し,譲渡し,貸し渡し又は
譲渡若しくは貸渡しのため展示してはならない。
 2 被告は,その本店,支店,営業所及び倉庫に存する上記各装置を廃棄せよ。
 3 被告は,原告に対し,金5000万円及びこれに対する平成12年5月2日
から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要
   本件は,原告が被告に対し,別紙物件目録1及び2記載の各装置(同目録記
載の各装置を,順に「被告装置1」「被告装置2」といい,これらをあわせて「被
告各装置」という。)を製造等している被告の行為が原告の有する特許権を侵害す
るとして,製造等の差止め等と損害賠償の支払を求めた事案である。
 1前提となる事実(証拠を示した事実を除き,当事者間に争いがない。)
(1) 原告の有する特許権
  原告は,次のア,イの各特許権(以下順に「本件特許権1」「本件特許権
2」と,これらをあわせて「本件各特許権」といい,その発明(本件特許権2につ
いては,請求項1の発明)を順に「本件発明1」「本件発明2」と,これらをあわ
せて「本件各発明」という。)を有している。
 ア 本件特許権1
(ア) 発明の名称   受付整理装置
(イ) 出願日昭和57年3月12日
(ウ) 登録日昭和62年1月30日
(エ) 特許番号第1360590号
    (オ) 特許請求の範囲 別紙「特許公報1」写しの該当欄記載のとおり
(以下同公報掲載の明細書を「本件明細書1」という。)
 イ 本件特許権2
(ア) 発明の名称   受付処理装置
(イ) 出願日平成2年10月25日
(ウ) 登録日平成8年10月2日
(エ) 特許番号第2096271号
(オ) 特許請求の範囲 別紙「特許公報2」写しの該当欄記載のとおり
(以下同公報掲載の明細書を「本件明細書2」という。)
(2) 本件各発明の構成要件
  本件各発明を構成要件に分説すると,以下のとおりである。
 ア 本件発明1
A 受付券を発行毎にその受付券に連続番号としての呼出番号を印字する
受付券発行機と,
B 受付けする呼出番号及びこの呼出番号の受付券を受付けする受付窓口
の番号夫々を対応させて表示する表示盤と,
C 呼出キースイッチ,チャイムキースイッチ,クローズキースイッチを
有し,各受付窓口に配設された操作キー部及び呼出番号をモニター表示するモニタ
ー表示部で成る窓口操作盤と,
D これら受付券発行機,表示盤,窓口操作盤を連繋して制御するマイク
ロコンピュータで成る制御盤とを備えており,
E 制御盤は前記窓口操作盤の呼出キースイッチの呼出信号により,その
呼出信号を発した窓口操作盤の窓口番と受付券発行順に従った呼出番号とを順次対
応させて表示盤に警報音と共に表示すると共に,呼出信号を発した窓口操作盤のモ
ニター表示部には表示盤に表示した呼出番号を表示するようにしたことを特徴とす
る,
F 受付整理装置
 イ 本件発明2
  A 受付券を発行毎にその受付券に連続番号としての呼出番号を印字する
受付券発行機と,
B 受付する呼出番号及びこの呼出番号の受付する受付窓口それぞれを対
応させて表示する表示機と,
C 各受付窓口に配され,複数の窓口業務を窓口毎に必要な業務として適
宜選択指定できる業務選択キースイッチ,呼出キースイッチ,クローズキースイッ
チを有し,且つ,各操作キー及び呼出番号をモニター表示するモニター表示部を有
した窓口操作機と,
D これら受付券発行機,表示機,窓口操作機を連繋して制御するコンピ
ュータにて成る制御機とからなり,
E 前記受付券発行機,表示機,窓口操作機は,それぞれ少なくともCP
U,ROM,RAMを有するマイクロコンピューターと,前記制御器,及び,受付
券発行機,表示機,窓口操作機それぞれと連繋する通信インターフェイスとをそれ
ぞれ内蔵して,適宜ケーブルによって前記制御機のコンピューター,及びマイクロ
コンピューター同士を連繋して形成し,
F 窓口操作機は,業務選択キーによりそれぞれの窓口の受付業務の外に
他の窓口の受付業務をも適宜選択する複数業務選択機能を有し,
G 制御機は前記窓口操作機の呼出キースイッチの呼出信号により,その
呼出を発した窓口操作機の選択業務の窓口番と受付券発行順に従った呼出番号とを
順次対応させて表示機に表示すべく形成したことを特徴とする,
H 受付処理装置
(3) 被告の行為
  被告は,業として,被告各装置を製造販売している(被告は,被告装置1
を市川市役所に納入し,被告装置2を足立区役所に納入した。)。
(4) 被告装置の構成
 被告各装置のうち,本件発明1の対比に必要な構成部分は,ア,イ,本件
発明2に必要な構成部分は,ウ,エのとおりである。
 ア 被告装置1の構成
  A′ 受付券に呼出番号を印字し,発行するオートナンバープリンター
と,
B′ 予めユニットの表面に固定的に表示された受付窓口番号と,この窓
口で受付する呼出番号を夫々対応させて可変表示するサインポールユニット及びセ
ンターサインユニットと,
C′ 表示ボタン,保留ボタン,終了ボタン,選択ダイヤルその他のボタ
ンからなる操作キー部及び呼出番号を表示するモニター表示部とを備えており,各
受付窓口に配設されたサインポールコントローラと,
D′ 前記のオートナンバープリンター,サインポールユニット及びセン
ターサインユニット,サインポールコントローラを連繋して全体を制御するコント
ロールボックスとを備えており,
E′ コントロールボックスは,前記サインポールコントローラの表示ボ
タンによる呼出信号により,その呼出信号を発したサインポールコントローラが位
置する窓口のサインポールユニットに表示された窓口番号と,受付券の呼出番号と
を順次対応させて,サインポールユニット及びセンターサインユニットにチャイム
音と共に表示し,呼出信号を発したサインポールコントローラのモニター表示部に
前記サインポールユニット及びセンターサインユニットに表示した呼出番号を表示
する,
F′ 自動窓口受付システムである。
 イ 被告装置2の構成
  A′ 呼出番号を印字し,受付券を発行する番号札発行器と,
 B′ 予め表面に固定的に表示された受付窓口番号と,この窓口で受け付
ける呼出番号を夫々対応させて表示するサインポールと,
 C′ 呼出ボタン,保留ボタン,Gボタン,テンキーその他のボタンから
成る操作キー部及び呼出番号を表示するモニター表示部とでなり,各受付窓口に配
設された受付窓口用操作卓と,
 D′ 前記の番号札発行器,サインポール,受付窓口用操作卓を連繋して
制御するコントロールボックスとを備えており,
 E′ コントロールボックスは前記受付窓口用操作卓の呼出ボタンによる
呼出信号により,その呼出信号を発した窓口受付用操作卓が位置する窓口のサイン
ポールに表示された窓口番号と受付券の呼出番号とを順次対応させてサインポール
にチャイム音と共に表示し,呼出番号を発した受付窓口用操作卓のモニター表示部
に前記サインポールに表示した呼出番号を表示する,
 F′ 呼出し番号表示システムである。
   ウ 被告装置1の構成(下線箇所は,原告の主張である。)
  A′ 受付券に連続番号としての呼出番号を印字し,発行するオートナン
バープリンターと,
    B′ 予めユニットの表面に固定的に表示された受付窓口番号とこの窓口
で受け付ける呼出番号を夫々対応させて可変表示するセンターサインユニットと,
    C′ 各受付窓口に配設され,複数の業種のうち窓口業務者が希望する業
種を選択できる選択ダイヤル,表示ボタン,終了ボタンを有し,かつ,各操作ボタ
ン群及び呼出番号を表示するモニター表示部とを備えているサインポールコントロ
ーラと,
 D′ 前記のオートナンバープリンター,センターサインユニット,サイ
ンポールコントローラを連繋して制御するコントロールボックスとを備えており,
 E′ 前記オートナンバープリンター,センターサインユニット及びサイ
ンポールコントローラは,それぞれ少なくともCPU,ROM,RAMを有するマ
イクロコンピューターと,前記コントロールボックス,及び,オートナンバープリ
ンター,センターサインユニット,サインポールコントローラそれぞれと連繋する
通信インターフェースとをそれぞれ内蔵して,適宜ケーブルによって前記コントロ
ールボックスのマイクロコンピューター,及びマイクロコンピューター同士を連繋
して形成し,
 F′ サインポールコントローラは,選択ダイヤル及び終了ボタンにより
当該窓口の受付業務を適宜選択する複数業務選択機能を有し,
 G′ コントロールボックスは,前記サインポールコントローラの表示ボ
タンの呼出信号により,呼出信号を発したサインポールコントローラの選択業務の
窓口番号と受付券発行順に従った呼出番号とを順次対応させてセンターサインユニ
ットに表示すべく形成した,
 H′ 自動窓口受付システム。
   エ 被告装置2の構成(下線箇所は,原告の主張である。)
A′ 受付券に連続番号としての呼出番号を印字し,発行する番号札発行
器と,
 B′ 予め表面に固定的に表示された受付窓口番号と,この窓口で受け付
ける呼出番号を夫々対応させて表示するサインポールと,
 C′ 各受付窓口に配設され,複数の業種のうち窓口業務者が希望する業
種を選択できるGボタン,呼出ボタン,テンキーを有し,操作ボタン群及び呼出番
号を表示するモニター表示部とを備えている受付窓口用操作卓と,
 D′ 前記の番号札発行器,サインポール,受付窓口用操作卓を連繋して
制御するコントロールボックスとを備えており,
 E′ 前記番号札発行器及び受付窓口用操作卓は,それぞれ少なくともC
PU,ROM,RAMを有するマイクロコンピューターと,前記コントロールボッ
クス,及び,番号札発行器,サインポール,受付窓口用操作卓それぞれと連繋する
通信インターフェースとをそれぞれ内蔵しており,また,サインポールは前記コン
トロールボックス,番号札発行器及び受付窓口用操作卓それぞれと連繋する通信イ
ンターフェースを内蔵し,AUCPU基板とLANケーブルで接続されており,前
記番号札発行器,サインポール及び受付窓口用操作卓は,適宜ケーブルによって前
記コントロールボックスのマイクロコンピューター同士を連繋して形成し,
 F′ 受付窓口用操作卓は,Gボタン及びテンキーにより当該窓口の受付
業務を適宜選択する複数業務選択機能を有し,
 G′ コントロールボックスは,前記受付窓口用操作卓の呼出ボタンの呼
出信号により,それを発した受付窓口用操作卓の選択業務の窓口番号と受付券発行
順に従った呼出番号とを順次対応させてサインポールに表示すべく形成した,
 H′ 呼出し番号表示システム
2争点及び当事者の主張
〔本件発明1について〕
(1)被告装置1と本件発明1との対比
(原告の主張)
 ア 構成要件Aの充足性
 被告装置1の構成A′のオートナンバープリンターは,窓口へ事務の依
頼に来た依頼者へ連続番号を呼出番号として印字した受付券を発行するものである
から,構成要件Aの受付券発行機に当たる。被告装置1においては,業務別に4個
のグループ選択ボタンがあるが,これはグループ選択ボタンの個数分の受付券発行
機能を併合したものと解して差し支えないから,オートナンバープリンターが「受
付券発行機」に該当しない理由にはならない。
 イ 構成要件Bの充足性
 構成要件Bの「呼出番号及び・・・受付窓口の番号夫々を対応させて表
示する」とは,受付窓口の番号が固定表示されたものは含まれないと解すべきでは
ない。
 他方,被告製品1のサインポールユニット及びセンターサインユニット
は,切り文字によって固定表示された受付窓口番号と並んで,受付する呼出番号が
表示されるから,構成要件Bの「呼出番号及び・・・受付窓口の番号夫々を対応さ
せて表示する表示盤」を充足する。
 ウ 構成要件Cの充足性
 被告装置1のサインポールコントローラは,各受付窓口に配設され,表
示ボタンの操作で呼出番号を発し,モニター表示部に呼出番号を表示する機能,保
留ボタンと表示ボタンの組合せにより再呼出を行う機能,選択ダイヤルを0に回転
選択し終了ボタンを押すことにより窓口を閉鎖する機能を有するから,構成要件C
の「窓口操作盤」に該当する。
 エ 構成要件Eの充足性
 被告装置1のコントロールボックスは,サインポールコントローラの発
する呼出信号により窓口番号と呼出番号とを順次対応させてサインポールユニット
及びセンターポールユニットへ警報音と共に表示し,サインポールコントローラの
モニター表示部へ呼出番号を表示するので,構成要件Eを充足する。
(被告の反論)
 ア 構成要件Aの充足性
(ア) 被告装置1のオートナンバープリンター1は,発行口7からは非連
続番号の受付券を発行する。したがって,非連続番号の受付券を発行するオートナ
ンバープリンター1は,「受付券を発行毎にその受付券に連続番号としての呼出番
号を印字する受付券発行機」に当たらない。
(イ) 構成要件Aの「受付券発行機」は,本件明細書1の発明の詳細な説
明欄の記載に照らすと,複数の業務を想定した受付券発行機を含まない趣旨と理解
すべきである。他方,被告装置1のオートナンバープリンター1は,グループ選択
ボタンは4つあっても,受付券を発行するプリンターの発行口は1つであるなど,
有機的に関係付けられた1個の装置であり,単独の機能を有する装置を単に併合
(複合化)したものではないので,構成要件Aの「受付券発行機」に該当しない。
 イ 構成要件Bの充足性
 被告装置1のサインポールユニット2,センターサインユニット3はい
ずれも,受付窓口番号が固定表示されており,受付窓口番号を任意に変更すること
はできず,また,複数の窓口の窓口番号と呼出番号を順次表示できない。したがっ
て,サインポールユニット2,センターサインユニット3は,いずれも,構成要件
Bの「受付する呼出番号及びこの呼出番号の受付券を受付する窓口番号夫々を対応
させて表示する」を充足しない。
 ウ 構成要件Cの充足性
 構成要件Cの「チャイムキースイッチ」は,本件明細書1の発明の詳細
な説明欄によると,「表示盤に呼出番号が表示されたにもかかわらず,呼出番号に
該当する受付券を有した依頼者が窓口に来ない場合に再度呼出を行うために押され
るもの」(本件明細書1の2頁左欄24ないし28行目)であり「チャイムキース
イッチを押すことで制御盤により再呼出が行われる。即ち,表示盤の呼出番号表示
器の呼出番号を再度点滅表示させると共にチャイム等の警報音を発する」(同2頁
右欄42行ないし3頁左欄2行目)ものを指すと解すべきである。これに対し被告
装置1の呼出音ボタンは,単にチャイム音を発して注意を喚起するだけのもので,
呼出番号を再度点滅表示するようなことはないので,構成要件Cの「チャイムキー
スイッチ」に該当しない。
 また,構成要件Cの「クローズキースイッチ」は,押しボタン式のクロ
ーズ専用のスイッチを指すと解すべきである。これに対し,被告装置1は,選択ダ
イヤルと終了ボタンとによるクローズ機能を奏するのであって,クローズ専用の単
一操作用のキースイッチを設けていない。
 エ 構成要件Eの充足性
 構成要件Eの「制御盤」は,各受付窓口の個々の処理時間が相違してい
ても呼出番号順は,受付券の発行番号順と変わらないように制御をするものを指す
と解すべきである。
 これに対し被告装置1では,業務ごとに発行口7から発行される受付券
の番号が非連続番号となるため,各受付窓口の個々の処理時間が相違しても,異な
る業務間では,呼出番号順は前記発行口7から発行される受付券の発行順にはなら
ない。また,サインポールユニット2やセンターサインユニット3の窓口番号は固
定表示されており,制御できない。 したがって,コントロールボックス5は,サ
インポールユニット2やセンターサインユニット3を,「窓口操作盤の呼出キース
イッチの呼出信号により,その呼出信号を発した窓口操作盤の窓口番と受付券発行
順に従った呼出番号とを順次対応させて表示盤に・・・表示する」という制御はし
ていないので,構成要件Eの制御盤に該当しない。
(2) 被告装置2と本件発明1との対比
(原告の主張)
 ア 構成要件Aの充足性
 被告装置1の番号札発行器は,窓口へ事務の依頼に来た依頼者へ連続番
号を呼出番号として印字した受付券を発行するので,構成要件Aの受付券発行機に
当たる。被告装置1においては,業務別に2個のグループ選択ボタンがあるが,こ
れはグループ選択ボタンの個数分の受付券発行機能を併合したと解することができ
るから,オートナンバープリンターが「受付券発行機」に該当しない理由にはなら
ない。
 イ 構成要件Bの充足性
 構成要件Bは,窓口番号が固定表示されたものは含まれないと解すべき
ではない。
 他方,被告製品2のサインポールは,切り文字によって受付窓口番号が
固定表示されるから,構成要件Bの「番号夫々を対応させて表示する表示盤」を充
足する。
 ウ 構成要件Cの充足性
 被告装置2の受付窓口用操作卓は,各受付窓口に配設され,呼出ボタン
の操作で呼出信号を発し,モニター表示部に呼出番号を表示する機能,保留ボタン
と呼出ボタンの組合せにより再呼出を行う機能,Gボタンと「-」の組合せにより
窓口を閉鎖する機能を有するから,本件発明1の構成要件Cの窓口操作盤に該当す
る。
 エ 構成要件Eの充足性
 被告装置2のコントロールボックスは,受付窓口用操作卓が発する呼出
信号により窓口番号と呼出番号とを順次対応させてサインポールへ警報音と共に表
示し,受付窓口用操作卓のモニター表示部へ呼出番号を表示するので,構成要件E
を充足する。
(被告の反論)
  被告装置2と本件発明1との対比に関する被告の反論は以下のとおりであ
る。
 ア 構成要件Aの充足性
 番号札発行器1は,非連続番号の受付券が発行されるので,構成要件A
の「受付券を発行毎にその受付券に連続番号としての呼出番号を印字する受付券発
行機」に該当しない。
 イ 構成要件Bの充足性
 サインポール2は,受付窓口番号が固定表示されており,受付窓口番号
を任意に変更することはできず,また,複数の窓口の窓口番号と呼出番号を順次表
示できない。したがって,サインポール2は,構成要件Bの「受付する呼出番号及
びこの呼出番号の受付券を受付する窓口の番号夫々を対応させて表示する」を充足
しない。
 ウ 構成要件Cの充足性
 サインポールコントローラー4は,構成要件Cを充足するものではな
い。その理由は,(1)の「被告の反論」と同じである。
 エ 構成要件Eの充足性
 構成要件Eの「制御盤」は,各受付窓口の個々の処理時間が相違してい
ても呼出番号順は,受付券の発行番号順と変わらないように制御をするものを指す
と解すべきである。
 これに対し,被告装置2では,業務ごとに発行口7から発行される受付
券の番号が非連続番号となるため,各受付窓口の個々の処理時間が相違しても,異
なる業務間では,呼出番号順は前記発行口7から発行される受付券の発行順にはな
らない。また,サインポール2の窓口番号は固定表示されており,制御できない。
したがって,コントロールボックス4は,サインポール2を,「窓口操作盤の呼出
キースイッチの呼出信号により,その呼出信号を発した窓口操作盤の窓口番と受付
券発行順に従った呼出番号とを順次対応させて表示盤に・・・表示する」という制
御をしていないので,構成要件Eを充足しない。
〔本件発明2〕
(3) 被告装置1と本件発明2との対比
(原告の主張)
 ア 構成要件Aの充足性
 被告装置1のオートナンバープリンタは,あるグループ選択ボタンB1
を押すと,1番から850番までの数字体系で連続する順番数の呼出番号を印字し
た受付券を発行し,また,別のグループ選択ボタンB2を押すと,900番から9
99番までの数字体系で連続する呼出番号を印字した受付券を発行するから,この
ように業務別に2個のグループ選択ボタンを有する構成は,グループ選択ボタンの
個数分の受付券発行機能を併合したものと理解して差し支えない。被告装置1のオ
ートナンバープリンタにグループ選択ボタンが複数個存在しても,同一のグループ
選択ボタンが押された場合には,そのグループにおいては「連続番号としての呼出
番号を印字する」から,オートナンバープリンターは,構成要件Aの受付券発行機
に該当する。
 イ 構成要件Bの充足性
 構成要件Bは,窓口番号が固定表示されたものは含まれないと解すべき
ではない。
     被告装置1のセンターサインユニットは,別紙物件目録1の図4に示さ
れているとおり,1番~8番の窓口番号が正面横2段の行列で窓口番号順に予め切
り文字で貼着することにより固定的に表示されており,各切り文字の右側には各窓
口番号で受付する呼出番号を表示するためのLED部がそれぞれ設けられているの
であるから,センサーサインユニットが,受付する呼出番号及びこの呼出番号の受
付する受付窓口それぞれを対応させて表示するものということができ,構成要件B
の「表示機」に該当する。
 ウ 構成要件Cの充足性
(ア) 構成要件Cの「業務選択キースイッチ」は,複数の受付窓口がある
受付においてテラーの側で取扱業務を適宜選択できるという点に特徴があるから,
1つの受付窓口が同時に2つの業務を選択する場合(業務Aと業務Bを1つの窓口
で取扱う場合)を指すものと解すべきであるが,そればかりでなく,ある業務を行
っていたテラーが当該業務の取扱を止めて別の業務を選択する場合(業務Aを担当
していたテラーが業務Bを行うよう切り替える場合)も含むと解するのが相当であ
る。
 被告製品1の「グループ選択ダイアル16」は,同時に複数の業務グ
ループを選択したり,現在選択している業務グループに他の業務グループを加えて
複数の業務グループを選択することはできないが,複数の業務グループ中から1つ
の業務グループを選択することはできるから,「複数の窓口業務を窓口毎に必要な
業務として適宜選択指定できる業務選択キースイッチ」に該当する。
(イ) 被告装置1の「終了ボタン20」は,「選択ダイヤル16」と協働
することにより,窓口を閉鎖する機能を有していることから,構成要件Cの「クロ
ーズキースイッチ」に該当する。
 エ 構成要件Fの充足性
 被告装置1は,サインポールコントローラの選択ダイヤル及び終了ボタ
ンの組合せによって業種選択機能を有するから,構成要件Fを充足する。
 オ 構成要件Gの充足性
 被告装置1の「コントロールボックス5」は,構成要件Gの「制御機」
に該当する。
(被告の反論)
 ア 構成要件Aの充足性
 構成要件Aの受付券発行機は,「受付券を発行毎にその受付券に連続番
号としての呼出番号を印字する」ものである。
 これに対し,被告装置1のオートナンバープリンター1は,グループ選
択ボタンB1~B4,受付券発行口7と,コントロールボックス5と連繋するCP
U,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータを内蔵し,グループ選択ボタン
を押すごとに少なくとも2つ,最大4つの数字体系(番号順)の異なる印字がさ
れ,発行口から印字した受付券が発行される。このように,オートナンバープリン
ター1は,異なるグループ選択ボタンを押すごとに発行口7から非連続番号を印字
した受付券を発行するので,「連続番号としての呼出番号を印字する」ものとはい
えない。
 イ 構成要件Bの充足性
 被告装置1のセンターサインユニット3は,各受付窓口番号が固定表示
されているので,呼出番号に対応させて受付窓口番号を変えることができない。ま
た,固定表示された窓口番号の右側LED表示部には,その窓口番号の窓口で呼出
をしている番号のみを表示し,他の窓口の呼出番号は表示しないので,「受付する
呼出番号及びこの呼出番号の受付する受付窓口それぞれを対応させて表示する」も
のではない。
 ウ 構成要件Cの充足性
(ア) 被告装置1の「グループ選択ダイアル16」は,回転させることに
より所定のグループ番号を選択し,その後,操作ボタン群14の終了ボタン20
(セット)を押すことにより複数の業務グループ中から1つの業務グループを選択
するものであり,選択した業務グループを他の業務グループに切り換えることはで
きるが,同時に複数の業務グループを選択したり,現在選択している業務グループ
に他の業務グループを加えて複数の業務グループを選択することはできない。した
がって,「グループ選択ダイアル16」は,構成要件Cの「複数の窓口業務を窓口
毎に必要な業務として適宜選択指定できる業務選択キースイッチ」に該当しない。
(イ) 被告装置1の「終了ボタン20」は,主として窓口での1つの事務
処理後に,サインポールコントローラ4のモニター表示部15や各ユニット2,3
の呼出番号LED表示部8,12に表示されている呼出番号を単に消去するもの
で,窓口をクローズするクローズボタンではない。窓口をクローズするときは,単
に終了ボタン20を押すだけでは作動せず,予め前記選択ダイヤル16を「0」の
位置に回転選択した後に,この終了ボタン20を押すことによって行う。すなわ
ち,クローズするには,2つの操作が必要である。したがって,終了ボタン20
は,構成要件Cの「クローズキースイッチ」に該当しない。
 エ 構成要件Fの充足性
 構成要件Fの「それぞれの窓口の受付業務の外に他の窓口の受付業務を
も適宜選択する複数業務選択機能を有し」とは,1つの窓口操作機に自己の業務を
含めて他の業務を同時に複数選択すること,つまり基本的にあらかじめ固定的に選
択された自己の業務の外に,他の異なる1,2,3あるいはそれ以上の業務を同時
に選択しておくことができるという機能を有することを意味するのであって,1つ
の業務を他の業務に切り換えて置き換えるという単純な機能を有することを意味す
るものではない。
 これに対し,被告装置1の「サインポールコントローラー4」は,選択
ダイヤル16及び終了ボタン20の組合せ操作によって,自己の業務(グループ)
以外の業務を選択することは可能であるが,この選択は単一の業務だけであって,
いったん,別の業務を選択した場合は,今まで選択されていた業務は消去されてし
まう。
   したがって,被告装置1は,構成要件Fを充足しない。
 オ 構成要件Gの充足性
 構成要件Gの「制御機」は,「窓口操作機の呼出キースイッチの呼出信
号により,その呼出を発した窓口操作機の選択業務の窓口番と受付券発行順に従っ
た呼出番号とを順次対応させて表示機に表示」させるものである。
 これに対して,被告装置1の「コントロールボックス5」は,サインポ
ールコントローラ4の呼出キースイッチに相当する表示ボタン17の呼出信号によ
り,その呼出を発したサインポールコントローラー4の選択業務の窓口番と受付券
発行順に従った呼出番号を順次対応させてセンターサインユニット3に表示させる
制御はしていない。
 したがって,被告装置1の「コントロールボックス5」は,構成要件G
の「制御機」に該当しない。
(4) 被告装置2と本件発明2との対比
(原告の主張)
 ア 構成要件Aの充足性
 被告装置2の番号札発行器は,窓口へ事務の依頼に来た依頼者へ連続番
号を呼出番号として印字した受付券を発行する。したがって,番号札発行器は,構
成要件Aの受付券発行機に該当する。
 被告装置1の番号印刷器において,グループ選択ボタンが複数個存在し
ても,同一のグループ選択ボタンが押された場合には,そのグループにおいては
「連続番号としての呼出番号を印字する」から,オートナンバープリンターは,構
成要件Aの受付券発行機に該当する。
 イ 構成要件Bの充足性
 構成要件Bは,窓口番号が固定表示されたものは含まれないと解すべき
ではない。
 被告装置2のサインポールは,受付する呼出番号と,受付窓口の番号と
を夫々対応させて表示するのであるから,構成要件Bの「表示機」に該当する。
 ウ 構成要件Cの充足性
 構成要件Cの「業務選択キースイッチ」は,1つの受付窓口が同時に2
つの業務を選択する場合ばかりでなく,ある業務を行っていたテラーが当該業務の
取扱を止めて別の業務を選択する場合も含むと解するのが相当である。被告装置2
の「グループ選択用のGボタン17」は,2以上の業務(グループ)をあらかじめ
同時に複数選択しておく機能は有していないけれども,構成要件Cの「複数の窓口
業務を窓口毎に必要な業務として適宜選択指定できる業務選択キースイッチ」に該
当する。
被告装置2の「窓口操作卓3」は,Gボタン17とテンキー13の
「-」ボタンによる2つの操作により協働してクローズさせるのであるから,構成
要件Cの「クローズキースイッチ」に当たる。
 エ 構成要件Eの充足性
 被告装置2の各サインポール2には,確かに,CPU,ROM,RAM
とを有するマイクロコンピューターが内蔵されていない。しかし,番号札発行器,
受付窓口用操作卓が,それぞれマイクロコンピューター及び通信インターフェイス
を内蔵し,また,AUCPU基板が,ケーブルによって,サインポールとコントロ
ールボックスとの連繋を可能ならしめており,コントロールボックスが呼出信号を
発した受付窓口用操作卓の窓口番号と呼出番号とを順次対応させてサインポールに
表示させる機能に寄与していることを考慮すれば,各サインポールにCPU,RO
M,RAMとを有するマイクロコンピューターが内蔵されてなくとも,構成要件E
を充足すると解すべきである。
 オ 構成要件Fの充足性
 被告装置2においては,受付窓口用操作卓のGボタン及びテンキーによ
って業種選択をすることができるから,構成要件Fを充足する。
 カ 構成要件Gの充足性
 被告装置2の「コントロールボックス」は,構成要件Gの「制御機」に
該当する。
(被告の反論)
 ア 構成要件Aの充足性
 番号札発行器1は,非連続番号の受付券が発行される。したがって,番
号札発行器は,構成要件Cの「受付券を発行毎にその受付券に連続番号としての呼
出番号を印字する受付券発行機」に該当しない。
 イ 構成要件Bの充足性
 被告装置2の各サインポール2は,受付する呼出番号及びこの呼出番号
の受付をする窓口それぞれを対応させて表示することができないので構成要件Bの
「表示機」に該当しない。
   ウ 構成要件Cの充足性
 被告装置2の「グループ選択用のGボタン17」は,グループ選択を別
の1つのグループに切り換える機能を有しているだけで,1つの窓口操作機で2以
上の業務(グループ)をあらかじめ同時に複数選択しておく機能は有してない。し
たがって,「グループ選択用のGボタン17」は,「複数の窓口業務を窓口毎に必
要な業務として適宜選択指定できる業務選択キースイッチ」に該当しない。
 また,被告装置2の「窓口操作卓3」は,Gボタン17とテンキー13
の「-」ボタンによる2つの操作によりクローズさせるのであって,単一のクロー
ズキースイッチによる単一操作によってクローズさせることはできない。したがっ
て,「窓口操作卓3」は,構成要件Cの「クローズキースイッチ」に当たらない。
   エ 構成要件Eの充足性
 被告装置2の各サインポール2には,CPU,ROM,RAMとを有す
るマイクロコンピューターが内蔵されておらず,コントロールボックス4に接続さ
れたAUCPU基板にLANケーブルを介して接続されているにすぎない。このた
め,サインポール2は,LANケーブルを介してAUCPU基盤によって一方的に
制御されるだけであるため,高精度の制御はできない。したがって,被告装置2
は,構成要件Eを充足しない。
 オ 構成要件Fの充足性
 構成要件Fの「業務選択機能」とは,同時に2以上の複数の業務を選択
する機能を意味すると解すべきである。これに対し,被告装置2は,1つの業務グ
ループを他の1つの業務グループに切り換えるという機能を有するのみであるか
ら,構成要件Fを充足しない。
 カ 構成要件Gの充足性
 構成要件Gの「制御機」は,「窓口操作機の呼出キースイッチの呼出信
号により,その呼出を発した窓口操作機の選択業務の窓口番と受付券発行順に従っ
た呼出番号とを順次対応させて表示機に表示」させるものである。
 これに対し,被告装置2では,各サインポール2の窓口番が固定表示と
なっているので,窓口番と呼出番号とを順次対応させて表示できないし,しかも,
サインポール2が各窓口操作卓に設けられているので,各サインポール2に表示さ
れる呼出番号は平均的には同じ業務グループの受付窓口数だけ飛び越した番号順と
なり,受付券発行順に従った番号にはならない。したがって,被告装置2のコント
ロールボックスは,構成要件Gの「制御機」に該当しない。
(5) 損害額
(原告の主張)
 被告は,地方自治体等に対して,1システム当たり平均500万円で,被
告各装置を販売している。被告各装置は地方自治体等に対して少なくとも100台
納入されている。
 被告の利益率は売上高の20パーセントを下ることはないから,被告の得
た利益額は,1億円となり,同額が原告の受けた損害額となる。
        5,000,000(円)×100(台)×0.2=100,000,000(円)
 よって,原告は被告に対して,その一部である5000万円を請求する。
(被告の反論)
争う。
第3争点に対する判断
1 本件発明1について
 (1) 被告各装置の構成要件Bの充足性について
 ア 構成要件Bの解釈
 本件発明1の構成要件Bに係る特許請求の範囲の記載部分(以下単に
「構成要件B」という。)には,「受付けする呼出番号及びこの呼出番号の受付券
を受付けする受付窓口の番号夫々を対応させて表示する」と記載されている。同記
載の意味は,その文言から,「呼出番号」と「受付窓口の番号」の両者について,
非表示状態から表示状態に変えることを指すと理解すべきである。
 この点,原告は,「表示する」とは,非表示状態から表示状態へ変化さ
せる意味だけでなく,何ら変化を伴わず,継続的に表示されている状態を保つこと
を広く含む意味であると主張する。しかし,原告の同主張は,以下の理由から採用
できない。
 すなわち,①構成要件Bには,「呼出番号」及び「受付窓口番号」「夫
々を対応させて」を「表示する」と記載されていることに照らすならば,いずれか
一方を表示状態に固定しておき,他方のみを,非表示から表示に変えることと理解
することはできないこと,②本件明細書1の「発明の詳細な説明」欄には,「依頼
者は受付券11を受け取るという操作と,この受付券11の番号が呼出番号として
表示され,この呼出番号に対応した窓口番号が表示されるのを確認するという行為
のみで良く,複雑な手間が不要である。」と記載されているが(本件明細書1の4
頁右欄27ないし31行),同記載部分は,「呼出番号」と,呼出番号と対応させ
た「窓口番号」の両者について,非表示状態から表示状態に変えることによって,
依頼者が,複数の表示場所を探すことなく,「窓口番号」と「呼出番号」を容易に
確認でき,手間を省く趣旨を明示したのは明らかである。そうすると,「表示す
る」との文言を,表示状態の継続状態を含むと解することはできないこと,③特許
請求の範囲の構成要件Eには,「窓口番号と・・・呼出番号とを順次対応させて警
報音と共に表示する」と記載されているが,上記「表示する」の意義は,「呼出キ
ースイッチの呼出信号により,」「警報機と共に」などの用語とあわせて読めば,
非表示状態から表示状態へ変える意味に限定して理解すべきことは明らかであるこ
と,⑤その他,本件明細書1の他の部分にも,窓口番号が固定表示されたものをも
含むことを示唆する記載は一切ないこと等の点に照らすならば,「表示する」の意
味は,「呼出番号」と「受付窓口の番号」の両者について,非表示状態から表示状
態に変える趣旨であると理解すべきである。
イ 対比
 被告装置1のサインポールユニット及びセンターサインユニット,被告
装置2のサインポールは,各目録の構成の記載(物件目録1,2の「2 構造の説
明」の(1))のとおりであり,その「受付窓口の番号」は,いずれも切り文字によっ
て固定表示され,表示状態が継続的に保たれている。そうすると,被告各装置は,
受付窓口の番号を非表示状態から表示状態に変えるものではないので,構成要件B
を充足しない。
 (2)被告各装置の構成要件Eの充足性について
 構成要件Eは,「窓口番号と受付券発行順に従った呼出番号とを順次対応
させて表示盤に警報音と共に表示する」との記載がある。
 同構成要件の「表示する」との語義については,前記(1)において判断した
とおり,非表示状態を表示状態に変化させることと解すべきである。そうすると,
被告装置1のサインポールユニット及びセンターサインユニット,被告装置2のサ
インポールは,いずれも受付窓口番号が固定表示され,非表示状態から表示状態に
変えるものではないので,被告各装置はいずれも構成要件Eを充足しない。 
2 本件発明2について
 (1) 被告各装置の構成要件Bの充足性について
 ア 構成要件Bの解釈
 本件発明2の構成要件Bには,「受付する呼出番号及びこの呼出番号の
受付する受付窓口それぞれを対応させて表示する表示機」と記載されている。同記
載の意義は,その文言から,「呼出番号」と「受付窓口」の両者について,非表示
状態から表示状態に変えることを指すと理解すべきである。
 この点,原告は,「表示する」とは,非表示状態から表示状態へ変化さ
せる意味だけでなく,何ら変化を伴わなず,継続的に表示されている状態を保つこ
とを広く含む意味であると主張する。しかし,原告の同主張は,以下の理由から採
用できない。
 すなわち,①構成要件Bには,「呼出番号」及び「受付窓口」「それぞ
れを対応させて」「表示する」と記載されていることに照らすならば,いずれか一
方を表示状態に固定しておき,他方のみを,非表示から表示に変えることと理解す
ることはできないこと,②本件発明2の「発明の詳細な説明」欄には,本件発明2
は,本件発明1を基礎とし,その発展型として,各窓口において複数の業務を選択
指定できるようにしたものであると記載されているが(本件明細書2の2頁右欄8
行目ないし9行目,3頁左欄11行目ないし20行目など。),同記載部分は,前
記1で認定したとおり,「呼出番号」と,「受付窓口」の両者を対象にして,非表
示状態から表示状態に変化させることよって,依頼者が,複数の表示位置を探すこ
となく,「受付窓口」と「呼出番号」を容易に確認でき,手間を省く趣旨を明示し
たのは明らかである。そうすると,「表示する」との文言を,表示状態の継続状態
を含むと解することはできないこと,③本件発明2の構成要件Gには,「制御機は
前記窓口操作機の呼出キースイッチの呼出信号により,その呼出信号を発した窓口
操作機の選択業務の窓口番と受付券発行順に従った呼出番号とを順次対応させて表
示機に表示すべく形成したことを特徴とする」と記載されているが,同構成要件に
おける「表示」の意味は,「窓口番(窓口番号の誤記と解される。)と・・・呼出
番号とを順次対応させて表示機に表示すべく」などの文脈とあわせて読めば,受付
窓口番号と呼出番号の両者を非表示状態から表示状態へ変える意味に限定して理解
すべきことは明らかであること,⑤その他,本件明細書2の他の部分にも,窓口番
号が固定表示のものを含む旨を示唆する記載はないこと等の点に照らすならば,
「表示する」の語の意味は,「呼出番号」と「受付窓口」の両者について,非表示
状態から表示状態に変える意味であると解すべきである。
イ 対比
 そうすると,被告装置1のセンターサインユニット,被告装置2のサイ
ンポールは,いずれも窓口番号が切り文字によって固定表示されているものである
から,被告各装置はいずれも構成要件Bを充足しない。
 (2) 被告各装置の構成要件Cの充足性について
  ア 構成要件Cの解釈
 本件発明2の構成要件Cは,「各受付窓口に配され,複数の窓口業務を
窓口毎に必要な業務として適宜選択指定できる業務選択キースイッチ」と記載され
ているが,上記「業務選択キースイッチ」は,1つの受付窓口業務者が同時に2つ
の業務を選択指定できる「選択スイッチ」(業務Aと業務Bを1つの窓口で取扱う
場合)を指すものと解すべきであり,ある業務を行っていた窓口業務者が当該業務
の取扱いを止めて別の業務を選択することができる「選択スイッチ」(業務Aを担
当していたテラーが業務Bを行うよう切り替える)を広く含むと解すべきではな
い。
 その理由は,以下のとおりである。すなわち,①構成要件Cは,「複数
の窓口業務を・・・適宜選択指定できる」と記載されていること,②本件明細書2
の「発明の詳細な説明」欄に,「一つの窓口にて呼出されるべき番号が多くたまっ
てきた場合には,この窓口の業務を他の窓口にあっても業務選択されていることが
あるので,その待ち数を他の窓口に連絡すべく連絡窓口指示キースイッチ29を押
して,次に待数連絡キースイッチ28を押すことで,一つの窓口で延滞していた呼
出番号を他の窓口にあっても確認することができ,空いている窓口の方でその業務
に関わる呼出番号の来客を呼出すことができ,業務補助を行って速やかな受付業務
を行うものである。」と記載されていることに照らすならば(本件明細書2の5頁
左欄22ないし30行目),上記「業務選択キースイッチ」は,複数の業務を同時
に選択指定することができる「選択スイッチ」に限られることは明らかである。
  イ 対比
 被告装置1のグループ選択ダイアル及び被告装置2のGボタンのいずれ
も,複数の業務グループを同時に選択指定することはできないのであるから,被告
各装置は,本件発明2の構成要件Gを充足しない。確かに,被告装置1のグループ
選択ダイアルにおいては終了ボタンを押すことにより,被告装置2のGボタンにお
いては更にGボタンを押すことにより,一旦,取り扱っていた業務を止めたのち
に,別の業務グループを選択することはできるが,このような場合が構成要件Cに
おける「業務選択」に該当しないことは,アで判断したとおりである。
 (3) 被告各装置の構成要件F,Gの充足性について
ア 構成要件Fは,「窓口操作機は,業務選択キーによりそれぞれの窓口の
受付業務の外に他の窓口の受付業務をも適宜選択する複数業務選択機能を有し」と
記載されている。上記「複数業務選択機能」の意義については,前記(2)で判断した
とおり,複数の業務を同時に選択指定できることを指すと解すべきである。そうす
ると,被告各装置はいずれも,構成要件Fを充足しない。
イ 構成要件Gは,「制御機は前記窓口操作機の呼出キースイッチの呼出信
号により,その呼出信号を発した窓口操作機の選択業務の窓口番と受付券発行順に
従った呼出番号とを順次対応させて表示機に表示すべく形成したことを特徴とす
る」と記載されている。上記「表示する」の意義については,前記(1)で判断したと
おり,「呼出番号」と「受付窓口」の両者について,非表示状態から表示状態に変
える意味であると解すべきである。そうすると,被告各装置はいずれも構成要件G
を充足しない。
第4結論
 よって,その余の点を判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がな
い。
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官    飯村敏明
裁判官今井弘晃
裁判官石村 智
物件目録1
自動窓口受付システム
1 図面の説明
 図1 システム全体の概略図
 図2 オートナンバープリンタの正面図
 図3 サインポールユニットの正面図及び側面図
 図4 センターサインユニットの正面図
 図5 サインポールコントローラの平面図
2 構造の説明
 (1) 図1に示す自動窓口受付システムは,呼出番号を印字するオートナンバープ
リンタ1と,
   予めユニットの表面に固定的に表示された受付窓口番号に対応して呼出番号
を可変表示するサインポールユニット2と,
   同じく予めユニットの表面に固定的に表示された受付窓口番号に対応して呼
出番号を可変表示するセンターサインユニット3と,
   各受付窓口に配設されたサインポールコントローラ4と,
   この自動窓口受付システムの全体を制御するコントロールボックス5とを備
えている。
   なお,コントロールボックス5の近傍に配置されたセンターコントローラ
(パソコン)6は,通常使用時においては,受付番号の発行状況や表示状況をモニ
ターしてシステムのグループ番号範囲や印字内容及び音声などの基本設定を行な
い,システムの立ち上げ時に,設定内容をコントロールボックス5にデータを送る
機能を有している。
 (2) 前記オートナンバープリンタ1は,図2に示すように複数の業種に対応した
グループ選択ボタンを備えている。すなわち,住民票,戸籍抄謄本,印鑑証明書,
住民異動届その他の証明を依頼する「ボタン1(表示されている1)」と,戸籍届
出を依頼する「ボタン2(表示されている2)」と,その他予備ボタン2個の合計
4個のグループ選択ボタンB1~B4を備えている。また,正面の下端部には受付
券を発行する1つの発行口7が設けられている。
   また,オートナンバープリンタ1は,前記コントロールボックス5と連繋す
るCPU,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータを内蔵している。
   前記グループ選択ボタンB1~B4は,受付整理番号のそれぞれ異なる数字
体系が所定範囲で設定されており,市川市役所では,ボタン1(B1)側で1~8
50番までの数字が順番に設定され,ボタン2(B4)側で901番~999番ま
での数字に設定されている。したがって,最初の依頼者が,例えばボタン1を押す
と,発行口7からは1番を印字した受付券が発行され,次の依頼者が同じボタン1
を押すと,発行口7からは連続番号の2番を印字した受付券が発行されるが,次の
依頼者がボタン2を押すと,同じ発行口7からは非連続番号である901番を印字
した受付券が発行されるようになっている。
 (3) 前記各サインポールユニット2は,窓口業務を行なう各受付窓口にスタンド
形式で1個ずつ配置されており,図3に示すように,それぞれは受付する呼出番号
のLED表示部8を備えていると共に,受付する「窓口番号」はLED表示ではな
く黒色系の切り文字9によって固定表示されている。この切り文字9は,黒色系の
シートを所定の文字に切り抜いたもので,ユニット2の前面及び側面に予め貼着さ
れている。
   また,サインポールユニット2は,サインポールコントローラ4に接続され
ており,CPU,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータは内蔵していな
い。
 (4) 前記センターサインユニット3は,受付窓口の上方の天井から吊り下げ式に
設置されて,各サインポールユニット2の表示を1つに集合させた大型の表示盤で
あって,図4にも示すように,1番~8番の「窓口番号」が正面の横2段の行列で
窓口番号順に予め切り文字11を貼着することにより固定的に表示されている。ま
た,この各切り文字11の上記側には,各窓口番号で受付する呼出番号のLED表
示部12がそれぞれ設けられている。
   また,センターサインユニット3の両側には,呼出番号の表示と同時にその
依頼者を呼ぶ呼出合成音声及びチャイム音を発するスピーカー13が設けられてい
る。
   また,センターサインユニット3は,前記コントロールボックス5と連繋す
るCPU,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータを内蔵している。
 (5) 前記サインポールコントローラ4は,窓口業務を行なう各受付窓口に1台ず
つ設けられ,図5に示すように操作ボタン群14と,呼出番号のモニター表示部1
5と,回転させることにより前記オートナンバープリンタ1のグループ選択ボタン
B1~B4に対応して窓口業務者が希望するグループを選択するグループ選択ダイ
ヤル16とを備えている。
   また,サインポールコントローラ4は,前記コントロールボックス5と連繋
するCPU,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータを内蔵している。
   前記操作ボタン群14は,窓口業務者が押圧操作するもので,表示ボタン1
7,保留ボタン18,呼出音ボタン19(現在は撤去)及び終了ボタン20とを備
えている。
   呼出音ボタン19は,前記呼出番号の表示に拘わらず該当する依頼者が来な
いときに押され,チャイム音を発して注意を喚起するものである。
   終了ボタン20は,主として窓口での1つの事務処理後に,サインポールコ
ントローラ4のモニター表示部15や各ユニット2・3の呼出番号LED表示部
8・12に表示されている呼出番号を単に消去するものである。
   また,窓口をクローズするときは,単に終了ボタン20を押すだけでは作動
せず,予め前記選択ダイヤル16を「0」の位置に回転選択した後に,この終了ボ
タン20を押すことによってクローズするようになっている。
   前記グループ選択ダイヤル16は,回転させることにより所定の単1のグル
ープ番号を選択し,その後,操作キー部14の終了ボタン20(セット)を押すこ
とによりグループの選択を行なうものである。また,グループ番号の変更は,同様
にグループ選択ダイヤル16によりグループ番号を選択し,その後,操作キー部1
4の終了ボタン20を押して行なう。つまり,この終了ボタン20を最終的に押す
ことにより,先の選択されたグループ番号が消去されて,新たな単1のグループが
選択される。このようにグループ選択ダイヤル16は1つの番号しか選択できない
構成となっており,また,終了ボタン20を押すときに選択されていたグループ選
択ダイヤル16の番号のみが終了ボタン20を押すことにより選択されるようにな
っているので,複数のグループを選択することはできない。
 (6) 前記コントロールボックス5は,前記オートナンバープリンタ1,センター
サインユニット3,サインポールコントローラ4に内蔵されている各マイクロコン
ピュータと連繋しており,特に前記オートナンバープリンタ1とサインポールコン
トローラ4からの情報信号を入力して,サインポールユニット2とセンターサイン
ユニット3に表示信号を出力している。
   すなわち,このコントロールボックス5は,オートナンバープリンタ1から
のコマンド(命令)に対して番号の発行管理や,前述のようにグループ別に発行さ
れた番号の状態及びLED表示,合成音声などの制御を行なっている。また,発行
されたグループ別番号を記憶して,マイクロコンピュータからのコマンドによって
LED表示や合成音声などの指示をサインポールユニット2やセンターサインユニ
ット3に呼出番号の表示信号を出力する。
   そして,窓口業務者が,新たに依頼者を窓口へ受付けるためにサインポール
コントローラ4の表示ボタン17を押すと,前記コントロールボックス5は,前記
表示ボタン17が押されたサインポールコントローラ4が位置する窓口,つまり,
このサインポールコントローラ4が位置するサインポールユニット2に固定的に表
示された窓口番号に対応して当該サインポールユニット2のLED表示部8及びセ
ンターサインユニット3のLED表示部12に,前記グループ毎の受付券の発行順
にしたがった呼出番号をそれぞれ可変表示すると共に,チャイム音を発する。同時
に前記呼出番号を発したサインポールコントローラ4のモニター表示部15に同じ
呼出番号を表示させる。
3 符号の説明
 1……オートナンバープリンタ
 2……サインポールユニット
 3……センターサインユニット
 4……サインポールコントローラ
 5……コントロールボックス
 6……センターコントローラ
 7……発行口
 8……LED表示部
 9……切り文字
 11…切り文字
 12…LED表示部
 13…スピーカー
 14…操作ボタン群
図1~図5 
物件目録2 
呼出し番号表示システム
1 図面の説明
 図1 システム全体の概略図
 図2 番号札発行器の正面図
 図3 サインポールの正面図及び側面図
 図4 受付け窓口用操作卓の平面図
2 構造の説明
 (1) 図1に示す呼出し番号表示システムは,呼出番号を印字する番号札発行器1
と,
   予め表面に固定的に表示された受付窓口番号に対応して呼出番号を表示する
サインポール2と,
   各受付窓口に配設された受付け窓口用操作卓3と,
   呼出し番号表示システムの全体を制御するコントロールボックス4を備えて
いる。
 (2) 番号札発行器1は,図2に示すように,住民異動届用のボタン5と,印鑑登
録用のボタン6の2つのグループ選択ボタンを備え,また,正面の下端部には受付
券の1つの発行口7が設けられている。
   また,番号札発行器1は,前記コントロールボックス5と連繋するCPU,
ROM,RAMを有するマイクロコンピュータを内蔵している。
   前記グループ選択ボタン5,6は,受付整理番号のそれぞれ異なる数字体系
が所定範囲で設定されており,例えば住民異動用のボタン5側では500~999
番までの数字が順番に設定され,印鑑登録用のボタン6側では300番~499番
までの数字が順番に設定されている。したがって,最初の依頼者が例えば住民異動
用のボタン5を押すと,発行口7からは500番を印字した受付券が発行され,次
の依頼者が同じボタン5を押すと,発行口7からは連続番号の501番を印字した
受付券が発行されるが,次の依頼者が印鑑証明用のボタン6を押すと非連続番号で
ある300番を印字した受付券が同じ発行口7から発行されるようになっている。
 (3) 前記各サインポール2は,窓口業務を行なう各受付窓口にスタンド形式で1
個ずつ配置されており,図3に示すように,受付する呼出番号を可変表示するLE
D表示部8をそれぞれ備えていると共に,「窓口番号」は切り文字9によってサイ
ンポール2の前面及び側面に予め固定表示されている。この切り文字9は,黒色系
のシートを所定の文字に切り抜いたもので,サインポール2の前面及び側面に貼着
されている。また,各サインポール2の1側には,呼出番号の表示と同時にその依
頼者を呼ぶ合成音声及びチャイム音を発するスピーカー10が設けられている。
   なお,各サインポールユニット2は,コントロールボックス5に接続されて
おり,CPU,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータは内蔵していない。
 (4) 前記受付け窓口用操作卓3は,窓口業務を行なう各受付窓口に1台ずつ設け
られ,図4にも示すように,操作ボタン群11と,呼出番号を表示する3桁のモニ
ター表示部12と,窓口用操作卓3が選択したグループ番号を表示する1桁の表示
部18と,3桁の待ち人数表示部19を備えている。
   また,受付け窓口用操作卓3は,前記コントロールボックス5と連繋するC
PU,ROM,RAMを有するマイクロコンピュータを内蔵している。
   前記操作ボタン群11は,窓口業務者による押圧操作されるもので,テンキ
ー13の他に,呼出ボタン14,終了ボタン15,チャイムボタン16(現在は撤
去)及びグループ選択用のGボタン17などを備えている。
   前記呼出ボタン14は,番号札発行器1から出力されたグループ別に対応し
た呼出番号,又はテンキー13で入力した番号を表示させるものである。
   前記終了ボタン15は,受付け窓口用操作卓3の受付番号表示部12に表示
されている受付番号を単に消去するものである。
   前記チャイムボタン16は,前記呼出番号の表示に拘わらず該当する依頼者
が来ないときに押されて,チャイム音を発して注意喚起を行なうものである。
   また,前記Gボタン17は,前記番号札発行器1のグループ選択ボタン5,
6に対応して窓口業務者が希望する業種,即ちグループを選択するときに押すもの
である。グループの選択は,受付番号表示部12に受付番号が表示されていないと
きにGボタン17を押し前記テンキー13で選択するグループ番号である1又は2
を入力する。また,選択したグループを変更するときは,同様にGボタン17を押
しテンキー13で2又は1を入力する。選択したグループ番号は表示器18に表示
される。
   なお,Gボタン17を押すことで先に入力されていたグループ番号は消され
ると共にテンキー13による単1のグループ番号の入力が可能となるようになって
いる。したがって,例えば,Gボタン17を押しテンキー13で1と2を続けて押
した場合,先に押したグループ1が選択され,2は選択されず,常に単1のグルー
プ番号が選択されることになる。換言すれば,グループを複数選択することはでき
ない。
   そして,窓口をクローズするときは,前記Gボタン17を押した後に,テン
キー13の「-」ボタン13Aを押すことによってクローズするようになってい
る。
 (5) 前記コントロールボックス4は,前記番号札発行器1,受付け窓口用操作卓
3に内蔵されている各マイクロコンピュータと連繋している。そして,前記番号札
発行器1と受付け窓口用操作卓3から情報信号を受けて前記サインポール2に呼出
番号の表示信号を出力している。
   具体的には,このコントロールボックス4は,番号札発行器1からのコマン
ド(命令)に対して番号の発行管理や,前述のようにグループ別に発行された番号
の状態及びLED表示,合成音声などの制御を行なっている。また,発行されたグ
ループ別番号を記憶して,マイクロコンピュータからのコマンドによってLED表
示や合成音声などの指示をサインポール2に出力する。
   そして,窓口業務者が,受付け窓口用操作卓3の呼出ボタン13を押すと,
前記コントロールボックス4は,前記呼出ボタン13が押された受付け窓口用操作
卓3が位置する窓口,つまり,この受付け窓口用操作卓3が位置するサインポール
2に固定的に表示された窓口番号に対応して当該サインポール2のLED表示部8
に各グループ毎の受付番号札の発行順に従った呼出し番号を可変表示すると共に,
チャイム音を発する。
   なお,同時に前記呼出番号を発した受付け窓口用操作卓3の呼出番号のモニ
ター表示部12に同じ呼出番号がモニター表示される。
3 符号の説明
 1……番号札発行器
 2……サインポール
 3……窓口用操作卓
 4……コントロールボックス
 5……グループ選択ボタン
 6……グループ選択ボタン
 7……発行口
 8……LED表示部
 11…操作ボタン群
図1~図4

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